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交通事故の被害者が自営業者だった場合の慰謝料について

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交通事故の被害に遭い、怪我を負ってしまった場合、受け取ることのできる損害賠償金には、慰謝料があります。慰謝料は、交通事故により受けた精神的苦痛に対して支払われるものであるため、個別の事情は考慮されるものの、被害者の職業や収入の違いによって変わるものではありません。 しかし、損害賠償金のうち、休業損害については、被害者の職業や収入によって受け取ることのできる金額が変わってきます。特に、被害者が自営業者であった場合、給与所得者等と異なり、どのくらい収入の減少があったのかを証明することが難しいため、休業損害について争いが生じることが多いです。

休業損害とは

休業損害とは、交通事故により負った怪我の治療のため、仕事を休まなければならなくなった場合に生じる、本来得られたはずの収入が得られなかったという損害のことです。休業したことにより収入が減少した際に支払われる、財産的損害に対する賠償金であり、精神的損害に対する賠償金である慰謝料とは別物になります。

休業損害について詳しく見る

自営業者が休業損害を請求する際に必要な書類

休業損害を請求するためには、交通事故前に収入があったことを証明しなければなりません。自営業者が収入を証明するためには、基本的には交通事故の前年度の「確定申告書の写し」が必要になります。自営業者は、1年間の所得にかかる税金を支払うため、税務署に確定申告という手続をする必要があります。確定申告書の写しとは、税務署に提出した確定申告書の控えのことです。また、自営業者の休業日数のうち、通院期間について算定が難しい場合は、実通院日数や怪我の状況から通院期間が判断されるため、診断書や診療報酬明細書といった資料が必要になります。

確定申告書の写しを無くした場合の対処法

確定申告書の写しを無くした場合の対処法には、開示請求と閲覧請求の2つがあります。 開示請求とは、確定申告書を再発行してもらうことです。開示請求をするためには、

  • 保有個人情報開示請求書(税務署でもらうか、国税庁のHPからも入手できます。)
  • 運転免許証や健康保険の被保険者証等の本人確認書類
  • 1ヶ月以内に発行された現住所の住民票の写しの原本(=コピー不可)
  • 手数料300円

が必要になります。郵送によって申請する場合は、本人確認書類はコピーしたものを提出し、手数料は収入印紙を保有個人情報開示請求書に貼付します。また、税務署の窓口で申請する場合は、住民票の写しの原本は不要です。 一方、閲覧請求とは、言葉のとおり、確定申告書を閲覧して内容を確認することです。開示請求は、申請から再発行まで1ヶ月程度かかるため、すぐに確定申告書を確認したいときには、閲覧請求の方法をとることになります。本人確認書類と認印があれば、すぐに閲覧可能ですが、閲覧請求はあくまでも閲覧するのみの手続で、コピーを取ったり、カメラやスマートフォンで写真を撮ることはできません。なお、手書きで書き写すことはできます。

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休業損害の算定方法

休業損害の算定方法は、自営業者の場合も他の職業と同様に、「1日あたりの基礎収入×休業日数」で計算します。 “1日あたりの基礎収入”は算定基準によって異なり、自賠責基準の場合は原則5700円、任意保険基準の場合は任意保険会社ごとに定めている社内基準に基づいた基礎収入、弁護士基準は過去の判例に基づいた基礎収入になります。任意保険基準で算定した基礎収入は、場合によっては自賠責基準よりも低額になる可能性があり、基本的には、弁護士基準で算定した基礎収入が最も高額で適切な基礎収入になるといえます。

自営業者の基礎収入は確定申告書から算定する

自営業者の基礎収入は、基本的には交通事故の前年度の確定申告書より算定します。つまり、「交通事故前年度の確定申告所得額÷365日(うるう年の場合は366日)」で計算します。 なお、“交通事故前年度の確定申告所得額”は、売上額から売上原価・経費・その他の損失等を控除して算定した金額になります。このうちの経費には、人件費や水道光熱費といった、売上の増減に関わらずかかる費用である「固定費」が含まれています。固定費については、事業継続のためやむを得ず必要である場合には、個別の事情によって範囲は異なりますが、損害として認められます。この場合、「(交通事故前年度の確定申告所得額+損害として認められた固定費)÷365日(うるう年の場合は366日)」で計算することになります。

