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むち打ちの後遺障害等級認定と慰謝料の解説

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むち打ちの後遺症と症状

むち打ちの後遺症と症状 交通事故の衝撃で首が振られ、負荷がかかることで負う症状をむち打ちといい、交通事故の怪我で多く見られます。むち打ちにはいくつかの種類と症状があり、首の痛みや痺れだけでなく、症状が重いと、膀胱・直腸障害で排便・排尿に支障が出たり、脳髄液が漏れて視覚・聴覚・味覚等に支障が出たり、記憶・認知能力の低下等、高次脳機能障害が生じるような場合もあります。 また、むち打ちの症状は交通事故直後に出るとは限らず、数週間か経過した後に症状が出る場合もありますので、むち打ちが影響した症状であると気づかないことも多々あります。

頸椎捻挫型

むち打ち、と診断された方の7~8割の方が、この頸椎捻挫型に分類されます。 傷病名としては、頸部捻挫、外傷性頸部症候群にあたります。首を固定する筋肉や靭帯の軟部組織を損傷し、炎症を起こしている状態をいいます。筋肉が極度に緊張することによる、肩こり、首や背中への痛み、首の可動域が狭くなる等が主な症状ですが、保険会社は、比較的早期に治癒すると見込みをたて、治療費の打ち切りをしようとします。しかし実際には、症状が治らず長期化されている被害者の方がたくさんいます。特に後方からの追突事故の場合に、むち打ちで長く苦しまれている方が非常に多いようです。 後遺障害等級認定は必ず受けられるものではありませんが、適切な通院・診療を行うことにより、後遺症が残った際には、適切に後遺障害等級認定を受けられる可能性を高めることができます。 むち打ちで苦しまれている方は早期に、弁護士に相談するべきです。

根症状型

傷病名としては、頸部捻挫、頸椎挫傷、外傷性頸部症候群といった頸椎捻挫型と重なるものから、頸椎神経根症、頸椎椎間板ヘルニア等にあたります。 脊髄に負荷がかかり、神経根が引き伸ばされたり、圧縮されたりして、首や腕の痛み、痺れだけでなく、体に力が入りにくくなったり、顔面や後頭部に痛みを感じたりもします。症状が神経に係ることから、後遺障害の対象になりやすいといわれます。

バレリュー症状型

交通事故時の衝撃が強く、自律神経まで傷ついてしまった状態を、バレリュー症候群、または後頸部交感神経症候群ともいいます。自律神経の乱れにより、頭痛、吐き気、耳鳴り、めまい、不眠等の症状として体調に現れ、首や腕、後頭部、肩甲骨にかけて痛みが及ぶことも多いです。 バレリュー症状型の場合は、整形外科での治療の他に、ペインクリニック(主に疼痛を訴える患者に対し、麻酔科医が診療を行う)にて星状神経節ブロックという治療を行う必要があります。症状が交通事故からある程度の時間経過して発症する場合もあることから、むち打ちに詳しい医師でなければ、後遺障害として認めてもらうことが難しい症状です。

根症状、バレリュー症状混合型

傷病名としては、根症状型にみられる頸部捻挫、頸椎挫傷、外傷性頸部症候群、頸椎神経根症、頸椎椎間板ヘルニア等にあたりますが、症状としては、バレリュー症状にみられる頭痛、吐き気、耳鳴り、めまい、不眠、首から手指にかけての痛み、痺れ等になり、故に混合型と分類されています。整形外科とペインクリニックの並行治療が望ましく、根症型と同様他覚所見が神経症状に係ることから、後遺障害の対象になりやすいといわれます。

脊髄症状型

傷病名としては、脊髄不全損傷、頸椎椎間板ヘルニア、変形性頸椎症、頸髄症、脊椎管狭窄症、後縦靭帯骨化症等にあたります。脊髄損傷による、体の麻痺や知覚障害、下肢に伸びている神経への損傷がによる、歩行障害等につながる等症状は多岐にわたり、むち打ちの分類の中では最も重症なケースで、完治は難しいとされています。従って、後遺障害として認められやすいといわれています。

むち打ちで認定される可能性のある後遺障害等級と認定基準

12級13号

自賠法では「局部に頑固な神経症状を残すもの」と定めており、画像所見において脊髄や神経部分への圧迫が明らかに確認できる等、他覚所見、神経学的所見が自覚症状と一致し、医学的に証明できることが要件となっています。

14級9号

自賠法では「局部に神経症状を残すもの」と定めており、受傷時の状態や治療の経過等から、自覚症状の連続性、一貫性が認められ、他覚所見、神経学的所見から医学的に証明できずとも、医学的に説明可能であることが要件となっています。

むち打ちで認定される可能性のある後遺障害等級は、ほとんどの場合が上記に挙げた12級13号か14級9号となりますが、ごく稀に、むち打ち以外の症状も併合して認められる場合に、7級4号、9級10号が認定されたケースもあります。

