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交通事故による頭蓋骨骨折の慰謝料相場は?後遺障害も詳しく解説

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

頭蓋骨は、人体で最も重要といえる脳を守っている骨であり、損傷すると重篤な後遺症が残ってしまうおそれがあります。 交通事故で頭蓋骨を骨折した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。また、慰謝料や賠償金はどのくらい受け取れるのか、具体的な金額を知りたい方もいるはずです。 この記事では、頭蓋骨骨折によって起きる症状や、受け取れる慰謝料などについて解説します。

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交通事故による頭蓋骨骨折でもらえる慰謝料はいくら?

交通事故で頭蓋骨を骨折した場合の慰謝料相場は、数百万円から1000万円以上になるケースもあります。ただし、金額は一律ではなく、後遺障害等級や症状の重さによって大きく変わります。 例えば、骨折のみで後遺症が残らない場合は比較的低額ですが、高次脳機能障害や麻痺など重度の後遺障害が認定されると、慰謝料は数千万円規模になるでしょう。

【算定基準に注意する】
慰謝料の算定には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準があり、どの基準を使うかで金額が大きく異なります。特に弁護士基準は裁判所の判断に基づくため、適切に請求すれば大幅な増額が期待できます。

交通事故の慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。

交通事故による頭蓋骨骨折の種類

頭蓋骨骨折には、大きく分けて頭蓋円蓋部(とうがいえんがいぶ)骨折と、頭蓋底(とうがいてい)骨折があります。 頭蓋円蓋部は、前頭骨・側頭骨・頭頂骨、後頭骨などから成り立っており、それを支える土台となるのが頭蓋底です。

頭蓋円蓋部骨折

頭蓋円蓋部の骨折は、線状骨折(頭蓋骨に、まっすぐ伸びた骨折線が入った状態)と、陥没骨折(頭蓋骨が内側にへこんだ状態)に分類されます。

種類 概要
線状骨折 頭蓋骨が長い線状に折れている骨折
頭部の痛みや出血、皮膚の損傷、骨折部位の腫れなどの症状がみられる
陥没骨折 頭蓋骨が内側にへこんだ骨折
疼痛や腫れ、頭痛、嘔吐、ショック状態、意識障害などの症状がみられる

頭蓋底骨折

頭蓋底とは、頭蓋骨の底の部分で、さまざまな形・厚みの骨や脳を支える、土台のような骨です。頭蓋底の周囲には、五感等を司る重要な神経などがあります。 頭蓋底骨折は、交通事故などで外部から強い衝撃を受けた際に発生し、神経や脳にも損傷が及ぶ危険性があります。 症状としては、激しい頭痛や、血液とともに頭の中にある脳脊髄液の漏出がみられる場合もあります。治療は保存療法が基本ですが、回復がみられないときは手術を検討します。 目安として、鼻からの血液と混ざった脳脊髄液の漏出が、1週間から3週間程度続く場合、手術が行われる可能性があります。 頭蓋底骨折は、骨折した部分によって以下の3つに分けられます。

種類 概要
前頭蓋底骨折 脳の前頭葉部分に位置する箇所の骨折
視野のかすみ、視力低下などの症状がみられる
中頭蓋底骨折 脳の側頭葉部分に位置する箇所の骨折
顔面神経麻痺、耳鳴り、聴力低下、ものが二重にみえる、目線が合わないといった症状がみられる
後頭蓋底骨折 脳の後頭葉や小脳部分に位置する箇所の骨折
自律神経や飲み込みの問題、動悸やめまいといった症状がでることがある

頭蓋骨骨折による後遺障害と慰謝料相場

交通事故で頭蓋骨を骨折すると、脳や神経にも損傷が及び、後遺障害が残る可能性があります。 後遺障害が認定されると、等級に応じた慰謝料を請求できますが、認定には医師の診断書や画像検査など、客観的な証拠が不可欠です。認定が難しいケースでは、適切な資料を揃えられないと等級が下がり、慰謝料額も大きく減額される場合があります。 後遺障害慰謝料は算定基準によって相場が異なり、弁護士基準が最も高額になります。認定の正確さと証拠の充実度が、最終的な賠償額を左右する重要なポイントです。 交通事故の後遺障害については、以下の記事で詳しく解説しています。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、脳外傷に起因する認知障害、行動障害、人格変化といった症状がみられる後遺障害です。 認定され得る後遺障害等級は、症状が重い順に1級1号、2級1号、3級3号、5級2号、7級4号、9級10号です。 高次脳機能障害の症状については、以下の記事で詳しく解説しています。

後遺障害等級 内容 後遺障害慰謝料
(自賠責基準)
後遺障害慰謝料
(弁護士基準)
1級1号(別表1) 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 1650万円 2800万円
2級1号(別表1) 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 1203万円 2370万円
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 861万円 1990万円
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 618万円 1400万円
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 419万円 1000万円
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 249万円 690万円

麻痺

麻痺とは、四肢の運動機能や精神作用・知覚機能が失われるなどの症状がみられる後遺障害です。 四肢の麻痺の「程度」と「範囲」によって、認定される等級が決まります。症状が重い順に、1級1号、2級1号、3級3号、5級2号、7級4号、9級10号、12級13号です。

後遺障害等級 内容 後遺障害慰謝料
(自賠責基準)
後遺障害慰謝料
(弁護士基準)
1級1号(別表1) 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 1650万円 2800万円
2級1号(別表1) 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 1203万円 2370万円
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 861万円 1990万円
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 618万円 1400万円
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 419万円 1000万円
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 249万円 690万円
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 94万円 290万円

