交通事故弁護士

メール相談受付 0120-790-073

交通事故慰謝料の仕組みと3つの基準について

交通事故のご相談はこちら

目次

交通事故の慰謝料ってそもそも何?

慰謝料は、肉体的・精神的苦痛を受けた際に支払われる賠償をいいます。交通事故により、怪我や後遺症が残った場合や不幸にも死亡した場合に、慰謝料が支払われます。 具体的には、怪我の治療のための入院や通院に対して支払われる「入通院慰謝料」、後遺障害が残った場合に支払われる「後遺障害慰謝料」、死亡した場合に本人と遺族に対して支払われる「死亡慰謝料」の3種類があります。

慰謝料の種類
  • 入通院慰謝料 : 怪我の治療のための入院や通院に対して支払われる
  • 後遺障害慰謝料 : 後遺障害が残った場合に支払われる
  • 死亡慰謝料 : 死亡した場合に本人と遺族に対して支払われる

心の痛みの程度は、人によって様々ですが、年に何十万件も交通事故があるため、事故の程度や通院・治療状況、後遺症の程度により類型的に慰謝料の金額を査定していくことになります。

慰謝料と損害賠償金の違い

交通事故に遭うと、いろいろな損害が生じます。この損害に対する補償を「損害賠償」といいます。 慰謝料は損害賠償の内容の1項目であって、損害賠償=慰謝料ではありません。 詳しく説明すると、交通事故の損害には、大きく分けて精神的損害と財産的損害の2種類あります。 そして、精神的損害に対する補償は大きく3つに分けられ、入院や通院に伴う肉体的・精神的苦痛に対する賠償を「入通院慰謝料」、後遺症による肉体的・精神的苦痛に対する賠償を「後遺障害慰謝料」、死亡による肉体的・精神的苦痛に対する賠償を「死亡慰謝料」と呼びます。 慰謝料と損害賠償金の違い 財産的損害の最もわかりやすい例である、治療費、通院交通費、休業損害等、に対する賠償も損害賠償の一つです。また、後遺症が生じ働きづらくなったときに発生する後遺障害逸失利益に対する補償も、損害賠償の一つになります。

慰謝料の計算には3種類の基準があります

自賠責基準

自賠責基準は、被害者の損害を最低限保証するものであるため、3つの基準の中で1番低い基準です。 1日4200円×通院日数(通院期間と実通院日数×2のいずれか少ない方)が入通院慰謝料の計算方法となりますが、治療費、交通費、休業損害その他全ての損害賠償額と合わせて120万円が上限となります。

自賠責基準
  • 被害者の損害を最低限保証するもの
  • 全ての損害賠償額と合わせて120万円が上限

任意保険基準

平成9年までは、支払い基準が統一されており、任意保険会社が異なっても同一の基準で支払われていました。しかし、現在は統一基準が撤廃され、各保険会社ごとに様々な内部基準を持っており、公開もされていません。ただ、人身傷害保険特約では、支払い基準を定めた約款が公開されており、その約款が任意保険基準の参考になるでしょう。 入通院慰謝料の支払い額は、自賠責基準と弁護士基準の中間程度と考えられています。

弁護士基準

弁護士が、示談交渉や裁判をする際に使用している基準です。交通事故の過去の裁判例をもとに設定され基準であり、裁判基準ともいわれます。 弁護士基準で通院慰謝料を算定する場合は、通院日数ではなく、通院期間をもとに計算します。 3つの基準の中で、もっとも高額な基準となります。 慰謝料の計算には3種類の基準があります

慰謝料の算定基準についてもっと詳しくみる

入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算式と相場

3つの基準の内どの基準を使うかで、慰謝料の額は大きく変わります。 多くの場合、自賠責基準→任意保険基準→弁護士基準の順番で高額になっていきます。 では、具体的にはどのくらいの差があるのでしょうか。 例として、入院1ヶ月(30日)・通院期間90日・実通院日数40日の場合で計算してみましょう。

