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交通事故における逸失利益とは|獲得・増額のために必要なこと

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員

交通事故に遭い、怪我が治りきらずに後遺障害が残ってしまった場合や運悪く命を落としてしまった場合、治療費や慰謝料のほか、「逸失利益」を請求することができます。 逸失利益は、交通事故で損害賠償として請求できるもののなかでも、高額になることが多い重要な項目です。そのため、適正な賠償を受けるためには、逸失利益の金額を適切に計算して請求する必要があります。 しかし、逸失利益の計算には、年齢や職業、性別といった被害者の属性が考慮されるため、非常に複雑です。そこで、交通事故被害者の方が適正な賠償を受けられるようにするためにも、逸失利益の詳しい計算方法や増額するためのポイント等について解説していきます。

交通事故の逸失利益とは

逸失利益とは、交通事故に遭わなければ将来得られたと考えられる収入や利益のことです。後遺障害が残ってしまったために発生するものを「後遺障害逸失利益」、被害者が亡くなってしまったために発生するものを「死亡逸失利益」と呼びます。どちらも交通事故による損害の項目のひとつとして、加害者に賠償するよう求めることが可能です。 逸失利益とよく似ている損害賠償金の項目として、「休業損害」が挙げられます。これは、交通事故による怪我等が原因で十分に働けなかったために減少した収入や利益をいいます。 逸失利益も休業損害も、現実に発生する損害ではなく、“事故に遭わなければ得ていたはずの利益が得られなかったことによる経済的な損失(消極損害)”だという点が共通しています。そのため、大きな意味では休業損害も逸失利益に含まれますが、休業損害は“交通事故に遭ってから治療が終了するまでに発生する損害”を、逸失利益は“症状固定後または被害者の死亡後に発生する損害”を指すものとして区別されています。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ってしまったために得られなくなった将来の収入や利益をいいます。 例えば、腕や足を自由に動かせなくなる、身体の一部が欠損する、脳の認知機能が低下するといった後遺障害が残れば、働くのに支障が出てしまうので、転職や退職を余儀なくされて経済的な損失を受けるおそれがあります。後遺障害逸失利益に対する賠償は、こうした後遺障害によって以前のように働くことができなくなり収入の減少が予想される場合に請求することができます。 ただし、その前提として、交通事故が原因で後遺障害が残ったことを証明する必要があります。つまり、後遺障害等級認定を受けられなければ、後遺障害逸失利益は認められません。なお、認定される後遺障害の等級によって、後遺障害逸失利益の金額は変わってくるので、正確な認定を受けられるようにすることが重要です。 また、後遺障害逸失利益の金額は、被害者の元々の収入や将来的に得られたはずだと考えられる収入によって上下するので、被害者の収入だけではなく、職業や年齢、性別といった属性にも大きく影響されます。

死亡逸失利益

死亡逸失利益とは、交通事故が原因で被害者が死亡したために得られなくなった、将来にわたって得られたはずの収入や利益をいいます。 交通事故に遭わなければ、被害者は亡くならずに働いて収入を得られていただろうと考えられる場合に、損害賠償の一部として請求することができます。なお、被害者が亡くなってしまっている以上、実際に死亡逸失利益を請求するのは被害者自身ではなく、被害者の請求権を受け継いだ相続人等となります。 死亡逸失利益の請求が認められるかどうかを判断する際には、交通事故に遭う前の収入状況が重視されますが、仮に被害者が交通事故の時点で実際に収入を得ていなかった場合にも、請求できる場合があります。例えば、主婦業を行っていた場合や、働く意欲と能力があり、将来的に働ける可能性があったことが認められる場合には、死亡逸失利益の請求が認められる可能性があります。 ただし、将来にわたって得られただろうと考えられる収入の全額が死亡逸失利益として認められるわけではありません。被害者が生きていた場合、自由に使うことができるお金は収入から生活費を差し引いた金額に限られるため、予想される収入の総額から、被害者が生きていたらかかっただろうと考えられる生活費を差し引いた残りの金額が、死亡逸失利益となります。

