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休業損害とは | 請求方法や注意点について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故による怪我で仕事を休まなければならない場合や、治療のために働けなくなった場合などには、「休業損害」として、給与や収入の減収分の賠償を請求することができます。 交通事故の被害に遭ったときには、休業損害の他にも、慰謝料や治療費、通院交通費などを請求することができますが、今回は、休業損害とは具体的に何なのか、どういった方法で請求するのか、請求する際にどのような点に気をつけるべきなのかなど、休業損害に焦点を当てて解説していきます。

休業損害とは

休業損害とは何か

休業損害とは、“交通事故による怪我”が原因で働けず減ってしまった収入を、「損害」として相手方から支払いを受けられることをいいます。例えば、下記のような事情が対象となります。

  • 通院するのに会社を休まなければならない
  • 怪我が重く、とても働けるような状況ではない
  • 専業主婦として行っていた家事労働ができない
  • 職探しをしていたのに中断せざるを得ない

いずれも“交通事故による怪我”が原因となること、それにより減収したこと・働けなかったことがポイントとなります。

休業損害の計算方法

休業損害は、基本的に「1日あたりの基礎収入×休業日数」の計算式で求めることができます。 ただし、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの算定基準のどれを使って計算するかによって、「1日あたりの基礎収入」の金額が異なります。

【自賠責基準】

基本的に3つの基準のなかで一番低い金額となります。

1日あたりの基礎収入=6100円
(立証できれば、1万9000円を上限として実損額で算出可能)
休業損害=6100円×休業日数
※令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準の5700円が適用されます。

【任意保険基準】

算定基準は社外秘のため、保険会社ごとに設けられています。
目安としては、自賠責保険に少し上乗せされた程度の金額と認識しておいて良いでしょう。

1日あたりの基礎収入および休業損害=非公開(ただし、ほとんどが自賠責基準と同じ程度)

【弁護士基準】

3つの基準のなかで、基本的に最も高い水準となります。

1日あたりの基礎収入=事故前3ヶ月間の給与合計額÷実際に働いた日数
休業損害=算出した1日あたりの基礎収入×休業日数
※ただし、休業日数には、休業の必要性・相当性が必要となるため、休業日数の全日を認められるとは限りません。

より詳しい計算方法については、下記のページをご覧ください。

休業損害の計算方法

休業損害の算定に必要な「基礎収入」について

休業損害を算定するうえで重要な要素となるのが、「基礎収入」です。
自賠責基準での基礎収入は、下限が6100円と定額となります。6100円を超える場合には、3ヶ月分の給与(総支給額)を90日で割って算出します(ただし、1万9000円を上限とする)。

一方、弁護士基準では、3ヶ月分の給与(総支給額)を「当該期間の実稼働日数」で割ったり、年収を「1年の稼働日数」で計算ししたりするなどの方法により算出します。(ただし、休んだ日すべてが休業と認められるかについて、別途争われる場合もあります。)

自賠責基準と弁護士基準でどのくらい違いがあるか、例を使って比較してみましょう。

【例】総支給額月20万円の会社員、20日間の休業
実稼働日 20日(A月)+19日(B月)+18日(C月)=57日のケース
【自賠責基準】
休業損害 6100円×20日=12万2000円
または、
20万円×3÷90日=6666円(基礎収入)
6666円×20日=13万3320円

【弁護士基準】
基礎収入 20万円×3ヶ月÷57日=1万526円
休業損害 1万526円×20日=21万520円

同じ条件でも、基礎収入による休業損害の金額の違いが明らかです。
給与所得者である会社員などの方は特に、この点をしっかりおさえておきましょう。
なお、自営業や主婦(主夫)、会社役員、無職・失業中といった方々の基礎収入は、また違った算出方法となりますので、こちらをご覧ください。

主婦(主夫)

自営業

アルバイト・パート

会社役員

公務員

無職・休業中

休業損害はいつもらえる?

