むちうちの慰謝料相場と計算方法

交通事故に遭い、医師から「頚椎捻挫」「頚部挫傷」「外傷性頚部症候群」「バレリュー症候群」等と診断された場合には、いわゆる【むちうち】に分類される怪我を負ったということになります。 むちうちは、交通事故で負う怪我の中でも特に多いといわれている傷病です。その一方で、適切な賠償を受けることが難しい傷病の一つともいわれています。 ここでは、むちうちを受傷した被害者の方が泣き寝入りしないよう、適切な賠償を受けるためのコツを紹介していきます。慰謝料の相場や計算方法等を、順番に確認していきましょう。
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むちうちの慰謝料相場
むちうちで請求し得る慰謝料は、2種類あります。 1つ目は、むちうちの治療に係る身体的・精神的苦痛に対して支払われる入通院慰謝料、2つ目は、むちうちの症状が完治せず、後遺障害として残ってしまった場合に支払われる後遺障害慰謝料です。 以下の表で、それぞれの慰謝料相場をみてみましょう。
むちうちで通院した場合の入通院慰謝料相場通院のみの治療 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1ヶ月 | 8万6000円 | 28万円/19万円 |
2ヶ月 | 17万2000円 | 52万円/36万円 |
3ヶ月 | 25万8000円 | 73万円/53万円 |
4ヶ月 | 34万4000円 | 90万円/67万円 |
5ヶ月 | 43万円 | 105万円/79万円 |
6ヶ月 | 51万6000円 | 116万円/89万円 |
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
12級13号 | 94万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
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むちうちの入通院慰謝料計算方法
ここで、他覚所見のないむちうちを受傷した場合を想定した、入通院慰謝料の計算方法をみていきましょう。自賠責基準と弁護士基準に分けて解説します。 【入院なし・通院期間120日(4ヶ月)・実通院日数40日】の場合
自賠責基準入通院慰謝料=34万4000円
自賠責基準は、『日額4300円※×対象とする日数』で算出します。対象とする日数は、(ア)「(入院+通院の日数)×2」か(イ)「入院+通院の期間」のいずれか少ない方とします。 本事例では、(ア)「40日×2=80日」<(イ)「120日」であるため、『4300円×80日』で求めることができます。 なお、入通院慰謝料を含む傷害部分の損害賠償金の上限額は120万円と決まっているため、治療費や休業損害がかさんでいれば、算定額より減額することもあります。
※令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準の日額4200円が適用されます。
弁護士基準入通院慰謝料=67万円
弁護士基準は、入通院期間をベースに算出します。具体的には、通称「赤い本※」といわれている書籍の、入通院慰謝料算定表を参照します。入通院慰謝料算定表には別表Ⅰと別表Ⅱがあり、怪我の程度によって使い分けますが、本事例のように他覚所見のないむちうちの場合は、別表Ⅱを使用します。下表のように、入院期間(縦軸)と通院期間(横軸)が重なったところの値が相場となります。 ただし、むちうちの治療は、通院期間に対して通院頻度が少ないケースもあります。そのようなケースでは、実通院日数の3倍程度をベースに算出することもあります。
※公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」
むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】
むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】 | ||||||||||||||||
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入院 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 13月 | 14月 | 15月 | |
通院 | A’B’ | 35 | 66 | 92 | 116 | 135 | 152 | 165 | 176 | 186 | 195 | 204 | 211 | 218 | 223 | 228 |
1月 | 19 | 52 | 83 | 106 | 128 | 145 | 160 | 171 | 182 | 190 | 199 | 206 | 212 | 219 | 224 | 229 |
2月 | 36 | 69 | 97 | 118 | 138 | 153 | 166 | 177 | 186 | 194 | 201 | 207 | 213 | 220 | 225 | 230 |
3月 | 53 | 83 | 109 | 128 | 146 | 159 | 172 | 181 | 190 | 196 | 202 | 208 | 214 | 221 | 226 | 231 |
4月 | 67 | 95 | 119 | 136 | 152 | 165 | 176 | 185 | 192 | 197 | 203 | 209 | 215 | 222 | 227 | 232 |
5月 | 79 | 105 | 127 | 142 | 158 | 169 | 180 | 187 | 193 | 198 | 204 | 210 | 216 | 223 | 228 | 233 |
6月 | 89 | 113 | 133 | 148 | 162 | 173 | 182 | 188 | 194 | 199 | 205 | 211 | 217 | 224 | 229 | |
7月 | 97 | 119 | 139 | 152 | 166 | 175 | 183 | 189 | 195 | 200 | 206 | 212 | 218 | 225 | ||
8月 | 103 | 125 | 143 | 156 | 168 | 176 | 184 | 190 | 196 | 201 | 207 | 213 | 219 | |||
9月 | 109 | 129 | 147 | 158 | 169 | 177 | 185 | 191 | 197 | 202 | 208 | 214 | ||||
