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交通事故後、吐き気が続いて気持ち悪い…後遺障害として認められるのか

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故の被害に遭って以来、吐き気に悩まされているという方は少なくありません。吐き気が長く続くと、食欲減退によって体力が低下したり、何事にもやる気が出なくなったりと、被害者の方に大きな苦痛をもたらします。 交通事故後の吐き気の原因となる傷病には、どのようなものがあるのでしょうか。また、吐き気が続く場合は、後遺障害として認めてもらえるのでしょうか。このページで詳しく解説していきます。

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吐き気の原因は?交通事故後に吐き気が続く時にするべきこと

吐き気とは、胃の中にあるものを吐き出したい(嘔吐したい)という切迫した不快感のことで、嘔気(おうき)や悪心(おしん)ともいいます。吐き気は脳幹にある嘔吐中枢が刺激されることによって起こり、冷汗、顔面蒼白、めまい、唾液分泌、呼吸不整、脈拍変動、血圧変動、下痢といった自律神経症状を伴うことがあります。

吐き気や嘔吐は、嘔吐中枢に対する直接的な刺激によって起こる中枢性のものと、各臓器からの求心的な刺激によって起こる末梢性のものに分けられます。

中枢性の吐き気・嘔吐の原因として、脳出血、脳梗塞、頭蓋内血腫、内分泌・代謝異常、精神的要因等が挙げられます。一方、末梢性の吐き気・嘔吐の原因としては、消化器系疾患、心疾患、尿路系疾患、婦人科系疾患、内耳にあり平衡感覚をつかさどる前庭からの刺激(例:乗り物酔い、中耳炎、メニエール病、外リンパ瘻)等が挙げられます。 このように、吐き気の原因は多岐にわたり、何らかの体の異常を示すサインであるといえます。交通事故後に吐き気が続く場合は重篤な傷病が潜んでいる可能性があるため、まずはその原因を特定することが重要です。

早めに病院に行きましょう

吐き気の原因を特定するためには、早い段階で病院を受診する必要があります。しかし、吐き気の症状に対してどの診療科を受診すればいいか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。 もし吐き気の他に、首周辺の痛みや手足のしびれ、握力低下等の症状があればむちうちが疑われるため、整形外科を受診しましょう。整形外科は、交通事故で受傷した際にほとんどの方が最初に受診する診療科になります。 整形外科で異常がみられない場合や頭部外傷が疑われる場合は、神経内科を受診しましょう。神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科で、体の状態を総合的に判断します。検査の結果、脳出血等の異常があり、手術が必要であれば、脳神経外科に紹介されることになります。もっとも、重度の頭部外傷で救急搬送されるような場合は、直接脳神経外科を受診することになるでしょう。 その他に、耳鳴りや聞こえづらさ、めまいといった症状があれば耳鼻科、PTSD(心的外傷後ストレス障害)等の精神的要因があれば精神科を受診することになるかと思います。 とはいえ、上述のとおり吐き気の原因は様々であるため、診療科をご自身で判断するのは避けるべきです。まずは、最初に診てもらった医師に相談してください。

吐き気と関係のある後遺障害

吐き気の原因となる傷病の治療をして症状固定と診断されても、なお吐き気が続く場合、その傷病による痛みといった神経症状等に付随する症状として後遺障害等級に認定される可能性があります。

後遺障害等級は第1級から第14級まであり(介護を要する後遺障害の場合は第1級または第2級)、第1級が最も重症になります。後遺障害等級に認定されると、その等級に応じた金額の後遺障害慰謝料を請求することができます。 以下で、吐き気の原因となる傷病のうち代表的なものと、その傷病で認定される可能性がある後遺障害等級および請求できる後遺障害慰謝料についてご説明します。

むちうち

むちうちは交通事故で最も頻繁に発生する怪我であり、強い衝撃によって首や腰の筋肉・靭帯・神経等を損傷することで起こります。 吐き気の原因となるのは主に首のむちうちで、医学的には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」といった診断名がつきます。吐き気の他に、首・肩・背中の痛みやつっぱり感、頭痛、首の可動域制限、手足のしびれ、握力低下、めまい、耳鳴りといった症状が現れます。 むちうちについて詳しく知りたい方は、下記のページを参照してください。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は、脳と脊髄の周りを満たしている髄液が何らかの原因によって漏れ出ることで生じます。医師の間でも症例について見解が一致していない複雑な疾患であり、最近では交通事故によるむちうちと強く関連しているともいわれています。 強い起立性頭痛(起立すると悪化する頭痛)が現れることが特徴的ですが、他に首の痛みや吐き気、めまい、耳鳴り、視力低下、握力低下、歩行障害、全身倦怠感、体温調節異常、集中力低下、気分の落ち込みといった様々な症状が現れます。 脳脊髄液減少症について詳しく知りたい方は、下記のページを参照してください。