自賠責基準

自賠責基準では、通院1日につき4200円の損害があったとして、「日額×入通院期間(入院期間+通院期間)」もしくは「日額×実治療日数(入院日数+実通院日数)の2倍」で計算します。このとき、入通院期間と実治療日数の2倍を比べ、少ない方の計算式を選択します。

自賠責基準での入通院慰謝料の計算式
  • 通院1日につき4200円
  • 日額×入通院期間(入院期間+通院期間)
  • 日額×実治療日数(入院日数+実通院日数)の2倍
  • 入通院期間と実治療日数の2倍を比べ、少ない方の計算式を選択

入院1ヶ月(30日)・通院期間90日・実際の通院日数40日の場合、自賠責基準での計算式は以下のようになります。 まず、入通院期間と実治療日数の2倍のどちらの計算式を使うか計算します。 「(通院期間)120日<(実治療日数)70日×2」ですので、通院期間を用いる計算式を使うことがわかりました。 次に、「日額×通院期間」の計算式に当てはめます。 「入通院慰謝料=日額4200円×120日=50万4000円」ですので、例の場合、自賠責基準の入通院慰謝料は、50万4000円となります。 ただし、自賠責基準では、治療費・休業損害等を含め、総額120万円が限度となるので、注意が必要です。 自賠責基準の詳しい計算方法については下記のページをご参照ください。

慰謝料の詳しい計算方法ついてはこちら

任意保険基準

任意保険基準では、計算式ではなく各保険会社の算定表を基に慰謝料を算出します。 任意保険基準は統一された基準ではありませんので、ここではあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の人身傷害保険特約の約款(平成30年1月)を参考に算出します。 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の約款によると、「入通院慰謝料=日額×対象日数」で算出します。 日額は、入院1日につき8400円、通院1日につき4200円とされます。 そして、事故から3ヶ月までは入通院日数の100%、3ヶ月以上6ヶ月未満であれば75%が対象日数と認められます。 これを踏まえますと、入院1ヶ月(30日)・通院期間90日・実際の通院日数40日の場合、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の任意保険基準での入通院慰謝料は以下のようになります。 入通院慰謝料=日額×対象日数=8400×30+4200×90=63万円 したがって、63万円が入通院慰謝料となります。

任意保険(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)の算出方法
  • 「入通院慰謝料=日額×対象日数」で算出
  • 日額=入院1日につき8400円・通院1日につき4200円
  • 対象日数=事故から3ヶ月までは入通院日数の100%、3ヶ月以上6ヶ月未満は75%

任意保険基準の詳しい計算方法・入通院慰謝料の算定表は下記のページでご覧ください。

慰謝料の詳しい計算方法ついてはこちら

任意保険基準における入通院慰謝料算定表はこちら

弁護士基準

弁護士基準では、入通院慰謝料は、原則として入通院期間を基礎として、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)の別表Ⅰ・別表Ⅱを使用して算定します。 入院1ヶ月(30日)・通院期間90日・実際の通院日数40日の場合、赤い本の別表Ⅰでは115万円、別表Ⅱでは83万円となります。

弁護士基準の入通院慰謝料算出方法
  • 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準の別表Ⅰ・別表Ⅱで算出

弁護士基準の詳しい計算方法・入通院慰謝料の早見表は、以下のページでご覧いただけます。

慰謝料の詳しい計算方法ついてはこちら

通院期間が唯一の指標となるのが入通院慰謝料

入通院慰謝料は精神的損害に対する補償であり、その苦痛を数値化して計算することは困難です。 そのためできる限り客観的な基準が必要であり、実際に数えることができる通院期間・通院日数が、慰謝料を算定するための一つの基準となります。 そこで、通院期間・通院日数が、慰謝料を決めるうえでの大きな指標の一つとなります。

入通院慰謝料についての詳細は、下記のページをご覧ください。

入通院慰謝料について詳しく見る

後遺障害慰謝料の計算式と相場

後遺障害慰謝料の計算式と相場 後遺障害慰謝料は、たとえ痛みが残っていたとしても、通常は、後遺障害等級認定されなければ受け取ることができません。後遺障害認定は、症状固定日以降、医師の作成した後遺障害診断書を用いて請求します。 そして、3つの基準の内どの基準を使うかで、慰謝料の額は大きく変わります。 入通院慰謝料と同様、多くの場合、自賠責基準→任意保険基準→弁護士基準の順番で高額になっていきます。 例として、後遺障害等級10級が認定された場合で計算してみましょう。

