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交通事故弁護士

幼児が交通事故に遭った場合の慰謝料はいくら?裁判になった事例も。

幼児が交通事故に遭ったら慰謝料請求できるか

大切なご家族の一員であるお子様が交通事故に遭ってしまったら、大人たちは何をすべきなのでしょうか。 児童福祉法によると、幼児とは、1歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいいます。ここでは、様々な年代の中でも、幼児期にあたるお子様が交通事故に遭った場合の慰謝料について詳しく解説していきます。

第一にお伝えしたいことは、交通事故の被害者が幼児期のお子様であっても、「当然に」慰謝料は請求できるということです。以降、詳しくみていきましょう。

幼児の慰謝料相場

慰謝料とは、交通事故の被害者が精神的苦痛の損害を金銭で受けるためのもので、その対象は老若男女問いません。たとえ苦痛を言葉にして表現できない幼児が被害者であっても、当然に慰謝料を受け取る権利があります。 慰謝料には、大きくわけて①入通院慰謝料、②後遺障害慰謝料、③死亡慰謝料があり、それぞれ自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準といった3つの算定基準ごとに相場が決められています。

幼児の入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故による怪我の治療のために入院や通院を強いられる精神的苦痛に対する賠償のことです。入通院期間や実通院日数に応じて支払われる仕組みになっており、原則として、幼児も大人と遜色なく請求することができます。ただし、受傷内容がむちうちの場合、入通院慰謝料額は7~8割程度低くなります。 自賠責基準は、しばしば「最低限度の補償」と称され、入通院慰謝料額の相場は最も低く設定されています。任意保険基準は、営利主義の任意保険会社が用いていることから、少しでも自社負担を減らそうと試みるため、入通院慰謝料は自賠責基準より少し増額する程度に留まります。弁護士基準は、過去の裁判例をもとにしていることから、訴訟を前提としているため、最も高い水準で入通院慰謝料が算出できます。

損害額(慰謝料)を計算してみる

幼児の後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故による怪我の治療の末、残念ながら後遺障害が残ってしまった場合に強いられる精神的苦痛に対する賠償のことです。後遺障害の算定機関によって認定された等級ごとに金額が決められています。 では、各算定基準の相場をみていきましょう。例えば、後遺障害等級第12級を獲得した場合、自賠責基準では93万円、弁護士基準では290万円です。算定基準によって金額の開きが明らかであり、これらは幼児も大人も同額となります。

幼児の死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故によって悲痛なことに被害者が亡くなられた苦痛に対する賠償のことです。亡くなられた被害者本人は無論、遺された家族(近親者)に対しても支払われます。本人の死亡慰謝料請求権は、法定相続人に相続されます。被害者が幼児の場合は、法定相続人は親となるケースが多いです。 自賠責基準では本人分が350万円、近親者分が近親者1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名以上の場合750万円で、幼児も大人も同額の相場です。任意保険基準と弁護士基準では、被害者の一家の役割によって金額の相場が異なります。弁護士基準では、本人分と近親者分をあわせて2000万円~2500万円が相場です。

重篤な後遺障害が残った場合も、親への慰謝料が認められることがある

被害者が幼児の場合、近親者に相当するのは親であることがほとんどかと思います。 前述の死亡慰謝料において、近親者、つまり親に対しても慰謝料が認められることについて触れましたが、被害者である幼児に重篤な後遺障害が残ってしまった場合にも、本人分とは「別途」認められる場合があります。例えば、介護をすべて親が担うのか、あるいは施設に入所する予定があるのか等といった個別的事情からみて、親への慰謝料が認められるか否かが判断されたうえで、慰謝料額が算出されます。

