交通事故弁護士

メール相談受付 0120-790-073

高齢者(老人)の死亡事故慰謝料の相場と高額事例

交通事故のご相談はこちら

日々発生している交通事故の中で、残念なことに老若男女問わず被害者が死亡してしまうケースがあります。ここではその被害者の中でも「高齢者」にスポットを当てて、死亡事故における慰謝料について解説していきます。

死亡事故の被害者側は、加害者側に対して損害賠償請求ができます。具体的に請求できる項目は、①葬儀関係費、②死亡慰謝料、③死亡逸失利益、④その他(入通院費、弁護士費用、遅延損害金等)です。死亡慰謝料はあくまで損害賠償項目の1つであり、事故によって被った肉体的・精神的苦痛は、被害者本人分と近親者分(原則父母・配偶者・子)があるとして、それぞれに請求権がみとめられています。

さらに、慰謝料を算定するには3つの基準(自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準)があるので、各々の相場をご紹介します。

高齢者(老人)の死亡事故慰謝料の相場

自賠責基準による高齢者の死亡事故の慰謝料

1つ目の自賠責基準の死亡慰謝料は、被害者本人分が350万円です。近親者分は人数ごとに決められており1名の場合は550万円、2名の場合は650万円、3名以上の場合は750万円で、その中に被扶養者がいれば人数に限らず+200万円です。「被害者救済のための最低限の補償」が自賠責保険の目的であるため、3つの基準のうち死亡慰謝料の金額は最も低くなります。

自賠責基準の死亡慰謝料

被害者本人の慰謝料 350万円
近親者の慰謝料 1名 550万円
2名 650万円
3名以上 750万円
被扶養者がいる場合 上記+200万円

任意保険基準による高齢者の死亡事故の慰謝料

2つ目の任意保険基準は、相場が明確になっていません。保険の自由化に伴って、保険会社ごとに基準が設けられるようになったためです。ただ、任意保険はあくまで営利目的であること、自賠責保険からオーバーした分を補うことが特徴として挙げられるので、「自賠責基準の相場+α」と想定して良いでしょう。

弁護士基準による高齢者の死亡事故の慰謝料

3つ目の弁護士基準は、「最も高額な慰謝料」が期待できます。通称赤い本と呼ばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」によって、今までの裁判における判決に基づいて相場が設けられています。弁護士基準の慰謝料相場は、被害者の家庭内の役割別に本人分と近親者分の総額として、被害者が一家の支柱の場合は2800万円、母親・配偶者の場合は2500万円、その他の場合は2000万円~2500万円です。被害者が高齢者の場合は、仕事をして家族の家計を一定に支えている等の事情がなければ、2000万円~2500万円の慰謝料となると考えてよいでしょう。以上のように、慰謝料を導き出すには3つの基準があり、被害者の家庭内における役割やどの基準を用いるかによって損害額が変動します。

弁護士基準の死亡事故慰謝料の相場

被害者の立場
死亡慰謝料の相場
一家の支柱
2800万円
母親・配偶者
2500万円
高齢者・その他
2000万円~2500万円

死亡事故で請求できるのは慰謝料だけじゃない!

損害賠償額の増額事由には、慰謝料だけではなく、死亡逸失利益も大きくかかわってきます。死亡逸失利益とは、交通事故により亡くならなければその後も得られたであろう収益のことをいい、算出には次のような公式を用います。

死亡逸失利益 = 基礎収入 × ( 1 – 生活費控除率 ) × 就労可能年数に応じたライプニッツ係数 ※それぞれの用語解説は下記を参照ください。
基礎収入:
原則、前年の年収(または年金の年額)
もしくは賃金センサス(賃金構造基本統計調査)に基づく年収
生活費控除率:
被害者死亡により実際にかかったであろう生活費が控除される利率
一家の支柱:
被扶養者1名の場合40%
被扶養者2名以上の場合30%
女性(主婦、独身、
幼児等を含む):
30%
男性(独身、幼児等を
含む):
50%
※高齢者の場合は、家庭内の役割や年金受給者であるかが影響する
就労可能年数:
原則、18歳から67歳まで
※高齢者の場合は、67歳までの年数と平均余命の1/2のどちらか長い方
※基礎収入が年金の場合、平均余命(厚生労働省の簡易生命表による)
ライプニッツ係数:
中間利息を控除するための係数
将来得られるであろう利益を一括で受領するための利息相当額
(法定年利5%、現価表と年金現価表がある)

たとえ被害者が高齢であっても、家庭内の役割によって慰謝料や死亡逸失利益が増減します。次章においては、その点をもう少し具体的に解説していきます。

弁護士法人ALG&Associates

通話無料・24時間年中無休受付中!