自賠責基準

自賠責基準とは、交通事故被害者に対して、法令で定められた最低限の補償を行うことを目的とした基準ですので、この基準で計算すると、慰謝料額は最も少額になります。 自賠責基準は、全て自動車損害賠償保障法施行令により定められており、後遺障害等級が10級であれば、その障害の内容・程度等の具体的事情は加味されず増額や減額はされません。 後遺障害等級10級であれば、後遺障害慰謝料は187万円となります。

自賠責基準の後遺障害慰謝料
  • 自動車損害賠償保障法施行令により定められている

自賠責基準で、他の等級の後遺障害慰謝料も見てみる

任意保険基準

任意保険基準は、現在では統一されておらず、公開もされていません。そのため、各任意保険会社ごとに異なる基準ですので、一律に計算することは困難です。 ここでは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の人身傷害特約の約款(平成30年1月)を参考にしてみます。 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の約款を参照すると、後遺障害等級10級の場合、200万円が後遺障害慰謝料となります。

任意保険基準の後遺障害慰謝料
  • 現在では統一されておらず、各任意保険会社ごとに異なる

任意保険基準で、他の等級の後遺障害慰謝料も見てみる

弁護士基準

弁護士基準においても、後遺障害等級に応じた目安が定められており、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)によると、後遺障害等級第10級が認定された場合には、後遺障害慰謝料は550万円になります。 ただし、裁判においては、算定基準を基にしつつも個別具体的な事情を加味して、最終的な慰謝料を算定することになり、増減額することがあります。 例えば、加害者が無免許やひき逃げなど非常に悪質な事故だった場合や、一切事故について謝罪をしない等適切な対応に終始した場合等が、慰謝料の増額事由となります。

弁護士基準の後遺障害慰謝料
  • 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)により目安が定められている
  • 裁判においては、個別具体的な事情を加味して慰謝料を算定するため増減額することがある

弁護士基準で、他の等級の後遺障害慰謝料も見てみる

介護を要する後遺障害

介護を要する後遺障害 非常に痛ましい事故で、被害者の方が大きな怪我を負い、寝たきりや自分一人では生活できない状況になってしまい、その後、生命を維持するには介護が必要とされる場合には、別途後遺障害の等級表が設けられています。 もっとも、介護を要する場合の後遺障害は非常に大きいものですので、第1級と第2級の2等級しかありません。この後遺障害等級は自動車損害賠償保障法施行令の別表第1で定められていますが、第1級と第2級の差は、介護が「常時」必要か、介護が「随時」(常時ではない状況)必要かで区別されています。

介護を要する後遺障害
  • 介護を要する場合の後遺障害は第1級と第2級の2等級
  • 第1級と第2級の差は、介護が「常時」必要か、介護が「随時」(常時ではない状況)必要かで区別

別表第1第1級第1号の定める後遺障害は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要する」後遺障害です。交通事故により、脳や神経に深刻なダメージを負い、生命維持に常に介護が必要な状態になった後遺障害が該当します。 第1級第2号の定める後遺障害、「胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要する」後遺障害です。脳や神経以外の臓器へダメージを受け、事故により生命を維持するために常に介護が必要な状態になった後遺障害が該当します。 第2級も、第1号第2号それぞれに脳・神経へのダメージ、脳や神経以外の臓器へのダメージの場合を規定しており、第1級とは、介護レベルが違います。

介護を要する後遺障害の金額はこちら

後遺障害等級認定の手続きの概要

後遺障害等級を認定してもらうためには、事前認定と被害者請求という2つの方法があります。 事前認定とは、加害者側の保険会社に手続を任せる後遺障害等級認定方法で、加害者側の保険会社が自賠責保険会社に対し等級認定の申請をします。そのため、被害者のすることは、後遺障害診断書を保険会社に提出するだけです。その後、加害者側保険会社が手続を進め、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)による調査や照会の後、自賠責保険会社が等級認定を行います。 被害者請求とは、被害者本人が直接自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定を申請する方法です。自分で後遺障害診断書等の資料を集め自賠責保険会社に資料を提出し、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)による調査や照会の後、自賠責保険会社が後遺障害の等級認定を行います。

