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リハビリ費用を慰謝料請求する際の注意点とは

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治
弁護士法人ALG&Associates執行役員
愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士91名、スタッフ159名を擁し(2019年1月末現在)、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、福岡の10拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

リハビリの分の慰謝料は請求できる?

リハビリの分の慰謝料も請求することができます。 リハビリは、事故により生じた身体の不自由を改善するために行われるものです。つまり、リハビリによって症状の改善が期待できますから、リハビリ中は症状固定(治療してもしなくてもそれ以上良くも悪くもならないこと)しておらず治療中であると扱われます。 そのため、リハビリのための通院は治療のための通院とみなされ、通院に伴う精神的苦痛に対する慰謝料として、通院慰謝料を支払ってもらうことができます。

注意!症状固定後のリハビリ分は慰謝料請求できない

ご説明した通り、症状固定するまでは、リハビリ中も治療中であるとみなされるため、通院慰謝料を受け取ることができます。 しかし、保険会社側は自社の支払いをなるべく少なくするために、症状固定による治療費・通院慰謝料の打ち切りを提案してきます。 症状固定すると、それ以上リハビリ費を含む治療費や通院慰謝料をもらうことはできません。症状固定は医師の判断によるところが大きいですから、安易に症状固定の提案に同意せず、自分にリハビリが必要かどうかよく医師と相談することが大切です。 また、保険会社からの症状固定の提案に安易に同意すると、後遺障害等級にも問題が出てくる可能性があります。後遺障害慰謝料は、後遺障害等級を認定されなければ受け取ることができませんが、安易に症状固定に同意すると、等級認定を行う自賠責保険会社が正確な症状を把握できず、適正な等級が認定されない可能性があります。適正な補償を受けるためにも、医師とよく話し合って症状固定しましょう。

治療のための通院慰謝料とリハビリの通院慰謝料に違いはあるか

治療のための通院慰謝料とリハビリのための通院慰謝料には違いはありません。 症状固定まで、リハビリのための通院も治療中の通院とみなされますから、治療のための通院もリハビリのための通院も同じように扱われます。したがって、通院に対する慰謝料も同じように計算されるため、慰謝料に違いは生まれません。ただし、必要以上にリハビリに通いすぎて、過剰診療と判断されないように注意しましょう。

リハビリの慰謝料額はどう決まる?

治療の一環としてリハビリをするのですから、リハビリを継続していた場合にも慰謝料は入通院慰謝料として支払われます。そのため、慰謝料の額は入通院慰謝料と同様に計算されます。 では、どのように計算するのでしょうか。

慰謝料の計算には3種類の基準があります。

慰謝料の計算には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類の基準が使われます。 それぞれの詳しい説明や計算方法については、下記のリンク先をご覧ください。 交通事故の慰謝料はひとつじゃない!計算方法から相場まで解説します

通院期間と通院頻度

入通院慰謝料は、入通院に伴う精神的苦痛に対する慰謝料という曖昧なものですから、その計算をする上では、客観的に証明できるものを使う必要があります。それが、通院期間と実通院日数(実際に通院した日数)です。 しかし、通院期間が長いにもかかわらず、通院頻度があまりに低いと、怪我による精神的負担が少ないとみなされ、慰謝料を減額されてしまうことがあります。入通院慰謝料額の計算上も、「実通院日数の3.5倍(または3倍)」が「通院期間の目安」とされてしまう等、不利益な扱いを受けてしまいます。

リハビリの慰謝料を増額する方法

交通事故では、残念なことに漫然と通院・リハビリしていては、適切な慰謝料を獲得することはできません。不必要な通院はお勧めしませんが、忙しい・面倒くさい等の理由で通院・リハビリしていなければ、その程度の精神的苦痛しかなかったと、慰謝料の計算上ではみなされてしまいます。 慰謝料を増額するには、①通院頻度を多くして適切な頻度で通う、②弁護士基準で計算してもらうことの2点が重要です。

通院頻度を多くして適切な頻度で通う

入通院慰謝料の算定基準となるのは通院期間・実通院日数であることは説明しました。具体的に重要なのは、通院期間と通院頻度です。 なぜなら、通院した期間が長くても、通院した回数があまりにも少ない場合、治療の必要がないのではないかと疑われてしまうからです。 そして、入通院慰謝料の計算方法をみると、通院期間の計算方法として、「通院が長期にわたる場合」は3.5倍程度を通院期間の目安とする(むちうち症の場合は、実通院日数の3倍程度を通院期間の目安とする)ものとされています。そのため、通院頻度の目安としては、月に10日程度の通院が必要であると考えられます。

弁護士基準で計算してもらう

慰謝料の3つの算定基準の内、慰謝料額が最も高額になる基準は弁護士基準です。そのため、適切な慰謝料を獲得し、慰謝料の増額を目指すのであれば、弁護士基準で計算し、交渉する必要があります。 しかし、被害者ご本人だけで弁護士基準での交渉を進めるのは困難です。 なぜなら、相手である保険会社は、交通事故の被害者との交渉のプロだからです。交通事故の交渉のプロである保険会社と自力で交渉しても、自賠責保険基準や任意保険基準といった、適正な補償額とはいえない慰謝料の額で示談することになりかねません。 また、弁護士基準で慰謝料を請求するには膨大な知識を必要としますし、揃えなければいけない資料や証拠も多く、被害者ご本人だけですべての準備をするのは難しいでしょう。 そこで、弁護士基準で交渉したい場合には、交渉のプロであり、交通事故の知識も豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。

リハビリの内容に注意しないと減額されることも…

ここで注意しなければいけないのは、リハビリの内容です。「漫然治療」では、治療のための通院と認められないことがあります。 「漫然治療」とは、症状の改善を目指した真摯な治療とはいえない治療のことをいいます。 具体的には次のようなことを指します。

  • マッサージばかりのリハビリ…マッサージはある程度症状が落ち着いてから効果のあるリハビリ方法ですので、「マッサージができるのならもう治療は必要ないだろう」と判断されてしまう可能性があります。
  • 湿布薬やビタミン系の薬をもらい続ける…湿布薬やビタミン系の薬は、怪我の治療には直接関係ありませんので、不必要な治療だと判断されてしまうことがあります。
  • ネックカラーをずっと装着したまま…ネックカラーは治療初期には有効なものの、長くつけ続けると、逆に首に負荷をかけてしまうという危険性があります。

上記のような治療を続けているようでしたら、治療のための通院と認められない可能性が出てきますので、十分注意してください。

まとめ

リハビリの適正な慰謝料をもらうために大切なことは、通院期間と通院頻度であることはご理解いただけたでしょうか。 そして、弁護士基準で交渉することも重要であることもご説明しました。 弁護士に依頼すると、高額な費用を請求されるのではないかという不安があるかもしれませんが、弁護士費用特約に加入していれば、ご自身のご負担はありません。 十分な慰謝料を受け取るためにも、まずは一度弁護士にご相談ください。

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