確定申告していなかった場合

そもそも確定申告していなかった場合は、通帳や売上帳、出納帳等の資料によって基礎収入の金額を証明しなければなりません。これらの資料が不十分で基礎収入の金額の証明ができない場合には、一定の収入があったこと自体を証明できれば、賃金センサスを参考にして基礎収入を算定することが多いです。 なお、賃金センサスとは、労働者の賃金の実態を雇用形態、性別、年齢、学歴等から明らかにする目的で、厚生労働省が毎年実施している、「賃金構造基本統計調査」の結果をまとめたものです。

収入に変動がある場合

自営業者の基礎収入は、基本的には交通事故の前年度の確定申告書を参照します。しかし、年度によって収入に変動がある場合、交通事故の前年度の収入のみを基に基礎収入を算定することは、適切とはいえないでしょう。そのような場合には、交通事故前の過去数年分の平均所得額を参照することもあり得ます。 例えば、過去3年間の年収が、年次の古い順から800万円・900万円・700万円だった場合は、「(800万円+900万円+700万円)÷3=800万円」が平均所得額になります。

実収入が確定申告書より多かった場合

自営業者によっては、実際の収入(実収入)が確定申告書で申告した所得額より多い場合もあるでしょう。そのような場合、帳簿や領収書等で実収入を立証できれば、実収入を基礎収入として認めてもらえます。 しかし、実収入が確定申告書で申告した所得額より多いということは、確定申告の際に過少申告しているということです。確定申告は、所得にかかる税金を支払うための手続ですので、きちんと税金を納めていなかったということになります。そのため、保険会社と示談交渉する場合や裁判所で訴訟する場合に、厳しい目で見られることが多く、確定申告書で申告した所得額以上の所得額を認めさせるには、帳簿や領収書等で綿密な立証が必要となります。 もっとも、立証ができれば、確定申告書で申告した所得額より高額の基礎収入が認められている事例もあります。

赤字経営だった場合は休業損害がもらえないのか

赤字経営だった場合、基礎収入がマイナスになってしまうため、休業損害は0になってしまいます。しかし、赤字経営だったとしても、事業に何の価値もないわけではないこと・交通事故により休業したことで、赤字が拡大したり、固定費が無駄になってしまうことに対し補償されるべきであること等を理由に、赤字経営だったとしても休業損害が認められる場合が多いです。また、以下のとおり、個別の事情に応じて休業損害を算定する方法が、いくつか考えられています。

  • 固定費を基礎収入とする方法
    確定申告書において記載している固定費のうち、休業によって無駄な支出となってしまった固定費の各費目の合計金額を基礎収入とする方法です。
  • 拡大した赤字による損害(実際に収入が減少した分)を休業損害とする方法
    交通事故の前年度の赤字よりも交通事故発生年度の赤字が拡大した場合、交通事故の前年度の赤字と交通事故発生年度の赤字の差額分(実際に収入が減少した分)を休業損害とする方法です。
  • 賃金センサスを参照する方法
    被害者の個別の事情から、賃金センサスの平均賃金を得られたはずだったと考えられる場合に適用します。ただし、必ずしも賃金センサスの平均賃金の100%が基礎収入とされるわけではなく、被害者の個別の事情によって何割か減額した金額が基礎収入になる場合もあります。