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幼児の事故でも過失割合が慰謝料額に影響する

過失割合とは、責任割合ともいわれ、交通事故当事者の不注意の度合いを数値化したものです。過失割合に応じて、慰謝料額が増減することになります。 幼児に過失相殺が適応されるかどうかは、「事理弁識能力」が備わっているかどうかで判断します。「事理弁識能力」とは難しい言葉ですが、「こんなことをしたら、こんな結果が生じるだろうと想像する能力」と考えていただければ良いと思います。行為内容にもよりますが、「事理弁識能力」は、おおむね5~6歳で備わるといわれています。そのため、たとえ被害者が幼児であっても、「事理弁識能力」が備わっていると判断される場合には、過失割合が適用されることもあります。 また、親がちょっと目を離した隙に飛び出してしまった等といった場合には、被害者本人である幼児に「事理弁識能力」がないと判断されても、親の監護責任が問われることもあります。

幼児でも逸失利益が認められている

「得べかりし利益」ともいわれる逸失利益とは、交通事故に遭わなければ得られたであろう利益のことをいいます。被害者に重篤な後遺障害が残ってしまった場合は「後遺障害逸失利益」、被害者が亡くなられた場合は「死亡逸失利益」として、損害賠償請求することができます。 逸失利益は、将来これからという時期の幼児にも「当然に」認められます。事故に遭わなければ順調に成長し、働いて収入を得るようになっていたはずの損害は、賠償されるべきものです。また、幼児は大人に比べて、後遺障害を抱える期間や亡くならなければ働けたであろう期間が必然的に長くなることから、逸失利益が高額となる傾向にあります。

幼児の逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益の計算式

ここで、幼児の後遺障害逸失利益の計算式と計算方法をご紹介します。

<計算式>

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×{(67歳-症状固定時の年齢)歳のライプニッツ係数-(就労開始年齢-症状固定時の年齢)歳のライプニッツ係数} ※下線部分は、「労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数」のことです。

計算式中の専門用語について簡単に解説していきます。

  • 基礎収入:原則、「賃金センサスの全産業計・企業規模計・学歴計・男女別全年齢平均賃金」を用います。
  • 労働能力喪失率:後遺障害等級別に基準化されています。
  • ライプニッツ係数:中間利息控除をするために用いられる係数のことです。給与等で将来毎月受け取るはずの収入を、損害賠償金として一括で受領するために生じる利息を控除する仕組みになっています。
  • 就労開始年齢:原則、18歳とされていますが、大学進学の可能性がある場合は22歳とすることもあります。

3歳男児:片耳が聞こえなくなった場合の計算例

例として、3歳男児の片耳が聞こえなくなってしまった場合の後遺障害逸失利益を計算してみましょう。

  • 基礎収入:賃金センサス 全産業計・企業規模計・学歴計・男性全年齢平均の549万4300円
  • 後遺障害等級:片耳が聞こえないのは、第9級9号
  • 労働能力喪失率:後遺障害等級第9級9号の場合は、35%

後遺障害逸失利益=549万4300円×35%×{(67歳-3歳)歳のライプニッツ係数-(18歳-3歳)歳のライプニッツ係数}
=549万4300円×35%×(19.120-10.380)
=1680万7063円

5歳女児:固いものが食べられなくなった場合の計算例

次に、5歳女児の固いものが食べられなくなってしまった場合の後遺障害逸失利益を計算してみましょう。

  • 基礎収入:賃金センサス 全産業計・企業規模計・学歴計・女性全年齢平均の376万2300円
  • 後遺障害等級:固いものが食べられないのは、第10級3号
  • 労働能力喪失率:後遺障害等級第10級3号の場合は、27%

後遺障害逸失利益=376万2300円×27%×{(67歳-5歳)歳のライプニッツ係数-(18歳-5歳)歳のライプニッツ係数}
=376万2300円×27%×(19.029-9.394)
=978万7435円

幼児がむちうちになった場合の計算例

一種の神経症状であるむちうちは、たとえ後遺障害等級が認定されたとしても、医学的見地から何年後かに治癒に至るといわれています。そのため、労働能力喪失期間が制限されていることが特徴的です。一般的に、第12級13号の場合は、労働能力喪失期間を10年程度、第14級9号の場合は、5年程度に限定されています。幼児のむちうちについては、下記の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