交通事故の逸失利益を請求できる人

交通事故が原因で発生した逸失利益を請求できるのは、事故によって後遺障害が残ってしまった、または亡くなってしまった被害者のうち、将来の収入や利益が減少したと考えられる方です。では、どのような方であれば、将来の収入や利益が減少したといえるのでしょうか? 典型的な例をいうと、会社員・公務員・アルバイト・パートタイマー・契約社員等の、給与所得がある方でしょう。対照的に争いになりやすい例は、会社役員や自営業者の方で、労働の対価として収入を得ているというよりは、事業収入として利益(収入)を得ている場合です。逸失利益は、労働能力が低下したことによる損害なので、労働の対価ではなく事業収入として利益を得ていると認められるケースでは、後遺障害逸失利益の請求は否定されます。 また、交通事故の時点で現実には収入がなかった、主婦(主夫)や学生等にも逸失利益の発生は認められます。なぜなら、主婦(主夫)が行う家事労働には金銭的な価値が認められますし、学生は通常卒業後に働いて収入を得ることが想定されるからです。 さらに、交通事故当時、無職者であっても、就職活動をしていたり、就労意欲や能力が認められたりする等、収入を得られる確実性が高い場合には、逸失利益を請求できるケースがあります。

減収してなくても請求できる?

交通事故によって後遺障害が残ってしまったとしても、後遺障害を負った後の収入額が変わっておらず、減収していない場合、裁判所は「“特段の事情”がなければ逸失利益を認めない」という立場をとっています。後遺障害を負った後、実際に減収していないのなら、将来の収入も減らないだろうと考えられるためです。 しかし、“特別な事情”があると判断されれば、減収していなくても逸失利益が認められます。
具体例としては、

・本人の特別な努力や勤務先の配慮により、減収しないで済んでいるケース ・これから先の昇給や昇進等の際に、後遺障害のせいで不利益な取り扱いを受けることが懸念されるケース などが考えられます。なお、後遺障害の種類・部位・程度や業務の種類等にもよりますが、裁判において後遺障害等級が認められている場合、特段の事情があるかどうかは比較的緩やかに判断される傾向にあります。

後遺障害逸失利益の計算方法と算定要素

どちらの逸失利益を計算するかによって、利用する計算式や算定するにあたって考慮に入れる要素(算定要素)は異なってきます。まずは後遺障害逸失利益の場合について説明します。

後遺障害逸失利益=1年あたりの基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数(※中間利息の控除)

次項以下では、算定要素に関する詳しい解説をしていきます。

基礎収入額

「基礎収入額」とは、逸失利益を算定する際に基礎となる収入額をいいます。この定義からわかるように、後遺障害逸失利益と死亡逸失利益のどちらを計算する際にも使われます。 基礎収入額は、原則として事故前年の被害者の実際の収入額となります。もっとも、将来的にこの収入額を上回る収入を得られることが証明できる場合には、その金額を基礎収入額とすることができます。また、被害者が専業主婦や学生である等、実際には収入がない場合には、厚生労働省が毎年調査・公表している「賃金センサス」という日本の平均賃金の統計資料に基づいて、基礎収入額を算出するケースが多いです。 このように、基礎収入額は、被害者の属性によって変わってきます。そこで、被害者の属性別の基礎収入額についてみていきましょう。

会社員

いわゆる会社員などの給与所得者の場合には、基本的に、事故前年の年収額が基礎収入額となります。事故前年の年収額は、源泉徴収票の「総支給額」の欄や、毎月の「給与明細書」で確認できます。この総支給額は、税金や社会保険料等が控除される前の額面の金額に、賞与等の各種手当を含めた金額となっています。 ただし、被害者が若年者(おおむね30歳未満)の場合や、事故前に実際に得ていた収入よりも多くの収入を得る可能性が高いといえる場合には、賃金センサスの学歴別や年齢別の平均賃金を基礎収入額として計算することもあります。

自営業

被害者が自営業者の場合には、事故前年度の確定申告所得額を基礎収入額とします。事故の前年度の売り上げの総額から、固定費(人件費・減価償却費・借家代等)以外の経費を差し引いた金額を基礎収入額とするのが一般的です。 もっとも、これが赤字の場合等には、固定費や平均賃金を利用して計算することがあります。また、確定申告所得額が平均賃金とくらべて非常に低額な場合には、被害者の年齢・職業、交通事故に遭う前の職歴・就労状況等を総合的に考慮して、賃金センサスの平均賃金を利用したり、一部減額して基礎収入額としたりすることがあります。 なお、確定申告を怠っていた場合でも、事故前年度に実際に収入を得ていたことを証明することができれば、基礎収入として認められる可能性があります。

