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飲酒運転と過失割合の関係

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

飲酒運転は絶対に許されることではありません。2007年に厳罰化されたことで、飲酒運転による交通事故件数は年々減少しているものの、残念ながら飲酒運転をするドライバーは後を絶ちません。本記事では、飲酒運転と過失割合の関係等について解説します。

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飲酒運転は2種類ある

飲酒運転の種類

飲酒運転には、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があり、道路交通法上、区別して定義されています。 酒気帯びとは、体内に一定値以上のアルコールを保有している状態で、具体的な基準は、呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上、または血中アルコール濃度0.3mg/ml以上とされています。 一方、酒酔いとは、アルコールの影響により正常な運転ができない状態で、体内のアルコール濃度によってではなく、正常な運転ができないほど酔っていたかどうかによって判断されます。具体的には、まっすぐ歩けるかどうか、ろれつがまわっているかどうか、視覚・聴覚が正常に機能しているかどうか、といったことから判断されます。

飲酒運転は過失割合に影響する?

飲酒運転の過失割合への影響

交通事故に遭った際、当事者のどちらかが飲酒運転していた場合には、この事情が過失割合に影響することがあります。 過失割合とは、当事者双方の交通事故に対する過失の度合いを示したものです。事故のパターンごとに、過去の判例をもとにした基本過失割合は決まっており、『別冊判例タイムズ』という法律雑誌や、『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称:赤い本)』・『交通事故損害額算定基準(通称:青本)』といった公益財団法人日弁連交通事故相談センターの書籍等に記載されています。そして、個別の交通事故態様によって基本過失割合に修正要素を加え、過失割合が決まっていきます。 飲酒運転は、この修正要素のうち「著しい過失」や「重過失」とされることがあるため、過失割合に影響することが考えられます。 先に、飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類あることを説明しましたが、酒気帯び運転は著しい過失、酒酔い運転は重過失に当たるとされています。

加害者が飲酒運転していた場合

加害者が飲酒運転していた場合、事故のパターン・個別の状況・酒気帯び運転(著しい過失)と酒酔い運転(重過失)どちらであるか等によって異なりますが、加害者側に過失割合が5~20%程度加算されるでしょう。加算される過失割合の最低値が5%程度というのは、低いように思われるかもしれません。なぜ最低値がこれほど低いのかというと、酒気帯びの程度でも異なるため、また、事故のパターンによっては、信号無視や非優先道路からの進入といった、そもそもの事故の直接的な原因の過失が大きく、その他の過失はそこまで重視されないことがあるためです。 なお、加害者が飲酒運転していたからといって、必ずしも過失割合が修正されるわけではありません。 酒酔い運転の場合は、正常な運転ができないほど酔っているため、飲酒運転が少なからず事故の原因として影響していることが考えられます。 一方、酒気帯び運転の場合は、どれくらい酔っているかどうかではなく、体内のアルコール濃度が一定値以上であるかどうかで判断されるため、飲酒からある程度時間が経っていたり、体質的にお酒に強かったりすれば、アルコールが残っている状態でも正常な運転ができる人もいます。したがって、例外的ではありますが、飲酒運転が事故の原因として影響しているとはみなされず、飲酒運転していても過失割合が修正されない場合もあります。

被害者が飲酒運転していた場合

被害者が飲酒運転していた場合も、過失割合は修正されます。事故のパターン・個別の状況・酒気帯び運転(著しい過失)と酒酔い運転(重過失)どちらであるか等によって異なりますが、被害者側の過失割合も5~20%程度加算されるでしょう。

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加害者が何に乗っていたかは過失割合に影響する?

交通事故に遭い、加害者が飲酒運転していた場合、基本的に過失割合は修正されます。過失割合がどの程度修正されるかは、事故のパターン・個別の状況・酒気帯び運転(著しい過失)と酒酔い運転(重過失)どちらであるか等によって異なります。 なお、飲酒運転していた加害者が何に乗っていたかが過失割合の修正に影響するかは、ケースバイケースでしょう。というのも、何に乗っていたかで起こり得る事故のパターンは異なるためです。しかし、自動車・バイク・自転車、いずれに乗っていたとしても、加害者側が飲酒運転していた場合には過失割合が5~20%程度加算されると考えられます。

飲酒により過失割合が修正された判例

【千葉地方裁判所 平成21年7月14日判決】

<事案の概要>

この事案の交通事故態様は、原告が同乗する車が右折の合図をし、進路変更したところ、進路変更先の通行帯の後方から直進してきた被告が運転する車が衝突した、というものです。交通事故当時、被告は酒気帯び運転をしており、この裁判では、過失割合が争点の一つになりました。

<裁判所の判断>

裁判所は、基本過失割合について、進路変更車と後続直進車の基本過失割合は、70(進路変更車=原告側):30(後続直進車=被告)としました。そして、被告の修正要素について、速度超過で20%加算、無免許運転で20%加算、酒気帯び運転で20%加算すること、原告側の修正要素については、右後方確認の不十分で10%加算することを認めました。したがって、最終的な過失割合は、基本過失割合に双方の修正要素を考慮し、20(原告側):80(被告)が相当であると判断しました。 被告が酒気帯び運転をしていたことに対し、過失割合が20%加算されたことを明示した事案になります。