赤字経営の休業損害を認めた裁判例

横浜地方裁判所 平成25年(ワ)第1358号 交通事故に基づく損害賠償請求事件

この裁判例では、被害者は自営でトリマーとして稼働しており、事業を開始した当初から休業期間中も含めて赤字傾向が続いていたという状況で、休業損害は認められるのか?ということが争点になりました。 裁判所は、「休業期間中の所得の減少の原因は、交通事故で負った傷害による就労制限だけでなく、被害者の事業の経済効率の悪さや、同業者との競合等による受注減少も関わっている可能性も否定できないこと」と「交通事故で負った傷害は次第に回復すること」を理由とし、「被害者の休業損害は、休業期間中の所得減少額のうち、7割の限度で、交通事故との相当因果関係を認めるのが相当である」と判断しました。具体的な休業損害の算定方法としては、交通事故前の2年間の赤字の平均と、休業期間中の赤字との差額の7割を休業損害として認めました。拡大した赤字による損害(実際に収入が減少した分)を休業損害とする方法で、個別の事情に応じた割合で減額した裁判例になります。

開業前の場合

交通事故当時、開業の準備中であった場合でも、これまでの職歴や開業の準備の程度等より、交通事故がなければ開業の蓋然性(物事が起こる確実性)が高いと認められれば、休業損害が認められます。休業損害を算定する際は、前職での収入や職種等を考慮して、賃金センサスの平均賃金を参照する方法がとられることがあります。

開業前の休業損害を認めた裁判例

東京地方裁判所 平成18年(ワ)第5621号 損害賠償請求事件

この裁判例における交通事故の被害者は、交通事故前に蕎麦店の開業準備を行っていました。しかし、交通事故によって負った傷害の治療と、被害者の運転する車に同乗して傷害を負った被害者の配偶者の介護のため、蕎麦店の開業を当初の予定から延期しなければならなくなってしまいました。そこで、交通事故当時は開業前であったが、休業損害が認められるのか?ということが争点になりました。 裁判所は、「被害者は、交通事故前に、蕎麦店の従業員として10年以上勤務した後、自ら蕎麦店を開業するために勤務していた蕎麦店を退職し、開業準備を行っていたこと」と「交通事故後は、自らの傷害の治療と、同乗者である被害者の配偶者の介護にあたっていたこと」から、「蕎麦店の開業を当初予定していた時期から延期を余儀なくされたこと」を認めました。そのうえで、「被害者の前職での所得額等を考慮し、被害者の基礎収入は、交通事故発生年度の賃金センサス男性労働者学歴計の該当年齢層の平均年収の7割が相当である」と判断しました。開業前であっても、開業の準備の程度や前職の収入等を考慮して休業損害を認め、賃金センサスの平均賃金を参照する方法で、個別の事情に応じた割合で減額し、休業損害を算定した裁判例になります。

廃業した場合

交通事故により廃業せざるを得なくなってしまった場合、収入が減少したことによる損害の他、廃業にかかった費用等、廃業によって生じた損害も休業損害として認められることが多いです。具体的には、廃業する際に事業を営むための資産を処分することになりますが、資産の売却可能性や交通事故前までの設備の利用状況等を考慮し、処分した資産の何割か減額した金額が、休業損害として認められる傾向にあります。

廃業によって生じた損害を休業損害として認めた裁判例

高松高等裁判所 平成12年(ネ)第424号、平成12年(ネ)第431号 損害賠償請求控訴事件、同附帯控訴事件

この裁判例における交通事故の被害者は、従業員1名を雇用して美容室を経営していましたが、交通事故によって負った傷害により、症状固定時まで自ら美容師として就労できないことから、廃業せざるを得なくなりました。そこで、廃業によって生じた損害(開業時にかかった費用)も休業損害として認められるのか?ということが争点になりました。 裁判所は、「交通事故後も従業員を雇用して美容室の経営を継続していたが、被害者自らが美容師として就労できないことから、廃業を余儀なくされたものと推認できる」、そして「赤字経営であったと認めるに足りる証拠はなく、赤字経営でないとすると、開業時の借入金債務の返済のためにも、交通事故に遭わなければ、被害者は美容室の経営を継続していたと推認できる」としました。 そのうえで、「開業時にかかった費用を回収することは難しく、開業から廃業までの期間経過による内外装及び諸設備の劣化等の諸事情に照らすと、被害者が開業時に支出した費用の約5割に相当する金額が、交通事故と相当因果関係のある損害と認められる」と判断しました。 交通事故により廃業せざるを得なくなった場合、廃業によって生じた損害も、何割か減額した金額で、休業損害として認めた裁判例になります。