若年者

勤務年数が短い若年者(おおよそ30歳未満)の基礎収入額は、賃金センサスの平均賃金に満たないケースが多いです。しかし、若年者の場合、将来的に昇給・転職する等して収入が増え、平均賃金を上回る可能性があると考えられます。そのため、裁判実務では、実際の収入額が賃金センサスの平均賃金額に満たなくとも、平均賃金額を基礎収入額とみなして逸失利益を計算するのが通例です。 なお、実際の収入が平均賃金を上回っている場合には、もちろん実際の収入額を基礎収入額として計算します。

学生、幼児

学生や子供が被害者の場合には、基本的に、賃金センサスの全年齢平均賃金を基礎収入として計算します。ただし、大学在学中または大学へ進学する可能性が高いときには、賃金センサスの大卒の平均賃金を基礎収入とすることが認められるケースもあります。また、実際に就職先が決まっていた学生の場合には、予定されていた給与額を基礎収入の基準とするケースもみられます。 なお、子供のなかでも特に幼児が被害者の場合、男児については男性の平均賃金を、女児については男女の平均賃金を基礎収入として計算するケースが多く見られます。なぜ女児の場合に女性の平均賃金ではなく男女の平均賃金を利用するのかというと、男性と比べて平均賃金の額がかなり低い女性の平均賃金を利用すると、同じ年代の男女間で逸失利益の金額に不合理な差が生まれてしまうからです。

無職者、主婦(主夫)、高齢者

まず、無職者は逸失利益を請求できないのが原則ですが、就職活動をしていた等、就労意欲と働けるだけの能力があり、勤め先が見つかる確実性が高い場合には、逸失利益の請求が認められます。無職者の逸失利益は、これまでの職歴や具体的な就職活動の実績、前職の給与等を参考に基礎収入を算定します。一般的に、賃金センサスの年齢別平均賃金から減額した金額となるケースが多いようです。 家事従事者である主婦(主夫)の場合には、性別に関係なく、女性の全年齢平均賃金を使って計算するのが基本です。なお、家事労働と外での仕事を並行している兼業主婦の場合には、実際の収入と女性の全年齢平均賃金を比べて、より高額な方を基礎収入として利用します。 これに対して、年金は働いた対価として得られる収入ではないため、年金以外に収入のない高齢者の方については、逸失利益が認められない可能性が高いです。

労働能力喪失率

「労働能力喪失率」とは、交通事故を原因とする後遺障害により、事故前と比べて、労働能力がどれだけ低下してしまったかを表す比率を指します。 労働能力喪失率は、後遺障害の等級ごとにあらかじめ決められています。もっとも、これはあくまでも目安にすぎないので、被害者の職業や後遺障害の部位・程度等を考慮して、増減される可能性があります。なお、一般的に、後遺障害等級が重くなるほど(等級の数字が小さくなるほど)労働能力喪失率は大きくなり、後遺障害逸失利益の金額も高額になります。 等級ごとの労働能力喪失率を表にまとめてみましたので、以下をご覧ください。

労働能力喪失率
後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級~第3級 100%
第4級 92%
第5級 79%
第6級 67%
第7級 56%
第8級 45%
第9級 35%
第10級 27%
第11級 20%
第12級 14%
第13級 9%
第14級 5%

労働能力喪失期間

労働能力喪失期間とは、後遺障害の影響による、労働能力の低下・喪失がどのくらい続くのかを表した年数のことです。一般的に、「症状固定日または死亡日から67歳までの期間」とされています。 ただし、被害者の年齢や働き始めるだろうと考えられる時期によっては、労働能力喪失期間に関する考え方が変わってきます。被害者の年齢に応じた、労働能力喪失期間に関する考え方の違いをまとめましたので、ぜひ下記の表をご確認ください。

年齢別の労働能力喪失期間
被害者の年齢 労働能力喪失期間 補足
幼児~高校生 49年間
(67歳-18歳=49年)
高校卒業を迎える18歳で就職し、67歳まで働き続けると仮定して計算します。
大学生 45年間
(67歳-22歳=45年)
現役の大学生である、または大学進学が確実である等、大学を卒業する可能性が高い場合は、大学卒業を迎える22歳で就職し、67歳まで働き続けると仮定して計算します。
社会人 67歳-症状固定時・死亡時の年齢 交通事故がなければ67歳まで働き続けることができたと仮定して計算します。
高齢者 次のいずれか長い方
①平均余命の2分の1
②67歳-症状固定時・死亡時の年齢
67歳以上または67歳までの期間が短い場合は、①と②を比べて、より長い年数となる方を選択して計算します。