0120-790-073 今すぐ電話で相談受付

メール相談受付はこちら

メール相談受付

何歳以上から高齢者(老人)になるのか

そもそも何歳以上から高齢者(老人)とみなされるのでしょうか? 高齢化社会と呼ばれる昨今、高齢者を年齢で定義づけるのは難しくなってきています。国連では60歳以上、WHOでは65歳以上を高齢者としていますが、日本では、65歳~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と規定しているようです。現在、年金受給対象年齢は「65歳以上」という規定があります。高齢者の交通事故被害の損害額算出においては「仕事をしているか否か」「年金受給者であるか否か」ということが、非常に重要です。

高齢者(老人)が無職の場合と仕事をしていた場合で慰謝料額に差は出るのか

事故の被害に遭った高齢者が、無職の場合と仕事をしていた場合で、慰謝料額に差は生じるのでしょうか?ここでは、高齢者が無職だった場合、無職だが求職中だった場合、就労していた場合に分けて「弁護士基準」でその違いをご紹介していきます。

高齢者(老人)が無職だった場合

無職とは、求職しているわけでもなく仕事をしていない状態のことをいいます。定年退職して趣味を楽しんでいたり、病気で療養中であったりと、無職でも状況は様々です。 死亡した被害者が高齢者で無職の場合は、弁護士基準の「その他」に分類されることが多く、慰謝料額は限りなく2000万円に近いと想定して良いでしょう。 また、無職でも年金を受給していれば、年金年額を基礎収入としてみなし、死亡逸失利益として請求することが可能です。慰謝料に+αで死亡逸失利益を請求することで、損害額の増額が見込めます。ただし、高齢者の場合は年金を生活費の大半に費やしていることが多く、生活費控除率が高く設定されがちであることも心得ておくことが必要です。

高齢者(老人)が求職中だった場合

無職でも求職中である場合は、その事実を立証することができれば弁護士基準においても慰謝料増額の兆しがあります。 今までも家族を扶養していた、事故直前までハローワークに通って積極的に仕事を探していた等といった事実が立証できれば、弁護士基準の2000万円から2500万円に近い慰謝料を請求できる可能性があります。ただし、「立証する」ことが非常に困難であることも事実です。 また、求職中でも無職の方と同じように年金を受給していれば、それを基礎収入として死亡逸失利益の請求が可能です。自ずと損害額増額が見込めるでしょう。

高齢者(老人)が仕事をしていた場合

仕事をしていた場合は、同居している家族を扶養している場合も多く、慰謝料の相場も2500万円から2800万円に近い金額が期待できます。ただし、この点も立証することが必須であり、高齢者の場合は厳しく低くみられるケースが散見されます。 死亡逸失利益については、働きながら年金を受給していれば、働いている分と年金分が別途請求可能です。死亡するまでに入院をしていれば、入院していた日を休業損害として新たに請求することもできます。

高齢者(老人)が主婦の場合、どういう計算になるのか

では、事故の被害に遭った高齢者が主婦の場合は、どのくらいの慰謝料が見込めるのでしょうか? 実際の裁判例をもとに解説していきます。

【東京地方裁判所/平成21年(ワ)第37057号 損害賠償請求事件】

事故概要:
歩行者対バイク、被害者である歩行者は事故後14日間の入院を経て死亡。
被害者:
83歳、女性。息子、その妻子と同居していた。
被害者以外は就労していたため、被害者が家事の大半を担っていた。
被害者過失:
10%
受給年金:
年額111万9798円
本人慰謝料:
2400万円
基礎収入:
平成19年賃金センサス産業計・企業規模計・学歴計・女性労働者65歳以上平均(年額274万4400円)の8割、219万5520円とする。
休業損害(主婦):
8万4211円=219万5520円÷365日×14日
逸失利益(主婦):
475万2751円=219万5520円×(1-0.5)×4.3295
平均余命半分:
5年間(ライプニッツ係数4.3295)
生活費控除率:
50%
逸失利益(年金):
397万9650円=111万9798円×(1-0.5)×7.1078
平均余命:
9年間(ライプニッツ係数7.1078)
生活費控除率:
50%
(※円未満切り捨てとします。)

この判例のポイントは、まず、被害者は83歳という高齢ながら健康であり、大半の家事をこなしていたことから家庭内の役割として主婦と同等とみなされ、本人の慰謝料が2400万円と認められたことです。また、主婦としての休業損害、逸失利益も算定できたこと、年金受給者であったため、その分も別途逸失利益に組み込めたことが挙げられます。 一方、被害者が高齢者であるということより、生活費控除率は一般女性の相場の30%より高い50%とされました。もう1点、同じ主婦でも高齢者の場合は、「基礎収入が賃金センサスの8割」とされることが多いため、若年・中年層の主婦に比べると損害総額は低くなる傾向にあるようです。

計算ツール

高齢者の死亡事故慰謝料で、相場以上の慰謝料が認められた例

ここで、相場以上の慰謝料が認められた判例をご紹介いたします。

【名古屋地方裁判所/平成27年(ワ)第4284号 損害賠償請求事件】

事故概要:
警備会社に勤務中の当時76歳の被害者が中型貨物自動車に衝突され死亡し、裁判により過失割合と損害額が争われました。
被害者:
76歳、男性
被害者過失:
15%
受給年金:
年額171万7936円
本人慰謝料:
2500万円
近親者固有:
妻300万円(婚姻期間約20年)
基礎収入:
121万7493円
死亡逸失利益(就労分):
316万2681円=121万7493円×(1-0.4)×4.3295
平均余命半分:
5年(ライプニッツ係数4.3295)
生活費控除率:
40%
死亡逸失利益(年金分):
713万4931円=171万7936円×(1-0.5)×8.3064
年金受給可能年数:
11年(ライプニッツ係数8.3064)
生活費控除率:
50%

