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鎖骨骨折による3つの後遺障害と慰謝料について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates執行役員
愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士91名、スタッフ159名を擁し(2019年1月末現在)、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、福岡の10拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

鎖骨に直接的な衝撃を受けた場合や、転倒した際に腕を伸ばして手をついたこと等により鎖骨に間接的な衝撃を受けた場合に、鎖骨が折れてしまうことを「鎖骨骨折」といいます。 そもそも鎖骨とは、胸骨と肩甲骨(背部にある骨)をつなぐ、左右に1本ずつある棒状の骨のことです。胸骨と肩甲骨をつなぐことで腕と体をつなぐ、という大切な役割を鎖骨は担っています。 症状は、骨折した部分の痛みや腫れ、肩の痛み、腕があげられない等があります。治療方法としては、鎖骨は骨の再生能力が高いため、バンドで固定する保存療法をとられることが多いです。手術は、骨折した部分のズレが大きい場合や血管が損傷している場合、早期の回復を希望する場合等に行われます。 回復力が高い鎖骨骨折ですが、肩の可動域が制限されてしまう、鎖骨が変形してしまう、骨折した部分に痛みやしびれが残ってしまう等の後遺症が残る場合もあります。 では、交通事故により「鎖骨骨折」になってしまった場合、慰謝料はいくらになるでしょうか?次項より、例を挙げて慰謝料の計算方法を確認していきます。

交通事故で鎖骨骨折をした場合の慰謝料の計算例

交通事故の際に支払われる慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類あります。入通院慰謝料は、入通院による精神的苦痛に対する賠償、後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償、死亡慰謝料は、死亡してしまったことによる精神的苦痛に対する賠償です。 また、これら慰謝料を算定する基準も、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類あります。 「鎖骨骨折」により「通院期間3ヶ月(90日)・実通院日数80日・後遺障害等級12級6号」の場合を例とした場合の、各基準での慰謝料の計算結果を見ていきましょう。

自賠責基準

自賠責基準とは? 自賠責基準は、被害者の損害を最低限保証するものであるため、3つの基準の中で1番低い基準です。 1日4200円×通院日数(通院期間と実通院日数×2のいずれか少ない方)が入通院慰謝料の計算方法となりますが、治療費、交通費、休業損害その他全ての損害賠償額と合わせて120万円が上限となります。

自賠責基準の計算例

・入通院期間 自賠責基準で入通院期間を算出するには、日額4200円に、入通院期間か(入院期間+実通院日数×2)のいずれか少ない方をかけます。式にすると、 「入通院慰謝料=日額4200円×{入通院期間or(入院期間+実通院日数)×2}」 となります。 例の場合、入通院期間90日<実治療日数160日(80日×2)なので、 「入通院慰謝料=4200円×90日=37万8000円 となります。

後遺障害慰謝料 後遺障害等級第12級の自賠責基準での後遺障害慰謝料の相場は、93万円になります。

弁護士基準

弁護士基準とは? 弁護士が、示談交渉や裁判をする際に使用している基準です。交通事故の過去の裁判例をもとに設定され基準であり、裁判基準ともいわれます。 弁護士基準で通院慰謝料を算定する場合は、通院日数ではなく、通院期間をもとに計算します。 3つの基準の中で、もっとも高額な基準となります。

弁護士基準の計算例

・入通院慰謝料
弁護士基準では、入通院慰謝料を算出するための手段として、赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)の入通院別表Ⅰか別表Ⅱを用います。 基本的には別表Ⅰを用いますが、むちうち症等、軽い打撲や軽い挫創(傷)で他覚所見がない場合等は、別表Ⅱを用います。

通常の怪我の場合【別表Ⅰ】

通常の怪我の場合【別表Ⅰ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 AB 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】

むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 A’B’ 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183

弁護士基準で入通院慰謝料を算出するときには、表をもとに、入通院期間を基礎として計算します。 例は、画像等により診断が可能な、他覚所見のある傷害のため、別表Ⅰを用います。 入院はなく通院のみ3ヶ月の場合なので、別表Ⅰの表の左端に位置する縦方向の軸を確認します。 表によると、入通院慰謝料は73万円となります。