後遺障害がむちうちの場合は注意

後遺障害は、基本的に一生残ることを前提として認定されます。ですから、症状固定時の年齢から67歳になるまでの期間のすべてが労働能力喪失期間とされるのが通常です。 ただし、むちうち等は、ある程度の期間で症状が軽快していく可能性がある後遺障害だと考えられています。そのため、むちうちを受傷して後遺障害等級第14級が認定されたケースでは5年以下、第12級が認定されたケースでは5~10年程度を目安に、労働能力喪失期間は制限されます。 むちうちの後遺障害が残り、労働能力喪失期間が制限されたものの納得がいかない場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。その期間制限が妥当なのかどうか、しっかりと確認させていただきます。

中間利息の控除

「中間利息の控除」とは、逸失利益の算定をする際に、将来生じる利息分を差し引くことをいいます。 逸失利益を受け取るとき、将来にわたって収入等として得るはずだったお金を、前もってまとめて受け取ることになります。仮に口座に入れておけば、本来得るはずだった時期までの間に利息がつきます。つまり、被害者は余分な利益を得ることになってしまいます。そこで、この利息分を差し引くことで加害者との公平を図ろうというのが、中間利息の控除を行う理由です。 差し引く割合は法定利率の年3%※1ですが、実務的には「労働能力喪失期間(就労可能年数)に対応するライプニッツ係数」をかけることで、中間利息の控除を行います。 ※1:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、民法改正前の年5%が適用されます。

18歳未満の未就労者の場合

事故の被害者が症状固定した時点で18歳に満たない場合には、67歳までのライプニッツ係数から満18歳になるまでのライプニッツ係数を差し引いた数値を利用して、逸失利益を計算します。 なぜこうした計算をするのかというと、被害者が18歳未満でまだ働いていない未就労者の場合、高校卒業を迎える18歳から働き始めるものとして逸失利益を計算するのが原則だからです。このように仮定すると、18歳になるまで逸失利益は発生しません。そのため、逸失利益が発生するまでのライプニッツ係数を、全体のライプニッツ係数から差し引かなければならないのです。

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後遺障害逸失利益の計算例

ここで、後遺障害逸失利益の計算方法について、具体例を使ってみてみましょう。

【例:事故前年度の年収500万円、会社員、30歳男性、後遺障害第14級(むちうち)】

この例の場合には、
・基礎収入額は、事故前年度の年収である500万円 ・労働能力喪失率は、後遺障害等級第14級に相当する、5% ・労働能力喪失期間は、むちうちのため短縮されるので、5年 ・労働能力喪失期間(5年)に対応するライプニッツ係数は、4.580※2 となります。

これを計算式に当てはめると、下記のようになります。

後遺障害逸失利益=500万円×5%×4.580=114万5000円

したがって、後遺障害逸失利益の金額は、114万5000円ということになります。

※2:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、民法改正前の法定利率5%を基準としたライプニッツ係数が適用されます。

18歳未満の未就労者の計算例

18歳未満の未就労者のケースも計算してみましょう。

【例:中学生、13歳女性、後遺障害10級11号】

この例の場合には、
・基礎収入額は、年少の女児なので、賃金センサスの全労働者全年齢平均賃金である、500万6900円 ・労働能力喪失率は、後遺障害第10級に相当する、27% ・労働能力喪失期間は、18歳~67歳までの49年 ・労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数は、
 13歳~67歳までの期間(54年)に対応するライプニッツ係数:26.578※3から、
 13歳~18歳までの期間(5年)に対応するライプニッツ係数:4.580※4を差し引いた数値なので、
 26.578-4.580=21.998

となります。

これを計算式に当てはめると、下記のようになります。

後遺障害逸失利益=500万6900円×27%×21.998=2973万8282円(切捨)

したがって、後遺障害逸失利益の金額は、2973万8282円ということになります。

※3、4:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、民法改正前の法定利率5%を基準としたライプニッツ係数が適用されます。

死亡逸失利益の計算方法と算定要素

死亡逸失利益は、次の計算式で求められます。

死亡逸失利益=1年あたりの基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数(※中間利息の控除)

ご覧のとおり、「基礎収入額」にプラスして、「生活費控除率」と「就労可能年数」という算定要素を考慮に入れる必要があります。死亡逸失利益の算定要素に関する詳しい説明は、次項以下をご覧ください。