この裁判例では、本人分の慰謝料2500万円のほか、婚姻期間が20年間あったという理由で、近親者固有の慰謝料300万円がみとめられました。また、生活費控除率は、就労分については40%、年金分については50%と区別して計算され、非常にわかりやすく参考になると思います。過失割合については、勤務内容が、工事現場等の交通整理であり、警備中の事故であったことから、加害者に重大な過失があるとされながらも、高齢の被害者の過失として15%が認めらました。

【東京地方裁判所/平成26年(ワ)第24038号】

事故概要:被害者は76歳の高齢の男性であり自転車で道路横断中に、加害者が運転する直進してきた自動車と接触し、死亡しました。本件では、過失割合と損害額が争いになりました。

被害者:
76歳、男性
被害者過失:
10%
本人慰謝料:
2200万円
近親者固有:
妻に200万円、子3人各100万円
受給年金等:
合計378万6490円
内訳:
老齢厚生・基礎年金 107万2500円
学校共済組合退職共済年金 198万5100円
東京都教職員互助会 13万3070円
東村山市シルバー人材センター配分金 50万9220円
東村山市給与賞与 5万3600円
報酬・料金等 3万3000円
死亡逸失利益(年金分):
合計1234万5600円
合計受給年金等:
378万6490円×(1-0.5)×4.3295=819万6804円(円未満切り捨て)
平均余命半分:
5年(ライプニッツ係数4.3295)
生活費控除率:
50%
老齢厚生・基礎年金・
共済年金分:
305万7600円×(1-0.6)×(7.7217-4.3295)=414万8796円(円未満切り捨て)
平均余命10年-5年:
5年(ライプニッツ係数7.7217-4.3295)
生活費控除率:
60%

この裁判例では、無職の被害者に対して本人分の慰謝料として2200万円が、近親者固有の慰謝料として合計500万円が認められました。また、受給年金が6種類あり、全合計を平均余命の半分の期間、老齢厚生・基礎年金と学校共済組合退職共済年金を残りの半分の期間に受給できるものとして、基礎収入とみとめられました。また、過失割合については、加害者側が、事故態様から被害者側の過失が20%あるものと主張しました。しかし、被害者にも道路横断時の安全確認不十分の過失があるものの加害者の過失は極めて重いこと、被害者が高齢であることが考慮され、被害者の過失は10%とみとめられました。

相場以上の慰謝料が認められた理由

一般的に、高齢者の死亡事故における被害者の過失割合は高い傾向にあります。また、年金で生活費を賄っていることから、生活費控除率も高くみられてしまうことが多いです。こういったことから、高齢者の慰謝料・逸失利益の相場は低く見積もられがちです。 ただし、相場以上の慰謝料や逸失利益を請求できた案件もたくさん存在します。確かな根拠に基づいて主張・立証することで、抜け目なく適切な慰謝料や逸失利益を算出することが可能です。その点で一役買うことができるのが、専門家である弁護士の存在といえるでしょう。

交通事故でお悩みのことがありましたら、弁護士にご相談ください

交通事故の被害に遭われた方が高齢者の場合の損害賠償について、ご理解いただけたでしょうか?「普通に生活していても高齢者に残された命は短いのだから」と、交通事故によって亡くなられたという哀しい事実を蔑ろに扱われてしまってはいたたまれません。 弁護士は被害者や残されたご遺族に寄り添い、一つ一つの事件に真摯に向き合います。今まで培った専門知識や豊富な経験を生かして、些細なことも見逃すことなく適切な損害額を導き出します。 とはいっても、弁護士に依頼することを費用面において懸念される方も多いのではないでしょうか?そのようなご不安を抱かれているようでしたら、ぜひご自身またはご家族が加入されている保険の「弁護士費用特約」の項目をチェックしてみてください。弁護士費用を保険会社が一部ないし全部負担してくれるという特約なので、利用できれば自己負担がなくなります。 交通事故に関することでご自身が悩んだり、周りの方で不安を抱えている方がいらしたら、ぜひ一度弁護士に相談することを思い起こしてみてください。

交通事故事件の経験豊富な弁護士が全面サポート

増額しなければ、成功報酬は頂きません!※諸経費20,000円(消費税別)がかかります。

弁護士費用特約を使う場合 本人原則負担なし※保険会社の条件によっては本人負担が生じることがあります。

  • 着手金
    0
  • 相談料
    0
  • 成果
    報酬制
  • 弁護士費用
    後払い

※死亡・後遺障害認定済みまたは認定が見込まれる場合

※事案によっては対応できないこともあります。

※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。

弁護士法人ALG&Associates

通話無料・24時間年中無休受付中!

0120-790-073 今すぐ電話で相談受付

メール相談受付はこちら

メール相談受付