幼児がむちうちになった場合について詳しく見る

死亡逸失利益の計算式

続いて、幼児の死亡逸失利益の計算式と計算方法をご紹介します。

<計算式>

死亡逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×{(67歳-症状固定時の年齢)歳のライプニッツ係数-(就労開始年齢-症状固定時の年齢)歳のライプニッツ係数}
※下線部分は、「就労可能年数に対するライプニッツ係数」のことです。

計算式中の専門用語について簡単に解説していきます。

  • 基礎収入:男児の場合は「賃金センサスの全産業計・企業規模計・学歴計・男性全年齢平均賃金」の549万4300円
  • 女児の場合は「賃金センサスの全産業計・企業規模計・学歴計・男女計全年齢平均賃金」489万8600円
  • ※女性の平均賃金は、男性とあまりも差があるため、将来が未知数な女児に対しては、男女計の適用が認められています。
  • 生活費控除率:男児の場合50%、女児の場合40~45%

2歳の男児が亡くなった場合の計算例

例として、2歳男児が亡くなってしまった場合の死亡逸失利益を計算してみましょう。

  • 基礎収入:賃金センサス 全産業計・企業規模計・学歴計・男性全年齢平均の549万4300円
  • 生活費控除率:50%

死亡逸失利益=549万4300円×(1-50%)×{(67歳-2歳)歳のライプニッツ係数-(18歳-2歳)年のライプニッツ係数}
=549万4300円×50%×(19.161-10.838)
=2286万4529円

4歳の女児が亡くなった場合の計算例

次に、4歳女児が亡くなってしまった場合の死亡逸失利益を計算してみましょう。

  • 基礎収入:賃金センサス 全産業計・企業規模計・学歴計・男女計全年齢平均の489万8600円
  • 生活費控除率:45%

死亡逸失利益=489万8600円×(1-45%)×{(67歳-4歳)歳のライプニッツ係数-(18歳-4歳)年のライプニッツ係数}
=489万8600円×55%×(19.075-9.899)
=2472万2254円

幼児の慰謝料請求権は親にある

被害者が幼児の場合、自身で示談交渉や法的な手続等を行うことは実質不可能です。そのため、民法第818条では、原則親権者である両親がそれらについて行うことを定めています。 被害者の幼児の両親が死亡している場合は、家庭裁判所に未成年後見人の申し立てを行います。そこで選任された後見人が法定代理人として、示談交渉等を行っていきます。多くは親族から選任されますが、弁護士等の専門家が後見人となるケースもあります。

幼児の慰謝料が争いになった裁判例

重度の後遺障害が残り、高額の慰謝料が認められた裁判例

ここで、重度の後遺障害が残り、高額の慰謝料が認められた裁判例を紹介します。

【大阪地方裁判所 平成18年(ワ)第8903号 損害賠償請求事件】

  • 原告X1:被害者男児(事故当時2歳)
  • 原告X2、X3:被害者男児の両親

<事故概要>

午後4時以降は、幼児たちの遊び場となるような住宅地にある生活道路上で、停車していた被告車両が発進したところ、死角にいた原告X1が車両に巻き込まれてしまった事故です。原告側と被告側は、同じ生活居住区で面識もありました。 原告X1は、事故直後は心肺停止状態であり、一命を取り留めたものの、低酸素脳症、外傷性てんかん、背部熱傷、鉄欠乏性貧血の傷害を負っていました。意識回復の見込みはほとんどなく、植物状態と診断されました(後遺障害等級は第1級1号)。

<争点>

被告側は、原告側の監督責任を指摘し、原告側に3割以上の過失があることと、原告側の両親の固有の慰謝料は本人分に含まれるべきと主張しました。

<裁判所の判断>

事故現場は児童公園のような状態となるものの、車の乗り入れが禁止されているわけではなく、原告側の指導監督上の過失として5分が相当であるとしました。 事故当時2歳だった我が子の将来の夢を奪われ、死亡した場合に比肩するような苦痛や介護に関する負担や制約等を余儀なくされることが考慮され、両親固有の慰謝料として、各250万円の慰謝料が認められました。 労働能力喪失率100%、生活費控除率は0%、18歳~67歳までの就労可能期間に対するライプニッツ係数が用いられ、4742万8724円の逸失利益が認められました。 総じて、原告X1に対し金1億6414万2768円、原告X2及び原告X3に対し金275万円の支払いを命じました。