生活費控除率

生活費控除率とは、収入のうち生活費が占める割合のことであり、逸失利益を計算するうえで考慮される要素のひとつです。被害者が亡くならなければ収入を得られていたのと同時に、生活費もかかっていたはずですから、適正な賠償金額を計算するためには、将来得られたはずの収入額からかかったはずの生活費を差し引く必要があります。この役目を果たすのが、生活費控除率です。 生活費控除率は、被害者の性別や家庭で担っていた役割(扶養者か被扶養者か等)によって異なります。また、どの算定基準を利用するかによっても違ってきます。 一般的に、下記の表の数値を目安に決められます。

自賠責基準の生活費控除率
被扶養者 生活費控除率
なし 50%
あり 35%
任意保険基準の生活費控除率
被扶養者の人数 生活費控除率
なし 50%
1人 40%
2人 35%
3人以上 30%
弁護士基準(裁判基準)の生活費控除率
被害者の属性 生活費控除率
一家の支柱 被扶養者1人 40%
一家の支柱 被扶養者2人以上 30%
女性(主婦、独身、幼児等を含む) 30%
男性(独身、幼児等を含む) 50%

就労可能年数

就労可能年数とは、終期を基本的に67歳までとした死亡時からの年数を指します。具体的には、「労働能力喪失期間」と同じように計算します。 また、後遺障害逸失利益と同じく、就労可能年数に基づいて中間利息を控除する必要があります。そのため、死亡逸失利益を算定するにあたって、実務では、就労可能年数に対応するライプニッツ係数をかけることになります。 中間利息の控除については、「中間利息の控除」の項目をご確認ください。

死亡逸失利益の計算例

死亡逸失利益について、専業主婦のケースを例に実際に計算してみます。

【例:専業主婦、50歳女性】

例をもとに算定要素を求めると、次のとおりになります。

・基礎収入額は、賃金センサスの女性労働者全年齢平均賃金である388万円 ・就労可能年数は、50歳~67歳までの17年
・生活費控除率は、弁護士基準によると、30%
・就労可能年数(17年)に対応するライプニッツ係数は、13.166※5

これを計算式に当てはめると、 死亡障害逸失利益=388万円×(1-30%)×13.166=3575万8856円 死亡逸失利益の金額は、3575万8856円となることがわかります。

※5:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、民法改正前の法定利率5%を基準としたライプニッツ係数が適用されます。

逸失利益を獲得・増額するためのポイント

正しい後遺障害等級認定を受ける

後遺障害逸失利益の算定要素のひとつである「労働能力喪失率」は、認定された後遺障害等級に応じて決まり、等級が高いほど数値が大きくなります。 そのため、どの等級が認定されるかで、後遺障害逸失利益の金額が大幅に変わる可能性があります。 適正な金額の後遺障害逸失利益を獲得するため、そして加害者側から提示された逸失利益を増額するためには、残ってしまった後遺症に対して「正しい後遺障害等級認定を受けること」が必要です。 特に後遺症が自覚症状のみの場合は、後遺障害等級に非該当とされてしまうおそれがあるため、医師への症状の伝え方等、多くの点に注意しなければなりません。

基礎収入額・労働能力喪失期間・就労可能年数は適切か

逸失利益を算定するベースとなる「基礎収入額」が低く見積もられてしまっては、適正な逸失利益は受け取れません。 また、後遺障害逸失利益の場合は「労働能力喪失期間」が、死亡逸失利益の場合は「就労可能年数」が正しく算出されていないと、本来受け取るべき逸失利益から大きく減額されてしまいます。 加害者側との示談交渉の際には、基礎収入額や労働能力喪失期間(または就労可能年数)について、ご自身の状況に合わせた正しい算出がなされているかどうかをきちんと確認し、適切に判断する必要があります。 正確な判断には専門的な知識が必要なため、判断に悩まれたときは、弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故の逸失利益に関する裁判例

実際に逸失利益について争われた、2つの裁判例をご紹介します。

【千葉地方裁判所佐倉支部 令和2年6月15日判決】

事故当時、原告は整備士でしたが、事故後に事務スタッフ、そしてサービスマネージャーへと職種が変わることになりました。その結果、原告の年収は事故当時の年収よりも上昇し、見かけ上の減収はなかったため、逸失利益について争われました。

<裁判所の判断>

後遺障害の内容:後遺障害等級併合第7級(視力低下、視野狭窄、知覚異常・知覚鈍麻、神経症状)
基礎収入額:487万6117円(事故当時の年収)
労働能力喪失率:45%
後遺障害逸失利益:3592万9131円