・後遺障害慰謝料 弁護士基準を用いた場合の、後遺障害等級12級の後遺障害慰謝料の相場は、290万円になります。

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鎖骨骨折3つの後遺障害

鎖骨は骨の再生能力が高いため、予後が比較的良いといわれている鎖骨骨折ですが、骨癒合が進んだとしても、肩の可動域が制限されてしまう、鎖骨が変形してしまう、骨折した部分に痛みやしびれが残ってしまう等の後遺症が残る場合もあります。 後遺症が残ってしまった場合、後遺障害慰謝料を受け取るために、後遺障害等級認定を受ける必要があります。鎖骨骨折で認定される可能性のある後遺障害のうち、主なものとして、肩の可動域制限・変形障害・神経症状の3つの後遺障害について、次項より説明していきます。

鎖骨骨折による肩(肩関節)の可動域制限

鎖骨は、胸骨と肩甲骨をつなぐ骨であり、胸骨と肩甲骨をつなぐことで腕と体をつなぐ、という大切な役割を担っています。そのため、鎖骨骨折により、肩(肩関節)の可動域が制限されてしまうことがあります。

認定される可能性のある後遺障害等級

鎖骨骨折により、肩(肩関節)の可動域が制限されてしまった場合、認定される可能性のある後遺障害等級は、「8級6号(1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの)」、「10級10号(1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの)」または「12級6号(1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの)」があります。 いずれの後遺障害等級に認定されるかは、可動域の制限の程度や人工関節等の使用の有無等により判断されます。 「8級6号」が認定されるのは、肩関節が全く可動しない「強直」という状態であるか、これに近い状態である場合、人工関節等を使用しても肩関節が全く可動しない状態であるか、これに近い状態である場合等です。 また、「10級10号」が認定されるのは、肩関節の可動域が通常(後遺症が残っていない方の肩関節の可動域または正常な人の肩関節の可動域の平均値)の50%以下の場合、「12級6号」が認定されるのは、肩関節の可動域が通常の75%以下の場合です。

鎖骨骨折による変形障害

鎖骨骨折により、鎖骨が変形した態様のまま残ってしまう、変形障害を負ってしまう場合があります。治療方法が、手術ではなくバンドで固定する保存療法であった場合に、変形障害を残してしまうことが多いです。

認定される可能性のある後遺障害等級

鎖骨骨折により、変形障害を負ってしまった場合、認定される可能性のある後遺障害等級は、「12級5号(鎖骨に著しい変形を残すもの)」があります。 「12級5号」が認定されるのは、服を脱いで裸体になったとき、鎖骨の変形が明らかにわかる程度のものである場合です。レントゲンといった画像でしか鎖骨の変形がわからない程度のものである場合は、認められません。そのため、画像で鎖骨の変形がわかる、つまり他覚所見があること、そして外見上明らかに鎖骨の変形がわかる程度のものであることの両方が、「12級5号」が認定されるためには必要になります。

鎖骨骨折による神経症状

鎖骨骨折のため治療を行い、症状固定してもなお骨折した部分に痛みやしびれといった神経症状が残ってしまう場合があります。

認定される可能性のある後遺障害等級

鎖骨骨折により、神経症状が残ってしまった場合、認定される可能性のある後遺障害等級は、「12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)」または「14級9号(局部に神経症状を残すもの)」があります。 「12級13号」が認定されるのは、画像等の他覚所見があり、神経症状があることを医学的に「証明」できる場合です。一方、画像等の他覚所見がない場合は、「14級9号」が認定されるかどうかを判断することになります。「14級9号」が認定されるかどうかは、神経症状が受傷者の単なる故意の誇張ではなく、神経症状があることを医学的に「説明」できるかどうかにより判断されます。

後遺障害等級について

後遺障害等級の詳しい内容については、下記の記事をご覧ください。

後遺障害等級

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弁護士費用特約を使う場合
本人原則負担なし※保険会社の条件によっては
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弁護士報酬:成功報酬制

  • 着手金0円
  • 相談料0円
  • 弁護士費用後払い

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