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交通事故で無職、失業中に被害に遭った場合の慰謝料と休業損害について

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無職・失業者がもらえる慰謝料とは?

交通事故に遭われた被害者が無職・失業者であっても、働いている人と同様に慰謝料がもらえます。慰謝料は、交通事故によって精神的苦痛を強いられたことに対して支払われるものであるため、被害者の収入の有無に左右されることはありません。 収入の有無が影響してくるのは、財産的損害である、休業損害や逸失利益になります。休業損害や逸失利益は、交通事故により働けなくなったことに対する補償であるため、基本的には、収入のない無職・失業者には認められません。しかし、一定の条件を満たせば、無職・失業者にも休業損害や逸失利益が認められる可能性がありますので、以下に説明していきます。

無職・失業者は休業損害をもらえない?

無職でも休業の補償が認められる条件3つとは?

交通事故時、仕事をしていない無職の方であっても、休業損害として休業補償がもらえる場合があります。 就労の意思・就労の能力・就労の可能性が高い場合に、交通事故時に無職であっても、休業損害が認められた裁判例があります。たまたま、交通事故時に無職だったというだけで、あきらめる必要はありません。また、主婦や身内の介護をされている方は、別途主婦休損(主婦手当)として、休業損害が支払われる可能性がありますので、下記をご確認ください。

交通事故の慰謝料・主婦の休業損害って?専業主婦(主夫)・兼業主婦でももらえるの?

就労の意思

被害者に働く意思(労働意欲)があったかどうか?ということです。具体的には、事故直前までハローワークに通う等積極的に再就職先を探すための就職活動を行っていた場合、労働意欲があったことを裏付けることにつながります。

就労の能力

被害者が実際に働くことが能力的に可能であったかどうか?ということです。一般的には、事故前は心身ともに健康で働く上で支障がなかった場合、特定の資格・専門技能を保有している場合には、就労の能力が認められやすいです。

就労の蓋然性

交通事故がなければ、被害者が実際に就職していた可能性が高かったかどうか?ということです。具体的には、事故の直前・直後に内定をもらっていた場合、就職先が決まっていた場合には、就労できた可能性が高かったと認められやすいです。

無職・失業者の休業損害計算方法

無職・失業者は収入がないわけですが、どのように基礎収入を算定するのでしょうか。内定をもらっていた場合や就職先が決まっていた場合は、就職予定先で得られるはずだった給与額を参考に算定します。また、就職先が未定だった場合は、平均賃金や失業前の収入を参考に算定します。しかし、裁判例では無職・失業者の基礎収入額のすべてを認めているわけではなく、個々のケースに応じた具体的な妥当性を図れるよう調整しています。

無職・失業者の休業損害証明方法

内定をもらっていた場合は、支給予定である給与金額が記載された雇用契約書や内定通知、就職予定先の会社とのやり取りといった証拠を提出し、就労の蓋然性があったことを証明します。 就職先が未定だった場合は、過去の職歴における収入状況の立証、事故当時に無職だった理由に対する合理的な説明、積極的な就職活動をしていたことの立証等、就労の蓋然性について具体的な根拠に基づき証明していくことが必要になります。

無職でも休業損害が認められた裁判例

事故当時無職だったケース

交通事故当時は無職でしたが、大学修士課程に在学中で、すでに内定をもらっていた学生が被害者であった交通事故の裁判例を紹介します。 この交通事故は、被害者の学生がオートバイを運転していた際、中央線をはみだした車と衝突し、右大腿骨骨幹部骨折・右踵部挫滅創等の大怪我を負い、入院治療後、併合6級の後遺障害が残ってしまい、交通事故後、内定は取り消されてしまいました。 裁判所は、入社予定日から症状固定日までの期間について、交通事故に遭わなければ内定先に就職して得られたはずの給与を、休業損害として認めました。 (名古屋地裁・平成13年(ワ)第2140号)

事故後退職し、無職になったケース

交通事故により、働いていた会社を退職せざるを得なくなり、無職になってしまった被害者の裁判例を紹介します。 この交通事故は、車線変更をしたタクシーに被害者が運転するバイクが追突し、頸椎捻挫・左足関節捻挫等の大怪我を負い、入通院後、治癒したというものです。被害者は、交通事故により欠勤を続けていたため、働いていた会社を退職せざるを得なくなってしまいました。 裁判所は、交通事故時から怪我が治癒するまでの期間と、治癒後再就職するまでに必要なやむを得ない期間について、働いていた会社で得られたはずの収入を、休業損害として認めました。 (東京地裁・平成12年(ワ)第27913号)