休業損害が受け取れるまで

休業損害は、提出資料に不備がなければ、相手方保険会社が休業損害証明書を確認した後、おおよそ一週間前後で支払われます。 ただし、休業損害証明書は会社が発行するものなので、スムーズに手続を進めるためにも、あらかじめ会社にお願いしておく必要があります。 なお、月ごとに休業損害証明書を提出することで、その月ごとに受け取ることもできます。

休業損害を請求するには休業損害証明書が重要

休業損害を請求するためには、必要書類を不備なく提出しなければなりません。なかでも重要となるのが、「休業損害証明書」です。 休業損害証明書とは、事故による休業で給与が減ってしまったことを証明する書類であり、通常は、勤務している会社の担当者に、保険会社から受け取った書式を渡して作成してもらいます。遅刻・早退・欠勤のほか、有給休暇や実支給額、事故前3ヶ月間の給与額といった記入欄があります。 休業損害証明書の提出が必要となるのは、会社員やパート・アルバイトといった給与所得者で、記入自体は勤め先に依頼することとなります。ただし、勤め先が記入方法を知らない可能性もあるため、保険会社に提出する前には入念なチェックが欠かせません。不備がある際は、自身で修正・追記するのではなく、必ず勤め先にお願いしましょう。 なお、自営業者の方は、給与所得者の方とは提出書類が異なりますのでご注意ください。以下にまとめましたので、参考になさってください。

給与所得者の場合

  • 休業損害証明書
  • 源泉徴収票
  • 給与明細

自営業者の場合

  • 確定申告書
  • 納税証明書
    ※事情により用意できない場合は、保険会社と揉めやすくなりますので、弁護士にご相談ください。

先払いしてもらう方法はあるのか?

休業損害は、休業したことによる「実際の損害」に対する補償として受けることとなりますので、休業する前に、前もって支払いを受けることは基本的にできません。ただし、示談を締結する前に、休業損害を支払ってもらうことは可能です。ここでは、示談前に休業損害を支払ってもらうことを、休業損害の先払いとして解説します。 交通事故の被害者であれば、休業損害証明書の用意ができれば、休業損害を保険会社から支払いをしてもらうことが多いでしょう。 これは、いわゆる保険会社が一括対応をしている場合です。 一括対応とは、相手方の任意保険会社が、任意保険分だけではなく自賠責保険部分についても、一括して取りまとめて支払う対応のことをいいます。 ただし、「被害者にも過失割合がある」「軽微な事故」「医療費が高額」などの場合は、一括対応を拒まれ、保険会社から休業損害の先払いを受けられないおそれもあります。 このような場合には、被害者自身で自賠責保険に対し、休業損害を請求することにより、休業損害の先払いを受けることが可能です。 ただ、あくまでも自賠責保険に対して傷害部分で請求できる金額は120万円が限度となりますので、休業損害だけではなく医療費や交通費、慰謝料などを含めて、120万円までの支払いしか受けられないことには、注意が必要です。

休業損害請求の時効

休業損害を含め、交通事故の損害賠償請求をしていくうえでは、「時効」があることを想定しておかなければなりません。 休業損害の時効は、基本的には、「休業損害が発生してから5年」となります。そのため、休業した日ごとにその損害の時効が5年となります。 ただし、時効の考え方については、交通事故により損害が発生した日とする考え方もあることや、上記の考え方では、時効の管理が煩雑であり、万が一にも時効になり休業損害の請求ができなくなってしまうおそれもあるため、時効管理のためにも「交通事故の日から5年※」と考えておくのが良いでしょう。

※令和2年4月1日に行われた民法改正の結果、人身傷害の時効は3年から5年に延長されました。
改正日の時点で改正前の時効期間3年が経過していないケースでは、起算日から5年(=改正後)が適用されます。

休業損害請求の条件

休業損害は、基本的に、労働して収入を得ている人であれば請求できます。
したがって、給与所得者である会社員(サラリーマン)は当然のことながら請求可能です。
では、その他、どのような人が休業損害を請求できるのでしょうか?