むちうち・脳脊髄液減少症で請求できる慰謝料

むちうちや脳脊髄液減少症による後遺症は、神経症状として主に後遺障害等級12級13号または14級9号に認定される可能性があります。もし働くことができる仕事が限定されるほどに重症であれば、9級10号に認定されることもありますが、むちうちや脳脊髄液減少症による症状だけで認定されることはほとんどなく、脊髄損傷等を伴っているケースが多いです。 むちうちの場合、画像検査等による他覚所見があり、自覚症状を医学的に証明することができれば第12級に認定されます。他覚所見がなかったとしても、自覚症状の具体的な内容や事故後より症状が一貫して継続していること等を詳しく説明することができれば第14級に認定されます。 しかし、脳脊髄液減少症の場合、未だに明確で普遍的な診断基準が確立されていないため、後遺障害等級の認定を受けること自体がなかなか難しいというのが現状です。現在、認定の際に重視されているポイントとしては、起立性頭痛等の症状があること、事故直後より症状が発生したこと、低髄液圧や髄液漏出を医学的に証明できること、ブラッドパッチ治療によって頭痛が改善すること等が挙げられます。

後遺障害等級 認定の要件
9級10号 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの
下表で、後遺障害等級第9級・第12級・第14級に認定された場合に請求できる後遺障害慰謝料の相場をまとめました。 慰謝料を算出する際には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3つの算定基準のうちのどれかを適用します。同じ後遺障害等級であっても、適用する基準によって後遺障害慰謝料の金額は変わってきます。 下表では、自賠責基準を適用した場合と弁護士基準を適用した場合を比較しています(任意保険基準については、保険会社によって基準が異なるため記載を省略しています)。これをみると、弁護士基準を適用した後遺障害慰謝料の方がずっと高額になっていることがわかります。

後遺障害等級 自賠責基準 弁護士基準
9級10号 249万円 690万円
12級13号 94万円 290万円
14級9号 32万円 110万円

※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

頭部外傷

頭部外傷とは、交通事故や転落等によって頭部に強い外力が加わることで生じる、頭皮・頭蓋骨・脳の損傷をいいます。 頭部外傷は、円蓋部骨折・頭蓋底骨折といった「頭蓋骨骨折」、脳挫傷・急性硬膜外血腫・急性硬膜下血腫・脳内血腫といった「局所性脳損傷」、脳震とう・びまん性軸索損傷といった「びまん性脳損傷」に大きく分けることができます。 頭部外傷による損傷が脳にまで及ぶと、損傷箇所や程度によって、頭痛や吐き気のほか、運動麻痺、感覚障害、言語障害といった様々な症状が現れます。そのため、認定される後遺障害等級も障害の内容によって様々に変わります。 頭部外傷により頭痛や吐き気がある場合、外部からは大怪我をしていないように見えても、脳内出血等があれば、程度によっては死に至るおそれもあります。事故直後から頭痛や吐き気があるようであれば、すぐに病院で検査をするようにしてください。 頭部外傷に関連する後遺障害について詳しく知りたい方は、下記のページを参照してください。

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吐き気が続く場合はご相談ください

交通事故後に吐き気が続く場合は、まず病院で原因を特定し、適切な治療を行う必要があります。治療後も後遺症が残るようであれば、後遺障害等級認定の申請を行うことになりますが、「吐き気がする」というだけで後遺障害等級の認定を受けるのは難しく、大抵の場合は痛みといった神経症状等に付随する症状として認定されることになります。 吐き気の原因となる傷病は様々ですが、むちうちや脳脊髄液減少症等の場合、被害者の症状に見合った適切な後遺障害等級に認定されること自体が難しいため、弁護士に依頼することをおすすめします。交通事故案件を多く取り扱っていて、医療にも詳しい弁護士であれば、後遺障害等級認定に向けたサポートをすることができます。また、弁護士に依頼すると、弁護士基準で慰謝料が算出されるため、損害賠償金が増額することが期待できます。 交通事故後の吐き気の症状でお悩みでしたら、ぜひ一度弁護士に相談してみてください。

交通事故により吐き気の症状が残ったケースの裁判例

【名古屋地方裁判所 平成29年10月25日判決】

<事故および後遺症の概要>

原告の運転する自動車が信号待ちで停止していたところ、被告の運転する自動車に追突されました。原告は本件事故により受傷し、頚椎捻挫・低髄液圧症候群・腰背部挫傷・左肩挫傷といった診断を受けました。 原告には頚部痛・頚部のつっぱり感・頭痛・吐き気・耳鳴り・全身倦怠感といった症状が残り、自賠責保険に後遺障害等級認定の申請を行いましたが、後遺障害には該当しないと判断されました。

<主な争点>

  1. 原告が、本件事故により低髄液圧症候群を発症したか
  2. 本件事故による後遺障害の有無、程度等

<裁判所の判断>

まず、裁判所は争点①について、原告が起立性頭痛を初めて訴えたのは本件事故から4ヶ月以上経過してからであったこと、MRI画像で髄液漏出を示唆する明らかな異常所見がみられないこと、ブラッドパッチ治療後に頭痛の著明な改善があったと認めるのは困難であること等から、原告が低髄液圧症候群を発症したとは認められないと判断しました。

しかし、争点②については原告の自動車の損傷が激しく、本件事故が原告の身体に与えた衝撃は相当大きいものであったと推認できること、原告が事故後も一貫して頚部痛を訴え続けていること、症状固定後も勤務の程度によって頚部痛等の症状が悪化していること等から、原告に残存した頚部痛の症状は、後遺障害等級14級9号に該当すると判断しました。 以上より、原告には後遺障害慰謝料として110万円の請求が認められています。

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