10月 | 113 | 133 | 149 | 159 | 170 | 178 | 186 | 192 | 198 | 203 | 209 | |||||
11月 | 117 | 135 | 150 | 160 | 171 | 179 | 187 | 193 | 199 | 204 | ||||||
12月 | 119 | 136 | 151 | 161 | 172 | 180 | 188 | 194 | 200 | |||||||
13月 | 120 | 137 | 152 | 162 | 173 | 181 | 189 | 195 | ||||||||
14月 | 121 | 138 | 153 | 163 | 174 | 182 | 190 | |||||||||
15月 | 122 | 139 | 154 | 164 | 175 | 183 |
適正な入通院慰謝料には適切な通院が重要
むちうちによる痛みやしびれ等の症状は、後遺症として残ってしまうおそれもあります。完治するのが一番良いですが、後遺障害等級認定の手続を行うことも考慮して、月10日以上の通院を、6ヶ月以上継続することが望ましいでしょう。 以下のページでは、6ヶ月間通院した場合の慰謝料について紹介しています。ぜひご覧ください。
なお、通院頻度を上げれば必ず入通院慰謝料が増額するというわけではないため注意が必要です。過剰診療とみなされれば、必要性のない通院期間は、入通院慰謝料算定の対象になりません。 医師の指示のもと、必要かつ相当な期間、通院治療を続けることで、その期間に応じた適正な入通院慰謝料を獲得することができます。
また、むちうちを受傷した場合、整骨院に通院する方も多いですが、まずは、医師が在籍する病院を受診するようにしましょう。 整骨院のみの通院であったり、医師に相談なく整骨院を併用していたりするケースでは、保険会社によっては、整骨院の費用や整骨院に通っていた期間の入通院慰謝料が支払われないおそれがあります。
整骨院に通院した場合の慰謝料算定への影響について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
交通事故によるむちうちの後遺障害慰謝料の算定
続いて、むちうちの場合の後遺障害慰謝料についてみていきましょう。 後遺障害慰謝料は、1級~14級までの後遺障害等級に応じて、算定基準ごとに相場が決まっています。そのため、入通院慰謝料のように複雑な計算をせずとも算定することができます。 ただし、後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害等級の認定を受けることが必須となります。つまり、症状固定と診断され、痛みやしびれ等の症状が残っていても、後遺障害等級を獲得できなければ後遺障害慰謝料を請求することはできません。
むちうちで認定され得る後遺障害等級には12級13号と14級9号があり、後遺障害慰謝料は弁護士基準で12級13号の場合に290万円、14級9号の場合に110万円となります。 このように、一口にむちうちといえども、症状の程度に応じた十分な補償を受けるためには、適切な後遺障害等級の認定を受けることが大切になることがおわかりいただけるかと思います。
むちうちの後遺障害等級と認定に必要なポイント
では、むちうちで認定され得る後遺障害等級12級13号・14級9号について具体的にみていきましょう。 それぞれの症状は、以下の表のように定義づけられています。後遺障害慰謝料を請求するには、このどちらかに認定されなければなりません。
症状 | |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
むちうちで12級13号を獲得するためには、他覚所見があることが要件となります。具体的には、レントゲン・CT・MRI等の画像診断の結果に異常が見られ、残存する症状について医学的に証明できる状態であることを指します。 しかしながら、むちうちは他覚所見がないことが多いため、後遺障害等級認定の結果、非該当とされてしまうことも少なくありません。残存する症状について医学的に証明できなくても、説明ができる状態であると判断されれば14級9号に認定される可能性はありますが、これには適正な頻度での通院や自覚症状の一貫性、神経学的検査の結果等が大きく影響してきます。 日ごろから適切な通院を心掛けること、自覚症状を医師に逐一伝えることが、適切な後遺障害等級獲得のポイントとなります。 むちうちの後遺障害等級認定におけるポイントは、以下のページでも紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
弁護士の交渉によりむちうちの慰謝料などを大幅に増額できた事例
ここで、むちうちの慰謝料に関する弊所の解決事例を紹介します。 本件は、後続の相手方車両に追突された依頼者がむちうち(頚椎捻挫)等を患い、一定期間の通院治療を続けたものの、頚部痛等の症状が残存したため、後遺障害等級認定の結果、併合第14級の認定を受けていたものでした。依頼者は、相手方保険会社から提示された賠償案の適否について、弊所にご相談くださいました。 弊所の弁護士が賠償案を精査したところ、特に後遺障害部分の提示額が非常に少ないことがわかりました。そこで、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益のほか、入通院慰謝料も含め、全ての費目を弁護士基準で算出し、相手方に提示して交渉したところ、当初の提示額から約145万円増額する内容で示談を成立させることができました。
交通事故によるむちうちの慰謝料請求は弁護士にお任せください
むちうちは症状が目に見えないことが多く、痛みや苦しみを周りの人にわかってもらえない、もどかしい傷病の一つです。しかし、交通事故でむちうちを受傷した被害者には、加害者へ損害賠償請求を行う権利があり、症状が目に見えにくく、伝わりにくいからといって、泣き寝入りするのは間違っています。
そこで、適切な損害賠償を受けるためにも、ぜひ弁護士ALGにご相談ください。交通事故案件に加えて、医学的知見に富んだ弁護士は、適切な賠償額を見出すための研鑽を積んでいます。むちうちの慰謝料相場はどの程度か、どのようなことが増額事由・減額事由となるのかを把握したうえで、ご依頼者様の状況に応じた適切なサポートを提供することが可能です。 弁護士法人ALGの弁護士が、ご相談をお待ちしております。
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