後遺障害等級を認定の2つの方法
  • 事前認定 : 加害者側の保険会社に手続を任せる後遺障害等級認定方法
  • 被害者請求 : 被害者本人が直接自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定を申請する方法

事前認定と被害者請求の違いは、事前認定では提出する資料について保険会社がコントロールできるのに対し、被害者請求では、保険会社の介入が阻まれ、被害者側が提出したいと考える資料を揃えて出せることです。 同じ資料を出す前提であれば、事前認定と被害者請求とで認定結果は変わらないと思いますが、出す資料が異なれば、得られる等級認定結果が異なるでしょう。

後遺障害で等級認定が重要な理由

症状固定日以降は、後遺障害等級を認定されない限り、痛みやしびれ等が残っていても賠償はしてもらえません。 そのため、症状固定後の賠償が受けられるか否かという点で、後遺障害等級の認定が非常に重要となります。 また、等級によっても慰謝料の額は大きく変わります。さらに、一度等級が認定されると覆すことは困難ですので、後遺障害等級認定は大切です。 下記のページで詳しく説明しています。

後遺障害逸失利益の算定方法

後遺障害逸失利益とは、財産的損害の一つで、後遺障害が残らなければ得られたであろう財産的利益をいいます。例えば、後遺障害が残り働きづらくなったことにより、異動になったりパフォーマンスが落ちて昇格ができなかったこと等が挙げられます。

関連ページ「休業損害」についてみる

後遺障害逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間×中間利息控除係数」と計算します。 後遺障害逸失利益の算定方法 基礎収入は、原則として事故前の収入を基礎としますが、若年者等の場合には賃金センサスの全年齢平均を用いることがあります。 また、労働能力喪失率は、後遺障害別等級表に等級別に定められています。 労働能力喪失期間は、原則として、労働能力喪失期間の終期である67歳までの残り年数です。ただし、67歳以上の場合には、原則として、平均寿命までの年数の1/2とされます。 最後に、中間利息控除係数は逸失利益を症状固定時の金額にするための係数をいい、ライプニッツ係数の表に記述されています。

主婦(主夫)の場合の後遺障害による逸失利益

専業主婦(主夫)とパート等をしている兼業主婦(主夫)の場合、後遺障害慰謝料の計算式は変わりませんが、後遺障害による逸失利益は異なることがあります。なぜなら、専業主婦と兼業主婦とで基礎収入の基準が異なることがあるからです。 専業主婦(主夫)の場合、賃金センサス(産業計、企業規模計、学歴計)の女性労働者の全年齢平均の賃金額が基礎となります。 これに対し、兼業主婦(主夫)の場合、パート等の実際の収入が賃金センサスの平均賃金額以上のときには実収入を、平均賃金額以下のときには平均賃金額を用いて計算します。

主婦(主夫)の後遺障害逸失利益における基礎収入額
  • 専業主婦(主夫): 賃金センサスの女性労働者の全年齢平均の賃金額
  • 兼業主婦(主夫): 実際の収入が賃金センサスの平均賃金額以上 → 実収入
    平均賃金額以下 → 平均賃金額

学生・子供の後遺障害による逸失利益

学生や子供の場合、まだ就労していないため、将来働き始めた時期を仮定して逸失利益を計算することになります。 学生や子供でもおおむね18歳からは、働き始めることができるため、弁護士基準では、18歳を一つの基準にします。 そのため、症状固定時において18歳未満の未就労者の場合、後遺障害による逸失利益の計算式は、「基礎収入額×労働能力喪失率×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)」というものになります。 これは、18歳未満の学生・子供の場合、就労の始期が18歳になると仮定して、18歳に達するまでの係数を差し引く必要があるため、こうした計算式になります。

学生・子供の後遺障害による逸失利益
  • 将来働き始めた時期を仮定して逸失利益を計算
  • 「基礎収入額×労働能力喪失率×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)」

学生・子供の基礎収入額は、若年者(事故時おおむね30歳未満)の場合と同様、賃金センサスの男女別全年齢平均の賃金額(産業計、企業規模計、学歴計)とされます。 なお、女子年少者の逸失利益については、女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算定するのが一般的です。

弁護士法人ALG&Associates

通話無料・24時間年中無休受付中!