交通事故による麻痺については、以下の記事で詳しく解説しています。

視覚・嗅覚・聴覚等の傷害

頭蓋骨は、顔の構成を支え、脳を保護する重要な骨です。なかでも頭蓋底は脳を支える中心部であり、顔面や頭部の最深部位にあたります。 頭蓋底を骨折すると、視覚・嗅覚・聴覚などを司る神経が損傷し、後遺症が残るケースも多いです。認定され得る後遺障害等級は、損傷した部位や後遺症の程度によって異なります。 詳しくは、以下の各記事をご覧ください。

醜状障害

醜状障害とは、頭部の骨折によって皮膚や骨が大きく損傷し、顔や頭部に目立つ変化が残る後遺障害です。見た目の変化は社会生活や心理面に深刻な影響を与えるため、後遺障害として認定される可能性があります。 認定され得る後遺障害等級は、症状が重い順に7級12号、9級16号、12級14号です。

後遺障害等級 内容 後遺障害慰謝料
(自賠責基準)
後遺障害慰謝料
(弁護士基準)
第7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの 419万円 1000万円
第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの 249万円 690万円
第12級14号 外貌に醜状を残すもの 94万円 290万円

外貌醜状の認定ポイントなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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頭蓋骨骨折の慰謝料請求で弁護士に相談するメリット

頭蓋骨骨折による慰謝料請求は、弁護士のサポートによって次のようなメリットがあります。

  • 後遺障害等級認定申請のサポート
    頭蓋骨骨折による後遺障害等級認定には、専門的な知識が必要です。弁護士は診断書や検査結果を精査し、適切な等級認定を目指します。
  • 適切な賠償額の獲得に向けたアドバイス
    適切な賠償金を受け取るため、通院頻度や申請手続きに必要な検査などのアドバイスを行います。
  • 弁護士基準での慰謝料請求
    弁護士であれば、弁護士基準に基づいた適正な慰謝料を請求できます。
  • 保険会社との交渉を任せられる
    弁護士に交渉を任せれば、有利な条件で、かつスムーズに交渉が進む可能性が高まります。

交通事故で弁護士に依頼するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

頭蓋骨骨折など重度の頭部外傷で後遺障害等級認定、賠償金1126万円を獲得した事例

<事案の概要>

依頼者は自転車で横断歩道を横断中、信号無視で進行してきた相手方車両と衝突し、頭蓋骨骨折などの傷病を負いました。 退院後も複視や嗅覚の障害が残り、相手方保険会社との対応を任せたいと弁護士法人ALGに依頼されました。

<担当弁護士の活動>

担当弁護士は、残った後遺症について、後遺障害等級認定申請に必要な検査を受けてもらうようアドバイスを行いました。検査結果を踏まえて申請を行った結果、後遺障害等級併合11級が認定されました。

<結果>

示談交渉では、相手方保険会社は「任意保険基準」の金額を主張してきましたが、依頼者の負った傷病が重いことや、受傷時には意識障害があったことなどを踏まえ、弁護士基準で算出すべきだと主張しました。 交渉の結果、約1126万円と高額な賠償金で示談が成立しました。

頭蓋骨骨折の慰謝料に関するよくある質問

交通事故で頭蓋骨を骨折してしまったら、慰謝料以外にどこまで請求できますか?

交通事故で頭蓋骨を骨折した場合、慰謝料以外にも「治療関係費」「休業損害」「逸失利益」などを請求できる可能性があります。

  • 治療関係費
    入院や手術、検査、投薬など治療にかかった実費の補償です。
  • 休業損害
    怪我によって仕事ができなかった期間の収入減を補うものです。給与所得者だけでなく、自営業者や主婦も対象になります。
  • 逸失利益
    後遺障害によって将来の収入が減少する分を補償するものです。特に、頭蓋骨骨折を負って高次脳機能障害や麻痺など重度の後遺障害が残る場合、数千万円規模になる場合もあります。

治療費や休業損害、逸失利益について、詳しくは以下の各記事をご覧ください。

子供が事故で頭蓋骨骨折を負い、後遺症が残りました。大人の慰謝料相場と違いはありますか?

子供が交通事故で頭蓋骨骨折を負い、後遺障害が残った場合でも、慰謝料の基本的な相場は大人と変わりません。慰謝料は年齢ではなく、後遺障害の程度や等級によって決まります。 ただし、逸失利益の計算方法は異なるため注意が必要です。大人の場合は現在の収入を基準にしますが、子供は将来の労働能力を推定して算定するため、職業や収入の見込みが考慮されます。 子供に重度の後遺障害が残り、介護が必要になった場合は、本人の慰謝料に加えて介護を担う親族の慰謝料が認められるケースもあります。 子供の事故は将来への影響が大きいため、適切な損害賠償金を受け取るためにも、専門的な対応が不可欠でしょう。 子供が交通事故に遭った場合の慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。

頭蓋骨骨折の慰謝料請求で不安なことがあれば弁護士に相談してみましょう

交通事故による頭蓋骨骨折は、脳損傷や頭蓋骨付近の神経損傷の危険もあるため、部位によっては深刻な後遺障害が残るおそれがあります。 突然の事故に遭われた方やご家族は、大きな不安を抱えてしまうでしょう。 事故や傷病の不安を軽減するための有効な手段の1つが、弁護士への相談です。交通事故に詳しい弁護士に任せれば、複雑な問題も法的根拠に基づいて解決できる可能性が高まります。 私たち弁護士法人ALGは、被害者やご家族の代理人として、さまざまな手法を駆使して的確に対応いたします。少しでも不安や疑問がある方は、弁護士への相談をぜひご検討ください。

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