主婦(主夫)

主婦(主夫)業が職業とみなされることに不思議な感覚があるかもしれませんが、事故で負った怪我により家事が行えないことは、本人にも同居する家族にも支障をきたします。 家事は立派な労働とみなされますので、家事労働ができなかったことによる損害は、休業損害の対象となります(主婦休損ともいいます)。 ただし、実際には給与が発生していないため、保険会社からは自賠責基準の基礎収入6100円で算定されることも少なくありません。 この点、弁護士基準では、厚生労働省が定める賃金センサスという指標が基礎収入として用いられます。

主婦休損の基礎収入=賃金センサスにおける全女性の平均年収÷365日
令和元年の賃金センサスによると、
主婦休損の基礎収入=388万円÷365日=1万630円
※「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2021(令和3年)版」 公益財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部より

パートをしている兼業主婦については、休業損害証明書を提出すれば、パートの休業損害部分について賠償を受けることが可能です。しかし、主婦休損の基礎収入を下回る方も多いです。 パート収入が賃金センサスを下回る場合には、主婦休損として賃金センサスをもとに休業損害を請求することが可能です。ただし、パートを休んだ分の休業損害を受け取っている場合は、二重取りはできませんので、主婦休損との差額を請求することとなります。 なお、多くの保険会社では、主婦休損を示談前に先払いしてくれることは極めて少なく、主婦休損については示談後に支払われると思っておくべきでしょう。

自営業

自営業やフリーランスの方も、減収したことを証明できれば休業損害を請求できます。 弁護士基準での基礎収入は、確定申告での所得額を用いて算出します。

自営業の基礎収入=事故前年の確定申告での所得額(収入-必要経費)÷365日
※固定経費の控除が認められる場合は、
事故前年の確定申告での所得額(収入-必要経費+固定経費等)となります。

収入を得ていたこと・それが減収してしまったことの証明・根拠となるのが、「確定申告書」や「納税証明書」といった書類です。業績が安定しない場合は、過去何年間か分の所得額を平均して算出するケースもあります。 なお、自営業の場合の休業損害証明書は、記載を依頼する先が自分となってしまうため、休業損害の根拠資料として成り立ちません。休業損害証明書の提出は不要ですので覚えておきましょう。 自営業者は、収入や休業状況について、会社といった第三者ではなく、自分で証明していかなければなりません。この点、相手方である保険会社が相当性や必要性を疑い、休業損害の対応を渋るおそれもあります。対策としては、治療の経過がわかるカルテや診断書を収集・提出したり、事業内容や収支見込みなどを証明したりする方法がありますが、判断に迷う際は弁護士に相談するのも一つの手段といえるでしょう。

アルバイト・パート

アルバイト・パートといった雇用形態の場合でも、休業損害を受け取ることが可能です。 基礎収入の導き出し方は、給与所得者の場合と同じなので、【事故前3ヶ月間の給与合計額】を実稼働日で割った金額となります。 なかには、提出が求められる源泉徴収票がない方もいらっしゃるでしょう。 この場合は、賃金台帳の写しなどで代用することができますので、勤め先に徴求しましょう。 なお、兼業主婦の方は、主婦休損で算出したほうが結果的に受け取れる金額が大きくなる可能性が高いです。保険会社から金額の提示を受けた場合には、どの基礎収入が算定要素とされているか入念にチェックすべきです。 また、学生の方は、「本業は学業」という前提があるため、当然に休業損害が認められるわけではありませんが、継続的なアルバイトによる収入があったことが認められれば、それに応じた休業損害が認められる可能性があります。 特に、すでにシフトや予定が組まれており、アルバイトをすることが決まっていた部分については、損害として認められるでしょう。ただし、過去に単発のバイトを数回行っていた場合などでは、請求は難しいといえます。

会社役員

会社役員の方でも、必要性・相当性が認められれば休業損害を請求できる可能性があります。 しかし、必要性・相当性を主張・立証していくうえで「役員報酬」がネックとなり、一筋縄ではいかないケースが多いといえます。 そもそも役員報酬には会社からの利益配当分も含まれているため、事故による怪我で業務にあたれなかったとしても減収しない可能性があります。この点、役員報酬に労務提供の対価が反映されていて、実際に減収があった場合などは、利益配当分を除く減収分が休業損害として認められることもあります。 また、小規模会社の役員の場合は自営業と同様とみなされたり、女性役員の場合は主婦休損での請求が認められたりなど、一口に会社役員といっても個別具体的な事情により、扱いが変わってくる可能性もあります。 会社社役員の休業損害は、保険会社と非常にもめやすい類型の一つだといえます。