慰謝料が増額した裁判例

慰謝料等の損害賠償額が相場よりも増額した裁判例を紹介します。

【東京地方裁判所 平成14(ワ)第22987号 損害賠償請求事件】

  • 被害者:女児(姉・事故当時3歳)、女児(妹・事故当時1歳)
  • 原告X1:被害者らの父
  • 原告X2:被害者らの母

<事故概要>

「東名高速飲酒運転事故」として有名な交通事故です。 東名高速道路上り線において、大型トラックを飲酒運転していた被告が前方不注意及び運転操作が困難な状態に陥り、原告ら外の車両に追突したうえ、原告ら車両の後部に乗り上げた事故です。原告車両及び被告車両はともに炎上し、原告車両後部座席に乗車していた事故当時3歳と1歳の姉妹が焼死してしまいました。

<争点>

被告側は、死亡逸失利益については、定期金賠償方式を採用することはできないことを主張しました。

<裁判所の判断>

本件は、危険運転致死傷罪の新設という、刑法改正がなされる契機ともなった極めて痛ましい事故でした。事故直後、炎上する中まだ生存していた3歳と1歳の被害者らが助けを求めながら亡くなり、くわえて、助けられなかった原告X1及び原告X2の無念さは計り知れないとし、原告側の過失は全く認められませんでした。 悲惨な事故態様、危険を感じた目撃者から多くの通報があったほどの飲酒運転の悪質さから、死亡慰謝料として、両親固有の慰謝料を含む一人計3400万円が認められました。また、死亡逸失利益については、基礎収入を男女計の賃金センサスを用い、生活費控除率を45%とし、命日ごとの定期金賠償による請求が認められました。

【京都地方裁判所 平成23年(ワ)第3247号 損害賠償請求事件】

  • 被害者:女児(事故当時5歳)
  • 原告X1:被害者の父
  • 原告X2:被害者の母
  • 原告X3:被害者の弟

<事故概要>

交通整理の行われていない交差点で、優先道路を西行していた被告運転車両と、幼児用自転車に乗って北行していた被害者女児が衝突し、被害者女児が脳挫傷により死亡した事故です。

<争点>

被告側は、自身が優先道路を走行していたこと、幼児に下り坂を一人で進行させ、自転車に乗車していたにもかかわらず右側通行していたこと等から、幼児であることをみても、原告X1の監督義務違反から45%の過失相殺がなされるべきとの主張をしてきました。 また、死亡逸失利益に用いる基礎収入は、女子の賃金センサスによるべきとの主張をしてきました。

<裁判所の判断>

被害者女児は、幼児であることから幼児用自転車に乗車中でも歩行者とみなされ、被告側に制限速度超過及びぼんやりと考えごとをしていた等という前方注視を著しく欠いた重過失により、原告側の過失はゼロとして過失相殺を認めませんでした。 死亡逸失利益の算定には、基礎収入を男女計の賃金センサスを用い、生活費控除率を45%としました。総じて、本人分2400万円、原告X1及び原告X2分各300万円、原告X3分100万円の死亡慰謝料や2575万8069円の死亡逸失利益等が認められました。

弁護士に相談するメリット

ここまで、幼児期のお子様が交通事故に遭ってしまった場合の慰謝料と逸失利益について解説してきました。たとえ言葉がおぼつかない幼児であっても、交通事故被害の損害賠償を請求する権利は当然にあります。 不慮の交通事故に遭い、納得のいく終着点を目指すためには、弁護士に相談・依頼することが確実です。弁護士に、被害者が幼児ならではの示談交渉の進め方や、適正な損害賠償額の判断を一任することで、お子様のケアに専念できるのであれば、それは何にも代えがたいことではないでしょうか。ご不安を抱えていらっしゃるようでしたら、ぜひ一度弁護士への相談をご検討ください。

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