交通事故に学生が被害に遭った場合の慰謝料について

学生が交通事故に巻き込まれ、怪我をしてしまうと、学業やアルバイト等に支障を来すこともあるでしょう。授業料はどうなるの?休んだ分のアルバイト代はどうなるの?相応の慰謝料を支払ってもらいたい!と、お金にまつわる不安も多いことかと思います。 ここでは、事故に遭ってしまった学生の方に向けて、どのような賠償金を加害者に請求することができるのか、裁判例も示しながら解説していきます。
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学生の場合にもらえる慰謝料

交通事故の被害者となってしまった場合、相手方に対して損害賠償金(いわゆる示談金)を請求することができます。慰謝料とは損害賠償金の一部であり、交通事故に遭ったことによる精神的な苦痛に対して支払われます。精神的苦痛というものは、被害者の年齢や立場、収入によって変わるものではないので、学生だからといって慰謝料の基準が変わることはありません。 それでは、慰謝料とはどのように決まるのでしょうか?まずは交通事故に関する3種類の慰謝料についてご説明します。
3つの慰謝料相場の基準
3種類の慰謝料を算出するには、根拠となる算定基準が3つ存在します。それぞれの基準において慰謝料を導き出してみると、相場が異なることが明らかとなっています。例えば、とある事故の慰謝料を3つの算定基準ごとに計算してみると、何十万~何百万といった雲泥の差が生じるケースもあるのです。 以下のページでは、具体例を交えて解説していますので、ぜひご一読ください。
生徒・学生は休業損害をもらえない?
生徒や学生には原則、休業損害は認められません。休業損害とは、交通事故のために仕事を休んだことで、もらえなくなってしまった収入のことを指します。しかし、例外として生徒・学生でも休業損害が認められる場合があります。以下の項目で詳しく見ていきましょう。
アルバイトをしていた場合
学生であっても、アルバイトによる収入があれば、休業損害は認められます。アルバイトはシフト制であることが多いため、給与所得者(サラリーマン)に比べて休業損害の計算方法が少しわかりづらくなっています。
学生アルバイトの休業日数の計算
休業日数は原則、症状固定までに実際に休業した日数を基準とします。シフト制のアルバイトの場合、過去3ヶ月の勤務日を参考に、休業期間中も同じぐらいの頻度で勤務するものと仮定して算出することもあります。
学生アルバイトの休業損害の計算方法

休業損害の計算方法は、「1日あたりの基礎収入×休業日数」となります。 それぞれの文言をご説明すると、「休業日数」とは交通事故により仕事を休んだ日数をいいます。 「1日あたりの基礎収入」とは、一般的に「事故前3ヶ月分の給与÷90日」で算出されます。しかし、90日で割ると、その中には休日や勤務がない日も含まれていますので、自身が認識している日給よりも下回ってしまうことが多いです。 そのため、「事故前3ヶ月分の給与÷事故前3ヶ月分の勤務日数」で割って請求することも検討すべきでしょう。
請求には休業損害証明書・源泉徴収票が必要?
休業損害を請求するには、休業損害証明書と源泉徴収票が必要になります。休業損害証明書は相手方の保険会社から取得して、アルバイト先に記載してもらいましょう。源泉徴収票が取得できない場合は、代わりに賃金台帳、出勤簿、事故から過去3ヶ月分の給与明細、給与が振り込まれた通帳(写し)等の提出を求められることがあります。
休学した分の大学の授業料は請求できる?
交通事故による怪我の治療に時間がかかり、大学へ通うことができず休学した場合、その分授業料が余分にかかってしまいます。その学費については、相手方に請求できる場合があります。さらに、就職先が決まっており、就労開始時期が遅れたり、内定が取り消されてしまったりした場合にも、休業損害として賠償請求できる可能性があります。
「休業損害」について詳しく
学生の後遺障害逸失利益
学生の逸失利益はそもそも請求できるの?
働いていない学生であっても、逸失利益(交通事故による後遺症がなければ得られたはずの利益)は認められます。将来就職して得られるはずであった収入を、逸失利益として請求することができるのです。学生は今後の就労期間が長いため、社会人に比べて高額になる可能性があります。
学生の逸失利益の基礎になる収入はどうやって計算するの?