公務員

公務員も給与所得者であるため、基本的な休業損害の考え方は、他の職業の方と変わりありません。 しかし、公務員の場合は、制度としての補償が手厚いため、相手方や相手方保険会社に請求できる休業損害の金額は少し低くなりがちです。 公務員の場合、病気休暇制度や休職制度を利用することにより、基本的に最初の90日間は満額、その後1年間は給与の8割、さらにその後1年半の間は給与の3分の2相当の支給を受けることができます。 この制度でまかなえない部分については、休業損害として相手方に請求できます。 例えば、事故後90日間の病気休暇制度を利用した場合、基本的には基本給のみが支給の対象となり付加級については支払いの対象となりません。また、休職により賞与が減少する場合もあります。また、90日を超えてからの1年は、給与の8割、その後1年半は給与の3分の2しか保証されません。これらの差額については、休業損害として請求することが可能です。

無職・休業中

無職・失業中の方でも、“特別な事情”が認められる場合には、休業損害を請求できる可能性があります。 そもそも休業損害は、就労して給与・収入を得ていた場合に認められる賠償項目です。このため、事故に遭った際に就労しておらず、就労する意思もいなかった人は、そもそも「減収」といった損害が発生しておらず、休業損害を主張しようがないといった状況となります。 しかし、“特別な事情”として、「就労の意思」「就労の能力」「就労の蓋然性」がある場合には、事故当時、働いていなくても休業損害が認められる可能性があります。

  • 就労の意思
    事故に遭うまで積極的に就職活動を行うなどして、働く意思・意欲があったかどうかで判断されます。
    ハローワークに積極的に通っていた、転職サイトを通じてエントリーしていた、面接などを受けていたなどを証明できれば、「事故に遭わなければ就職して給与を得ていたかもしれない」とみなされ、休業損害が認められることがあります。
  • 就労の能力
    重い病気や寝たきりの場合など、交通事故前に就労するだけの能力がなければ、休業損害は認められません。ただし、持病や障害があっても就労の能力があれば、この要件は認められるでしょう。
  • 就労の蓋然性
    事故がなければ就労し、収入を得ていた可能性が高いことを、就労の蓋然性といいます。
    事故前に就職先が決まっていたことや、内定を得ていた場合には、就労の蓋然性があるといえるでしょう。

休業損害の請求における注意点

給与所得者の休業損害に関しては、毎月の給与額だけではなく、賞与や残業代といったイレギュラーな項目が対象に含まれるかどうかという問題があります。 また、治療経過に応じて、職場への復帰や退職といった休業期間の範囲にかかわる問題も生じてきます。それぞれの注意点をみていきましょう。

賞与はどうなる?

「もらえるはずだった」賞与も、休業損害の対象となり得ます。
ただし、「事故に遭って休業しなければ、賞与の減額や無支給といった事態にはならなかった」ということを証明することが条件となります。 具体的には、「賞与減額証明書」の提出が証明となります。
休業損害証明書と同様に、保険会社から所定フォーマットを徴求して、勤め先に記入してもらうようにしましょう。 なお、いくら減額したか、いつからの査定分で、実際どのくらい影響があったかなど、保険会社と交渉が難航することも少なくありません。 その場合には、会社における基準や、休業により賞与が減額された根拠が明らかとなる資料などを提出していくことになるでしょう。

残業代は?

休業損害の算定にあたっては、【事故前3ヶ月間の給与合計額】を基礎収入の根拠とします。この給与合計額には通勤費や住宅手当といった「付加給」が組み込まれていて、残業代もまたこれに含まれます。 そのため、休業している場合には、事故前3ヶ月間が会社にとって閑散期であったなどの特別な事情がなければ、残業代についても一応は考慮されていることになります。 一方、会社に復職しているものの怪我で体調が全快しておらず、通院のため残業できない場合や、体調不良のため定時までしか働けないといったケースも考えられます。 この場合、基本的に残業代を休業損害として請求するのは難しいのですが、特定の条件を証明することができれば、休業損害として請求できる可能性があります。例えば以下のような条件です。

  • 就業時間外の通院である必要があった
  • (自分に限らず)事故前も残業ありきの業務形態であった
  • 残業代がなくなったことによる減収であることが明確で、金額も明らかである
  • 通院により残業することができなかった

残業代が認められている裁判例、認められなかった裁判例、いずれも存在しており、残業代が認められるとは一概にいうことはできませんが、主張・立証次第では残業代も請求できる可能性があります。

職場復帰後に入通院したら?