【名古屋地方裁判所 平成26年11月7日判決】

<事案の概要>

この事案の交通事故態様は、歩車道の区別のない道路において、歩行していた原告と、対向から走行してきた被告が運転する車が衝突した、というものです。交通事故当時、原告(歩行者)は飲酒しており、原告にも過失があるのではないか?ということが争点の一つになりました。

<裁判所の判断>

裁判所は、原告は飲酒により酩酊状態であったことを認めたうえ、交通事故態様について、ふらついて歩いていた原告に気づいた被告は、原告と間隔を保ち、徐行して通過しようとしたところ、原告が予想に反して大きくふらつき、被告車両に近づいてきたため生じた交通事故である旨を認めました。そして、被告の過失について、「被告は、原告がふらついて歩いているのを認識していたのであるから、さらに減速あるいは停止する等して歩行者の保護を尽くすべきところ、これを怠ったとの過失があることを否定することはできない」とし、原告の過失については、「原告にも大きくふらついて被告車両に近づいた過失が認められる」としました。したがって、過失割合は、5(原告):95(被告)が相当であると判断しました。 被害者(歩行者)が飲酒していたことに対して過失が認められ、過失割合が修正されたものの、5%の加算にとどまっていることから、歩行者が強く保護されていることがわかる事案になります。

飲酒運転と行政処分・刑事処分

飲酒運転の行政処分と刑事処分

これまで、交通事故に遭い、当事者のどちらかが飲酒運転していた場合の過失割合への影響について説明してきました。 過失割合は、損害賠償請求において争われるものです。事故の加害者には損害賠償金を被害者に支払わなければならないという民事処分が科されますが、飲酒運転していた場合、さらに行政処分(運転免許の違反点数の加算・取消し・停止等)や刑事処分(刑罰)が科されることになります。 酒気帯び運転の場合と酒酔い運転の場合に分けて、各々でどのような行政処分と刑事処分が科されるのか確認していきましょう。

酒気帯び運転

行政処分 酒気帯び運転の場合、呼気中アルコール濃度の程度によって、科される行政処分が変わります。 呼気中アルコール濃度が「0.15mg/l以上0.25mg/l未満」の場合、「違反点数13点、免許停止期間90日」という行政処分が科されます。 対して、呼気中アルコール濃度が「0.25mg/l以上」の場合は、「違反点数25点、免許取り消しで欠格期間(新たに運転免許資格を取得できない期間)2年」という行政処分が科されます。

刑事処分 酒気帯び運転の場合、道路交通法違反として、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という刑事処分が科されます。 また、酒気帯び運転で交通事故を起こし、相手に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまったりした場合、つまり人身事故の場合は、自動車運転処罰法によって刑事処分が科されることになります。具体的な刑罰としては、「過失運転致死傷罪(7年以下の懲役または100万円以下の罰金)」や「危険運転致死傷罪(負傷の場合:15年以下の懲役、死亡の場合:1年以上の有期懲役(最大20年の懲役)」があります。

酒酔い運転

行政処分 酒酔い運転の場合、「違反点数35点、免許取り消しで欠格期間3年」という行政処分が科されます。酒気帯び運転の場合と比較して、より重い行政処分が科されることになります。

刑事処分 酒酔い運転の場合、道路交通法違反として、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」という刑事処分が科されます。 また、酒気帯び運転と同様、酒酔い運転で人身事故を起こしてしまった場合は、自動車運転処罰法によって、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が問われることになります。

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飲酒運転で処罰されるのは運転手だけではない

飲酒運転で運転手以外の人が処罰される場合

車を貸した人も処分の対象

飲酒運転した場合、運転手には行政処分と刑事処分が科されることになりますが、車を貸した人もこれらの処分の対象とされることがあります。処分の対象とされるのは、飲酒している人に車を貸した場合や、飲酒運転するとわかっていながら車を貸した場合です。このような場合、車を貸した人に対しても、運転手と同様の行政処分と刑事処分(道路交通法違反)が科されます。

お酒を飲ませた人・飲酒運転の車に乗せてもらった人も処分の対象

また、車を貸した人の他にも、お酒を飲ませた人や車に乗せてもらった人も、行政処分と刑事処分の対象とされることがあります。処分の対象とされるのは、運転をするとわかっていながらお酒を飲ませた人や、飲酒運転だと知りながら車に乗せてもらった人です。これらの者に対しては、運転手と同様の行政処分が科されます。刑事処分(道路交通法違反)については、運転手より軽減され、運転手が酒気帯び運転の場合には「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」、酒酔い運転の場合には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

過失割合に納得がいかなかったら弁護士にご相談ください

交通事故に遭い、当事者のどちらかが飲酒運転していた場合、この事情が修正要素として過失割合に影響することがあります。過失割合によって、被害者が受け取ることができる損害賠償金額は増減します。 加害者が飲酒運転していた場合、損害賠償金の支払いという民事処分の他、行政処分や刑事処分も科されます。しかし、飲酒運転していた加害者に行政処分や刑事処分が科されたからといって、過失割合が必ずしも修正されるわけではありません。例外的ではありますが、飲酒運転が事故の原因として影響しているとはみなされない可能性もあるからです。 交通事故の被害に遭い、加害者が飲酒運転していた場合、通常、加害者側の過失割合が高く修正されます。保険会社から提示された過失割合に納得がいかない場合には、まずは弁護士にご相談ください。被害者の方が主張したい過失割合を立証するための証拠の収集や、示談交渉、裁判等を弁護士が代わりに行うことで、適切な過失割合を認めてもらえる可能性が高くなります。

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