基本は、全国の平均賃金の調査である賃金センサスをもとに、男女別全年齢平均賃金を基礎収入とします。ただし、高校生であっても大学進学の予定があれば大卒平均賃金を基準としたり、大学生であっても医学部生であれば医師の平均賃金を、就職内定が決まっていれば内定先の平均賃金を基準としたりする場合もあります。 高校生以下であれば18歳から67歳まで、大学生であれば大学卒業時から67歳までを就労期間と見込んで計算します。 後遺障害逸失利益の計算方法は、以下のとおりとなります。 逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数
難しい用語が並んでいますが、詳しくは以下のページで説明させていただきます。学生の交通事故慰謝料にまつわる裁判例
過去の裁判例には、学生の交通事故慰謝料にまつわる事例も様々あります。いくつか紹介していきますが、いずれも被害者が学生である場合は、「事故により損なわれた損害=逸失利益」が認められるか否かがカギとなってきます。
事故により入学できなかった場合
【東京地方裁判所 平成13年3月28日判決】
大学進学のために受験勉強中だった男性(A)が、交通事故に遭い、その年の大学入学試験を受験することができず、大学入学が1年遅れてしまいました。 入学が遅れたことにより、Aさんには、1年間の就職遅れによる休業損害として、賃金センサス男性大卒20歳から24歳の平均収入を基礎に、322万7100円の請求が認められました。 その他に、後遺障害逸失利益として9466万2789円、入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料として1866万円の請求が認められています。
事故により就職活動できなかった場合
【横浜地方裁判所 平成11年7月28日判決】
短大2年生であった女性(B)は、当時就職活動中でしたが、交通事故に遭ったことにより、就職活動を中断せざるを得なくなってしまいました。 そのため、事故翌年4月における就職が不可能となり、Bさんには、就職が1年遅れたことによる休業損害として、賃金センサス女性短大卒20歳から24歳の平均収入を基礎に、290万5300円の請求が認められました。 その他に、後遺障害逸失利益として1328万7700円、入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料として1110万円の請求が認められています。
事故により留年し就職が遅れた場合
【東京地方裁判所 平成12年12月12日判決】
大学2年生であった男性(C)は、交通事故のために1年間の留年を余儀なくされました。 Cさんは交通事故に遭わなければ留年せずに卒業し、就職できたはずであるため、留年した分の授業料37万5600円及び休業損害として、賃金センサス男性大卒20歳から24歳の平均収入を基礎に、479万4000円の請求が認められました。 その他に、後遺障害逸失利益として5856万5692円、入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料として1300万円の請求が認められています。
事故に遭わなければ大学に入学・卒業していた場合
【大阪地方裁判所 平成19年1月31日判決】
高校3年生であった女性(D)は、交通事故のため寝たきり状態となってしまい、大学進学を希望していましたが、大学の入学・卒業ができませんでした。 交通事故に遭わなければDさんが就労開始していた日から症状固定日までの休業損害が認められ、その額は賃金センサス女性大卒20歳から24歳の平均収入を基礎に、426万6049円となっています。 また、後遺障害逸失利益として、症状固定時の23歳から67歳までの期間、賃金センサス女性大卒全年齢の平均収入を基礎に、7625万1948円の請求が認められました。 慰謝料については、Dさんへの入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料として3500万円以外に、Dさんの両親に対してもそれぞれ400万円の請求が認められています。
事故に遭わなくても収入が減ることが予想された場合
【名古屋地方裁判所 平成20年9月19日判決】
大学1年生であった男性(E)は、交通事故前よりアルバイトを行っていました。ただし、Eさんは事故に遭わなかったとしても、クラブ活動や就職活動を始めることによってアルバイトを減らしていた可能性があったため、休業損害額はアルバイト収入額の6割相当分として、243万4191円となりました。 その他に、後遺障害逸失利益として1674万6165円、入通院慰謝料及び後遺障害慰謝料として580万円の請求が認められています。
弁護士に依頼するメリット

交通事故の慰謝料は、被害者の方が自分で交渉すると、相手方の保険会社の基準が適用されてしまいますが、弁護士基準で計算すれば、より高い金額を請求することができます。学生の場合、アルバイトをしていたり、入学や就職の予定があったりと立場が様々なので、適切な金額で損害賠償金を請求するためにも、弁護士に相談することをおすすめします。何より、示談交渉や裁判に向けた準備の手間と労力を省けることが、被害者の方にとっての最大のメリットです。
交通事故に遭われた学生の方・ご家族の方は弁護士にご相談ください
学生であるからといって、社会人に比べて慰謝料が変わることはありませんが、計算方法に3つの基準のどれを適用するかによって、その金額は大きく変わってきます。また学生であっても、アルバイトによる収入があったり、就職が遅れたりした場合は、休業損害が認められます。さらに後遺症が残れば、逸失利益を請求することも可能です。 交通事故でお困りの際には、ご自身が納得のいく損害賠償金が請求できるよう、弁護士に今後の方針を相談してみてください。
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