症状固定前に職場復帰し、その後体調不良のために入通院して仕事を休んだ場合には、休んだ分を休業損害として請求することができます。 休業損害に対する補償は症状固定のタイミングで終了します。しかし、まだ症状固定していない状態で職場復帰する場合、事故の影響により休業することもあり得るでしょう。 その際は、休業した日について勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらい、保険会社に提出することで、休業損害の支給を受けることが可能です。

退職しなくてはいけなくなったら?

交通事故の怪我により退職せざるを得なくなってしまった場合も、事故と退職との因果関係が認められれば休業損害を請求できる可能性があります。この相当因果関係を証明するために重要なのが、「退職証明書」と「診断書」です。 会社が用意する退職証明書へは、「事故の怪我により就労できない」という主旨を記載してもらうようにしましょう。この裏づけとして、就労に支障が出る症状であるという医師の診断書が必要となります。 また、そもそも退職による減収を休業損害として認めてもらうには、以下のような判断基準がありますのでご注意ください。

  • 解雇・会社都合の退職であること
    自己都合の退職扱いとならないよう、退職届の提出はしないようにするなど、注意が必要です。
  • 怪我の状態が、仕事を継続・復帰できるレベルではない
    そもそも怪我が重すぎて、労働できないといった状況です。
  • 部署異動を図っても、就労することがむずかしい
    会社側としても、簡単に解雇・会社都合の退職と扱うことはできません。部署異動や、違う業務にあたるなどの工夫を図ってもらっても、就労が困難であるといった経緯が必要となる場合があります。

有給休暇を使用した場合

有給休暇を使用した場合も、きちんと条件を満たせば休業損害として認められます。 そもそも有給休暇は、休暇中も賃金が支払われることが法律で認められている労働者の権利です。 このため、事故による怪我の通院や自宅療養のために有休を使用した場合などは、本来使わなくて良い有休を使用することになったため、休業損害として請求することができます。 一日ではなく半日取得するケースもありますが、これももちろん対象となります。 なお、通院や医師の診断による療養ではなく、自己判断で有給休暇を使用した場合は、通常の有給休暇を取得したケースと同様とみなされてしまうおそれがあります。せっかくの有給休暇を無駄に使用することになってしまいますので、症状がつらい場合は医師に相談するなどして、有休と事故による怪我との因果関係を主張できるようにしておきましょう。

休業損害の打ち切り

保険会社から休業損害などの支払い受けている場合、ある日突然休業損害が打ち切られることがあります。 この場合、慌てずに順を追って事実を確認し、まずは休業損害の延長交渉を行いましょう。 休業損害が支払われなくなるタイミングは、休業の必要性はないといった医師による診断や、症状の慢性化、事故当初とはちがう症状の悪化・継続などが見受けられたときなどで、支払いの打ち切りは保険会社が判断します。 また、客観的に症状がわかりにくい打撲やむちうちなどの場合は特に、休業損害を打ち切られやすいです。休業損害はおろか、症状固定の打診とともに治療費の打ち切りもせまってくるケースも少なくありません。 休業損害の延長交渉は、医師に対して診断書や意見書を求めたり、保険会社を相手に休業と治療との必要性・相当性を主張・立証したりしていかなくてはなりません。 交渉が難航することも珍しくありませんので、休業損害の打ち切りを打診された場合には、弁護士に相談しましょう。

労災による「休業補償」が受けられる場合も

通勤中・業務中に交通事故に遭った場合は、労災保険から補償を受けることもできます。 労災保険には、自賠責保険・任意保険から支払われる「休業損害」に代わる「休業補償」があります。

休業損害と休業補償は、性質こそ異なるものの、“休業による損害の賠償“という補償目的が同じです。 法的に、重複した賠償を受けることはできませんので、休業損害と休業補償の二重取りはできないことに注意が必要です。