家族経営の場合

被害者を含めた家族で事業経営している場合、確定申告書の申告所得額は、被害者1人のみではなく、家族で経営した結果得られたものになります。そのため、確定申告書の申告所得額から家族の寄与分を控除し、被害者1人の基礎収入を算定します。なお、寄与分の割合は、事業規模・事業形態・関与者(家族)のの関与の程度等の個別の事情により判断されます。例えば、夫婦で事業経営しており、夫が交通事故の被害者となり、確定申告書の申告所得額が1000万円で、夫(被害者)の寄与分が7割、妻の寄与分が3割であった場合は、夫(被害者)の基礎収入は「1000万円×0.7=700万円」になります。

休業日数の算定方法

休業日数の算定方法について、給与所得者等の場合は、勤務先に作成してもらう「休業損害証明書」によって証明できますが、自営業者の場合は、そのように客観的に休業日数を証明する手段がありません。そのため、入院期間については休業の証明をする必要なく、当然休業日数になりますが、通院期間については実通院日数と怪我の状況によって判断されることになります。

保険会社から通院期間については実通院日数で支払うと言われた場合

前述しましたとおり、自営業者の場合は、客観的に休業日数を証明する手段がないため、休業日数のうち、通院期間については実通院日数と怪我の状況によって判断されます。そのため、保険会社から、通院期間については実通院日数で支払うと言われることがあります。 そうすると、病院に通院はしていないものの、自宅療養で休業していた場合は、休業日数に含めてもらえないことになってしまいます。しかし、医師の診断書があり、医師の指示のもと自宅療養をしたことが証明できれば、休業日数に含めてもらえる可能性は高まるでしょう。

人件費は休業損害に含まれるか

先に述べましたとおり、人件費や水道光熱費といった固定費については、事業継続のためやむを得ず必要である場合には、個別の事情によって範囲は異なりますが、休業損害に含まれます。固定費は、売上の増減に関わらずかかる費用であり、休業していてもしていなくても発生するためです。

家族の給与(専従者給与)について

生計を同一にする配偶者やその他の親族が事業に従事し、これらの人に支払う給与のことを、専従者給与といいます。専従者給与は、原則、経費にはなりませんが、一定の要件を満たした場合、経費として確定申告時に所得額から控除できます。所得額が減れば、その分所得にかかる税金が減らせるため、節税対策として行われることが多く、実際には事業に従事していない、または給与分働いていないことはよくあります。このような事情から、一般的には、休業損害を算定する際には、専従者給与は基礎収入(交通事故前年度の確定申告所得額)に加算する、つまり、休業損害に含まれると考えられています。

自営業の方が事故に遭われた場合は弁護士にご相談下さい

交通事故に遭い、怪我の治療のため仕事を休まなければならなくなったとき、休業損害がいくら受け取れるのか?ということはとても重要になります。特に、被害者が自営業者であった場合には、収入や休業日数を証明することが難しく、休業損害において多くの問題が発生してしまうでしょう。そのようなとき、弁護士に相談すると、保険会社や加害者とのやり取りを任せ、適切な休業損害を受け取るための証拠の収集といった手続を代行してもらうことができます。また、弁護士が示談交渉に介入することで、休業損害の金額を左右する“1日あたりの基礎収入”の算定基準も、基本的には最も高額になる弁護士基準を適用してもらいやすくなり、受け取ることのできる休業損害が増額する可能性が高くなります。 これまで説明してきましたとおり、個別の経営状況により、適切な休業損害を受け取るためにどのような算定方法をとったら良いのか、どのように保険会社や加害者に対応していったら良いのかは異なることが多いため、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

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