むち打ちで後遺障害等級認定をされるためのポイント

むち打ちで後遺障害等級認定をされるためのポイント むち打ちは、他覚所見による証明が難しい等の理由から、後遺障害等級の認定が難しく、等級非該当とされることも多いのが現状です。1番低い等級である14級9号の認定を受けるにあたり大切なことは、自覚症状を医学的に説明できるかどうかです。適切な頻度で継続的に通院し、必要な検査を受けることで、症状に連続性、一貫性があることを医師に記録として詳細に残してもらうことが重要です。さらに上の等級である12級13号の認定を目指すのであれば、後遺障害診断書の記載内容が重要です。レントゲンやMRI等の画像や神経学的検査からヘルニア等が存在すること、それが交通事故と因果関係のある症状であり、自覚症状とも一致し、今後も治癒の見込みは厳しい等、医師に証明してもらう必要があります。また、「しばらく痛みがない」「~のときに痛みが出る」等と医師に申告した場合、症状の連続性、一貫性が疑われ、治癒の可能性があるととらえられる等、等級認定に差し障る結果が診断書に記入されることもありますので、伝え方にも気を付ける必要があります。

むち打ちで後遺障害等級認定された場合の慰謝料の計算例

【例】入院1カ月・通院日数180日・実通院日数90日・後遺障害等級14級9号

自賠責基準

  • 入通院慰謝料 88万2000円
    (4200円/1日×210日=88万2000円)
  • 後遺障害慰謝料 32万円

弁護士基準

  • 入通院慰謝料 113万円
  • 後遺障害慰謝料 110万円

むち打ちの後遺障害等級認定は非常に難しい

むち打ちの後遺障害等級認定は非常に難しい むち打ちは、骨折のように誰が見ても明らかな症状ではなく、他に後遺障害等級認定されている症状と比較すると、軽症であるとみられています。 しかしながら、実際に交通事故に遭い、何年もの間、むち打ちで苦しみ、元の体に戻りたいと願っている被害者の方とたくさんいらっしゃることでしょう。 繰り返しになりますが、むち打ちは画像等他覚所見的に認められないことが多く、ジャクソンテスト・スパーリングテスト等の神経学的検査や、腱反射テスト等の結果から、自覚症状を医学的に説明できるか否か、明らかにしていく必要があります。 後遺障害等級認定の手続きは書面のみで行われるため、最後の診断である後遺障害診断書の内容が重要となってきます。しかし、後遺障害診断書のみが素晴らしい内容だからといって、後遺障害等級が認められるというものではありません。むち打ちで後遺障害等級認定を獲得するには、適切な通院、適切な診断、適切な検査を受け、そのうえで、適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。もっとも、それでも後遺症が残った方全てに対し、必ず後遺障害等級認定が獲得できるわけではありません。ただし、早期の段階から弁護士に相談いただければ、万が一後遺症が残った際に、少しでも後遺障害等級認定を獲得できる可能性を高めるためのアドバイスができます。

むち打ちの後遺障害等級認定された解決事例

【東京地方裁判所 平成25年(ワ)第26089号 損害賠償請求事件】

原告(X)が運転する自動車が、交差点を右折しようと停車待機していたところ、Xの後続車両に被告(Y1)が運転する被告会社(Y2)保有の自動車が追突した衝撃で、Xの後続車両がXの自動車に追突し、Xがむち打ち等、後遺障害等級14級9号に該当する障害を負ったことから、Y1,Y2に連帯して損害賠償を求めた事件です。 Xは、建築解体業を営んでおり、本件事故以前から頸椎及び腰椎の椎間板変性や、腰椎の椎間板ヘルニアの所見があったことから、Xのむち打ち等後遺症について本件事故との因果関係が争点となりました。裁判所は、後遺障害診断書上既存障害はないとして、自賠責機構がXのむち打ちについて第14級9号の認定をしており、Y1,Y2らもXの既存障害について認めるに足る証拠を提出できていないことから、素因減額をせず、後遺障害慰謝料を110万円と算定しました。その結果、Y1,Y2に対し、治療費・休業損害・通院交通費等、争いなく支払い済みの損害賠償とは別に、損害賠償として総額326万3601円を支払えとの判決を下しました。

弁護士に相談がおすすめ

比較的軽症とみなされやすい傾向にあるむち打ちですが、被害に遭われた方の身体的・精神的な苦痛は小さくありません。むち打ちの症状は多岐にわたり、医学的証明が難しいといわれますが、ご自身の症状に見合った損害賠償金額を受け取るためには、適切な後遺障害等級の認定が必要になります。 弁護士にご相談をいただければ、医師に対し、必要な検査の依頼をしたり、後遺障害診断書の作成要領をご説明し、不足事項や修正部分について交渉したりすることで、極力詳細で、過不足のない後遺障害診断書を作成するお手伝いができますので、適切な後遺障害等級の認定可能性を高めることができます。