労働意欲があり就労の蓋然性があるため休業損害が認められたケース

交通事故当時は無職であり、以前勤務していた会社を退職後、交通事故直前まで再就職活動を行っていた被害者の裁判例を紹介します。 この交通事故は、赤信号で停車していた被害者が運転する車に、後続の車が追突し、頚椎及び腰椎捻挫・頚椎症性脊髄症の大怪我を負い、入通院後、3級の後遺障害が残ってしまった、というものです。被害者は、かつて自営で飲食業を営み、その後店を閉め、会社に就職したものの同社を自主退職し、交通事故当時は無職でした。しかし、退職後も交通事故の直前まで再就職に向けてハローワークに頻繁に通い、面接に参加する等していました。 裁判所は、被害者の再就職活動の事実から労働意欲は十分あると判断し、交通事故がなければ被害者は就職できたとして、交通事故時から症状固定日までの日数から交通事故がなくても再就職するのに必要であっただろう日数を控除した期間について、以前勤務していた会社の給与を参考に算定し、休業損害を認めました。 (さいたま地裁・平成23年(ワ)第845号)

 

無職の後遺障害逸失利益

無職・失業者は逸失利益を認めてもらえる?

交通事故がなければ将来得られたはずであろう利益のことを、逸失利益と言います。労働対価部分の賠償として逸失利益を請求するため、基本的には、無職・失業者には逸失利益は認められません。しかし、休業損害が認められる3つの条件と同様に、労働意欲と就労能力があり、就労の蓋然性がある場合には、無職・失業者であっても逸失利益が認められる可能性があります。 無職の高齢者やその他の理由で働き口がない場合には、就労能力と労働意欲が備わっていても、就職先がみつからないことも多いため、就労の蓋然性が認められず、逸失利益が認められないケースが多いようです。

無職・失業者の逸失利益計算方法

無職・失業者の休業損害の計算方法と、基準は同様になります。失業者であれば、失業前の収入を基準にし、無職者・失業前の収入があまりに低い者・一度も就職したことがない者については、平均賃金(賃金センサス)を参考に算定します。なお、平均賃金を参考にする場合、就労の蓋然性の証明の程度によっては、8割や7割等に減額されることもあります。実際には、裁判所が個々のケースに応じた具体的な妥当性を図れるよう調整しています。

弁護士に依頼するメリット

保険会社の担当者と被害者の方とでは、知識量に大きな差があり、被害者側が不利な合意をしてしまうことが考えられます。通常、保険会社は利益を確保するため、被害者が無職・失業者であった場合、休業損害や逸失利益を支払おうとしないことが多いです。しかし、弁護士が介入することで、休業損害や逸失利益を支払ってもらえる可能性が高まります。 また、保険会社とのやり取りから生じる精神的負担は相当なものなので、弁護士に依頼することで精神的負担が緩和できることや、後遺障害認定前なら、適切な後遺障害等級を認定してもらえること等の様々なメリットがあります。

まとめ

ご自身が交通事故の被害者になったときに無職・失業中であった場合、「収入がないから休業損害や逸失利益はきっともらえないのだろう…。」と、不安になられる方は多いのではないでしょうか?また、慰謝料すらもらえないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 無職・失業者であっても、精神的損害である慰謝料を支払ってもらえることはもちろん、一定の条件を満たせば、財産的損害である休業損害や逸失利益も支払ってもらえる可能性があります。 しかし、被害者の方が保険会社と直接交渉をしていると、無職・失業者であるがために、休業損害や逸失利益を支払おうとしないことが多いです。そのようなとき、弁護士に相談することで、休業損害や逸失利益が認められ、支払いに応じてもらえる可能性が高まります。 無職・失業中に交通事故に遭い、今後の生活に不安を感じている方、保険会社に休業損害や逸失利益を支払わないと言われたものの納得できない方等は、ぜひ弁護士に相談することをご検討してみてください。金銭面での不安はもちろん、保険会社とのやり取りによる精神面での不安をも払拭する一助となるでしょう。