原告は、事務スタッフに転向した後、資格を取得し、その後も積極的に研修に参加する等スキルアップを目指していました。こうした事実から、裁判所は、原告が現在の地位や年収を得られた要因には、原告の仕事に対する姿勢や本人の努力が大きく影響していると判断し、逸失利益の発生を認めました。 また、視力低下については後遺障害等級8級1号を認定し、その他の後遺障害も考慮したうえで、労働能力喪失率を45%と判断しました。そして、事故当時の年収を基礎収入額として計算した結果、逸失利益として「3592万9131円」が認められました。

【大阪地方裁判所 令和2年3月26日判決】

バイクを運転していた原告が、被告が運転していた自動車と衝突して大怪我を負った事案です。原告が兼業主婦であったため、特に基礎収入額について争われました。

<裁判所の判断>

後遺障害の内容:後遺障害等級5級5号(左下腿切断)
基礎収入額:377万8200円
労働能力喪失率:79%
後遺障害逸失利益:3607万1937円

裁判所は、原告の事故前年の収入が、事故当時の賃金センサスの女性労働者全年齢平均賃金(377万8200円)を下回っていたことから、実際の収入ではなく賃金センサスの平均賃金を基礎収入額とするのが相当だと判断しました。 また、被告は、原告の労働能力喪失率について、リハビリによって回復したために50%程度に留まると主張しましたが、裁判所は、後遺障害が家事全般に支障を来している事実を認め、この主張を採用しませんでした。そのうえで、後遺障害の内容や等級を考慮して、労働能力喪失率を79%と認め、症状固定時から67歳までの期間(19年)を労働能力喪失期間と認定しました。 そして、後遺障害逸失利益として、「3607万1937円」を認める判断を下しました。

逸失利益について粘り強い交渉を行った結果、約650万円増額できた事例

最後に、弁護士法人ALGがお手伝いし、加害者側から提示された逸失利益の金額を増額させることに成功した事例をご紹介します。

<事案の概要>

交通事故により、左足の親指に可動域制限・左肩に神経症状が残り、併合第12級の後遺障害等級認定を受けた依頼者の事案です。加害者側保険会社から賠償額を提示されたものの、適正かどうか疑問に感じられたため、弊所にご相談いただきました。

<解決結果>

後遺障害がどれだけ仕事のパフォーマンスに影響しているのか、依頼者から詳細にお話を伺った結果、加害者側が主張する労働能力喪失期間(10年間)では不十分だということがわかりました。そこで、原則どおり、症状固定時から67歳まで(25年間)を労働能力喪失期間として逸失利益を請求すべきだと考え、加害者側に主張しました。 加害者側保険会社からは折衷案が出されましたが、依頼者の後遺障害の程度は軽くなく、実際に仕事に大きな支障を来している旨を説明し、粘り強く交渉した結果、最終的に25年間のすべてについて労働能力喪失率14%とする旨の合意を得ることができました。 その結果、当初の賠償金額から約650万円増額させることに成功しました。

逸失利益を含む損害賠償請求は、交通事故分野に特化した弁護士にお任せ下さい。

逸失利益は、実際に生じている損害ではなく、これから先に生じることが予想される損害です。そのため、どのように計算するべきか、そもそも請求を認められるべきかどうかを巡って、加害者側と争いになりやすいといえます。加害者側と互角以上に渡り合うためには、ご自身の場合にどのくらいの逸失利益を受け取れる可能性があるのか、加害者側から提示された金額は正しく算定されたものなのか、適切に判断できるだけの専門的な知識が必要です。 交通事故に遭い、逸失利益をはじめとする損害賠償の問題についてお困りの方は、弁護士にご相談ください。弁護士法人ALGには、交通事故事件を集中的に扱う部署があり、これまで数多くの交通事故被害者のお悩みを解決してきました。そのなかには、弊所の弁護士が交渉にあたったことで、加害者側から提示された労働能力喪失率を「14%→56%」、労働能力喪失期間を「10年→30年」と大幅に引き上げることに成功する等、逸失利益を大きく増額できた事案も多数あります。 交通事故の被害者の方、またはそのご家族の方で、逸失利益の獲得や増額を望むもののご不安があるときは、ぜひ弊所にお任せください。これまで積み上げてきた知識と経験を活用し、ご依頼者様のために尽力いたします。

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