0120-790-073 今すぐ電話で相談受付

メール相談受付はこちら

メール相談受付

死亡慰謝料の計算式と相場

死亡慰謝料は、交通事故被害者が死亡した場合に、被害者本人とその遺族が受け取ることができる慰謝料です。 入通院慰謝料・後遺障害慰謝料と同様、死亡慰謝料を算定するための3つの基準がありますが、多くの場合、自賠責基準→任意保険基準→弁護士基準の順番で高額になっていきます。 では、具体的にはどのくらいの差が生じるのでしょうか。 父(一家の支柱)・母・子1人の家庭で父親が亡くなった場合を例として計算してみましょう。

自賠責基準

自賠責基準では、死亡した個人の特性は一切考慮せず、被害者本人の慰謝料を一律350万円と定めています。また、自賠責基準では、被害者本人の死亡慰謝料とは別に遺族固有の慰謝料が定められています。 遺族固有の慰謝料は、死亡慰謝料請求者(相続人)が1人の場合には550万円、2人の場合には650万円、3人以上の場合は750万円とされます。さらに、被害者に扶養者がいる場合は200万円を加算することとされています。

自賠責基準の死亡慰謝料
  • 将来働き始めた時期を仮定して逸失利益を計算
  • 「基礎収入額×労働能力喪失率×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)」

父(一家の支柱)・母・子1人の家庭で父親が亡くなった例の場合では、慰謝料の額は本人の慰謝料+遺族2人分の慰謝料ですので、「350万円+650万円=1000万円」となり、母または子が被害者に扶養されていた場合には、200万円増額され、1200万円となります。

任意保険基準

任意保険基準とは、任意保険会社ごとに異なる基準ですので、ここでは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の人身傷害保険特約の約款(平成30年1月)を参考にして、後遺障害慰謝料を算出します。 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の約款によると、被保険者が一家の支柱である場合には、死亡慰謝料は2000万円となります。

任意保険基準の死亡慰謝料
  • 任意保険会社ごとに異なる
  • 被保険者が一家の支柱 → 死亡慰謝料は2000万円(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

弁護士基準

弁護士基準では、自賠責基準とは異なり、個人の特性に応じて死亡慰謝料の額が変わります。 具体的には、一家の支柱(主として世帯の生計を維持している者)は2800万円、母親・配偶者は2500万円、独身の男女・子供・幼児等は2000~2500万円を基準とし、具体的な事情により増減します。なお、この慰謝料の額は死亡慰謝料の総額であって、死亡慰謝料を請求する被害者の家族の人数によって、慰謝料総額が増額することはありません。 これを踏まえると、父(一家の支柱)・母・子1人の家庭で父親が亡くなった例の場合では、父本人・母・子3人の慰謝料を合計して、おおよそ2800万円の死亡慰謝料が認められると考えられます。 別途事情に応じて、遺族固有の慰謝料も存在します。

弁護士基準の死亡慰謝料
  • 個人の特性に応じて死亡慰謝料の額が変わる
  • 一家の支柱(主として世帯の生計を維持している者)→ 2800万円
  • 母親・配偶者 → 2500万円
  • 独身の男女・子供・幼児等 → 2000~2500万円

死亡逸失利益の計算式

死亡逸失利益とは、交通事故で死亡していなかったら得られたであろう利益をいいます。 死亡逸失利益は、「基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数×中間利息控除係数」で算定します。 死亡逸失利益の計算式 基礎収入額は就業の有無や年齢により異なりますが、一般的には実際の年収額または賃金センサスの男女別平均賃金(学歴系あるいは学歴別)を基礎収入額として計算します。