もっとも、工夫次第でメリットもあります。
休業補償は基礎収入を6割としているため、残りの部分は保険会社から補償を受けることができます。 また、労災から休業補償を受ける場合には、休業補償とは別に「休業特別支給金」を受けることも可能です。 休業特別支給金として、基礎収入の2割を受け取れますが、この部分については、休業損害の二重取りとはみなされません。 つまり、労災保険から、休業補償と休業特別支給金として基礎収入の8割を受け取ることができ、相手方には4割の休業損害を請求することができるのです。 また、通勤中・業務中の事故で、被害者側の過失が大きい場合や、加害者が任意保険に入っておらず、損害額が自賠責保険上限の120万円を超えるような場合などは、労災保険の休業補償を受け取ったほうが良いケースといえます。迷いがある際は、一度弁護士に相談してみましょう。

傷病手当と休業損害との関係

「休業損害」に似た補償として、社会保険に基づく「傷病手当」があります。 これは、業務外の事情で一定期間以上休業せざるを得なくなり、その間給与が支給されないといった諸条件を満たす場合に、標準報酬月額の3分の2の金額を支給してもらうことができる制度です。 業務外で生じた交通事故の場合にも「傷病手当」を受け取ることができますが、休業により給与が支給されないことへの補償となる点が「休業損害」と共通することから、それぞれから満額を受け取ることはできません。 例えば、「傷病手当」を先行して受け取っていた場合、その支給額はだいたい被害者の平均給与額の3分の2程度にとどまるため、足りない分を「休業損害」として相手方の保険会社などに請求することになるでしょう。

休業損害に税金はかかる?

国税庁※によると、交通事故による損害賠償金は、基本的に税金はかからないとされています。 そのため、休業損害も基本的に課税対象とはなりません。 しかし、給与とみなされてもおかしくないような過度な見舞金を受け取った場合などは、所得税を支払う必要が生じてきますので注意が必要です。

※国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1700.htm

後遺障害等級が認定されなくても高額な休業損害が受け取れた事例

ここで、高額な休業損害が認められた弊所の解決事例をご紹介します。

追突事故で、頚椎捻挫や胸部打撲などを受傷した依頼者は、治療費打ち切りの打診を受けたタイミングで弊所にご依頼くださいました。 事故当初より整形外科への通院が少なく、整骨院への通院がメインとなっていたため、後遺障害等級認定は非該当と判断されてしまいました。 等級認定は非該当となりましたが、事故態様や依頼者の病状など、休業損害について十分請求が可能と考え、弊所担当弁護士は休業損害に焦点を当てて交渉を行いました。 相手方保険会社による休業損害に関する初回の回答は低額でしたが、その後も交渉を重ね、後遺障害等級認定が非該当となるなか、約340万円という高額の休業損害について満額回収することができました。

休業損害に関するQ&A

仕事を休んだのに休業損害がもらえないことがあると聞いたのですが…

給与所得者であれば、「休業したこと」、「休業によって減収したこと」の証明が簡単なため、もらえないということは基本的にないでしょう。 一方、自営業者の場合、確定申告をしていないなど、減収したことの立証が難しいようなときにはもらえないおそれがあります。 また、アルバイトを始めたばかりであるなど、減収の根拠を示す証拠が少ないようなときにも、休業損害が認められにくいことがあります。

早退した場合でも休業損害を請求できますか?

早退により給与が減ってしまったのであれば、休業損害を請求できます。算出方法としては、早退したあとの時間に応じて計算する、半日休んだものとみなす、などがあります。 事故の怪我による通院のために早退するケースは珍しくありません。 減収分を的確に請求していくためにも、どれだけ早退し、給与が何時間分減額されているかについて休業損害証明書に明記してもらうことは非常に重要となります。

休業損害について不安なことがあれば弁護士にご相談ください

休業損害は、被害者にとって生活にかかわる損害であるため、なるべく早く支払ってもらいたいと焦ってしまいがちです。 しかし、保険会社と一度でも合意した内容を覆すのは大変ですから、提案された内容に軽はずみに同意することなく、冷静に吟味して交渉する必要があります。 休業損害についてお悩みでしたら、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、保険会社に対して適切な休業損害の計算方法を提案し直してもらったり、代理人として保険会社との交渉を行ってもらったりなど、問題解決に向けたサポートを受けることができます。 弁護士法人ALGには、休業損害が問題となった事例を含め、交通事故事件に精通した弁護士が多く集まっています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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