主婦(主夫)の場合の死亡による逸失利益

主婦(主夫)の死亡逸失利益の計算の仕方も、「基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数×中間利息控除係数」と、他の職業の方と異なりません。 また、基礎収入についても、実収入と賃金センサスの女性労働者の全年齢平均とを比較して高い方を基礎収入としますので、高所得の兼業主婦の方は、基礎収入が高くなります。 主婦の方と、就労をしている方との大きな違いは、生活費控除率にあります。 生活費控除率とは、生きていれば生活費として使用していた費用について、死んだことにより使用せずにすんだことから、その分を賠償額から控除しようとする考えです。

生活費控除率
  • 生きていれば生活費として使用していた費用について、死んだことにより使用せずにすんだことから、その分を賠償額から控除しようとする考え

主婦や子供の場合はこの生活費控除率を少なめに考えるのが通常です。 例えば、独身男性の場合は生活費控除率50%とするのに対し、主婦の場合は30%とするのが多い傾向にあります。

学生・子供の死亡による逸失利益

学生・子供の場合にも、逸失利益の計算方法は変わらず、「基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数×中間利息控除係数」となります。 しかし、学生・子供の場合には実際の収入がないことの方が多いので、賃金センサスの男女別全年齢平均の賃金額(産業計、企業規模計、学歴計)を基礎収入額とします。 なお、大学生になっていない人についても大卒の賃金センサスが基礎収入と認められる場合があります。ただし、大卒賃金センサスによる場合、就労の始期が遅れるため、全体として損害額が学歴平均額を使用する場合と比べ減ることがありますので、注意が必要です。 また、女子年少者の逸失利益については、女性労働者の全年齢平均ではなく、全労働者(男女計)の全年齢平均賃金で算定するのが一般的です。

学生・子供の死亡による逸失利益
  • 基礎収入額 : 賃金センサスの男女別全年齢平均の賃金額
  • 大学生になっていない人 → 大卒の賃金センサス ※学歴平均額を使用する場合と比べ減ることがある
  • 女子年少者の逸失利益 → 全労働者(男女計)の全年齢平均賃金で算定

交通事故で最も多いむち打ちの怪我(ケース)

むち打ちの入通院慰謝料の相場

交通事故による怪我で最も多いのがむち打ちです。しかし、むち打ちは自覚症状のみで他覚症状(本人以外にも客観的に認められる症状)がないため、症状固定の診断が難しく、治癒や症状固定までの通院期間の客観的な証明が困難です。そこで、他覚症状のある怪我と比べて、慰謝料の相場が低く設定されています。 具体的には、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)の入通院慰謝料別表Ⅱに基準が示されており、他覚症状のある場合の別表Ⅰと比べて、相場が低く設定されています。

むち打ちの入通院慰謝料
  • 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本)の入通院慰謝料別表Ⅱが基準
  • 他覚症状のある場合の別表Ⅰと比べて、相場が低く設定されている

例えば、むち打ちで、6ヶ月間通院した場合の慰謝料は、弁護士基準では89万円とされています。

むち打ちの後遺障害慰謝料の相場

むち打ちの場合、認定される後遺障害等級は、第14級9号か第12級13号のいずれかです。 一般的に、他覚所見のないむち打ちの場合には第14級9号、他覚所見がある場合には第12級13号とされています。 後遺障害等級認定されると、弁護士基準の後遺障害慰謝料は、第14級9号の場合は110万円、第12級13号の場合は290万円となります。

むち打ちの後遺障害慰謝料
  • 他覚所見のないむち打ち : 第14級9号 → 110万円
  • 他覚所見がある : 第12級13号 → 290万円

これは、あくまでも慰謝料のみで、その他、後遺障害逸失利益や休業損害等も請求できるので、より高額な請求となっていきます。

まとめ

さて、交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があること、3種類の慰謝料にはそれぞれ3つの算定基準があることをご説明しました。そして、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の内、最も高額になる算定基準は弁護士基準であることもご理解いただけたかと思います。 自賠責基準は最低限の補償を目的とした基準で、任意保険基準は自賠責基準に準じた基準ですから、どちらも適正な補償額を算定できるとはとてもいえません。 適正な補償を受けるためにも、弁護士基準で交渉を進めるのが一番です。

弁護士基準で請求するには弁護士に依頼しよう

交通事故の示談は弁護士に相談

弁護士基準で交渉を進めるべきだとご説明しましたが、弁護士基準での請求をしようとご自身で交渉を行うのは大変です。 なぜなら、相手である保険会社は、交通事故の被害者との過失割合や損害賠償に関する交渉のプロだからです。 また、弁護士基準で慰謝料を請求するためには膨大な知識を必要としますし、揃えなければいけない資料や証拠も多く、被害者ご自身ですべての準備をするのは難しいでしょう。 弁護士基準で交渉を進めたいときには、交渉のプロであり、交通事故の知識も豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士費用特約が使えれば、費用負担なし

弁護士に依頼するとき、気になるのは費用だと思います。しかし、弁護士費用特約を利用すれば、ご負担なく弁護士に法律相談することができます。 弁護士費用特約とは、交通事故に遭った被害者が加害者に対して損害賠償請求をする際等に生じる弁護士費用等、法律相談に伴う費用を保険会社が負担してくれるという特約です。任意保険に付随して加入する特約ですので、多くの保険加入者の方が利用することができます。

弁護士費用特約
  • 交通事故に遭った被害者が加害者に対して損害賠償請求をする際等に生じる弁護士費用等、法律相談に伴う費用を保険会社が負担してくれる特約

弁護士費用特約に加入しているかどうか、この機会にぜひ一度ご確認ください。

弁護士に依頼するタイミングはいつがベストか

弁護士に依頼するタイミングはいつがベストか 弁護士に依頼するのに最適なタイミングですが、少なくとも、後遺障害診断書を作成する前には依頼していた方が良いでしょう。後遺障害認定は慰謝料増額のポイントですから、ご自分で自賠責保険会社に後遺障害診断書を提出する前に、一度弁護士に目を通してもらった方が安心です。また、後遺障害診断書作成前に依頼していれば、被害者請求も弁護士が代わりにしてくれるので、ご本人の負担がなくなります。さらに、早い段階で弁護士に依頼していれば、治療費、通院費、通院に係る交通費等を余すことなく請求してくれます。また、専業主婦でも休業損害を請求できること、請求の方法等も教えてくれますので、示談交渉に入る前、なるべく早い時期に弁護士に依頼されると良いでしょう。

弁護士に依頼するタイミング
  • 示談交渉に入る前、なるべく早い時期に弁護士に依頼するとよい

保険会社との示談の前に、一度は弁護士に相談を

示談とは、正式には和解契約といいます。被害者と加害者双方が譲り合い、それぞれの納得のいく落としどころで合意すると、和解内容に法的拘束力が生まれます。また、示談内容を書面にすると、書面の内容に裁判所の確定した判決と同じ効力が生まれます。そのため、一度示談が決まるとそれを覆すことは困難です。 保険会社は営利目的の企業ですから、なるべく支払う金額を少なくしようとします。ですから、多くの場合、保険会社の提示する金額は適正な補償額とはいえません。 しかし、被害者本人が自分に有利な和解案にすることは、保険会社が交通事故の被害者との交渉の経験が豊富であることを鑑みると難しいといわざるを得ません。 その点、弁護士は交渉のプロですから、あなたに代わって保険会社との交渉をし、適正な補償額を引き出してくれるはずです。示談交渉の前に、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

交通事故事件の経験豊富な弁護士が全面サポート

増額しなければ、成功報酬は頂きません!※諸経費20,000円(消費税別)がかかります。

弁護士費用特約を使う場合 本人原則負担なし※保険会社の条件によっては本人負担が生じることがあります。

  • 着手金
    0
  • 相談料
    0
  • 成果
    報酬制
  • 弁護士費用
    後払い

※死亡・後遺障害認定済みまたは認定が見込まれる場合

※事案によっては対応できないこともあります。

※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。

弁護士法人ALG&Associates

通話無料・24時間年中無休受付中!

0120-790-073 今すぐ電話で相談受付

メール相談受付はこちら

メール相談受付