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RSD、CRPSによる疼痛の種類と後遺障害等級

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故によって負った怪我が治ったにもかかわらず、激しい痛みが残ってしまった場合、その後の生活に支障がないかご不安に思われる方も多いはずです。 そこで本記事では、一般的には疼痛と称される、疼痛性感覚異常(CRPS)について、また、傷病が残った状況で認められ得る後遺障害の内容および等級の大きさ等について解説していきます。

交通事故後に疼痛が続く時は

疼痛とは、痛みのことを指す医学用語です。交通事故後、疼痛が続く場合は「疼痛性感覚異常(CRPS)」が疑われます。 疼痛性感覚異常(CRPS)とは、交通事故等によって負った怪我の治療が完了したにもかかわらず、慢性的な腫れや痛み、しびれが引かないという感覚の異常のことをいいます。診断や治療は医師でも難しく、見過ごされてしまうことも多い疾患です。 診断されたら、まずは専門外来やペインクリニックで適切な治療を受け、後遺障害等級認定を申請する準備をしましょう。

治療方法

疼痛性感覚異常(CRPS)の治療としては、次のようなものが行われます。

―理学療法―
①物理療法
患部への温熱刺激、温冷交代浴、低出力レーザー照射等

②運動療法
多動関節可動域訓練、筋力強化訓練等
―薬物療法―
抗炎症薬、ノイロトロピン、抗うつ薬、抗けいれん薬、ビスホスホネート製剤、オピオイド系鎮痛薬、ケタミン等の投与
―神経ブロック法―
局所静脈内ステロイド薬注入、交感神経ブロック、その他の神経ブロック、ボツリヌス毒素注入療法、硬膜外脊髄電気刺激法、大脳皮質運動野電気刺激法、くも膜下バクロフェン投与等

交通事故による疼痛の種類

疼痛性感覚異常(CRPS)とは、交通事故による怪我の治療完了後も、慢性的な腫れや痛み、しびれが消えない症状のことをいいます。CRPSの主な症状は、疼痛、腫脹(炎症等により体の組織の一部分が腫れること)、関節拘縮、皮膚変化ですが、ほかに末梢循環不全、発汗異常、骨委縮、筋委縮等が生じることもあります。 CRPSの判定は、次の3つの症状が、健康な側と比べて明らかである場合になされます。症状は、X線、骨シンチグラフィー、MRI、サーモグラフィー、筋電図等によって明確に認められる必要があります。

  • ①関節拘縮(関節の可動域が制限され、屈曲や伸展が困難になること)
  • ②骨の委縮(骨吸収による、骨量が減ること)
  • ③皮膚の変化(皮膚色の変化、皮膚温の低下、乾燥等)
なお、発症部位は手足がほとんどであり、体幹や顔面の発症はまれです。また、CRPSは、神経の損傷を伴わないCRPS typeⅠ(RSD(反射性交感神経性ジストロフィー))と、神経損傷を伴うCRPS typeⅡ(カウザルギー)に分類されます。

RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)

RSDとは、2種類に分類されるCRPSのうちtypeⅠにあたり、反射性交感神経性ジストロフィーと呼ばれます。もう1つのtypeⅡカウザルギーと異なる点は、明らかな神経の損傷が認められない点です。 RSDは、交感神経の異常な反射の増進を原因として、疼痛、腫脹、関節拘縮、皮膚の変色等が生じます。痛みが生じる原因は、外傷による出血を抑えるため、交感神経の作用により血管が収縮し、その後、通常は傷の修復に伴い収縮した血管も元に戻るはずが、交感神経の異常のため血管収縮が元に戻らず、末梢の血流が阻害されることです。 痛みのために四肢の動きが制限され、また、末梢の細胞へ栄養が行きわたらないため、骨が委縮し組織がやせ細り、さらに痛みが発生するといった悪循環を起こすと考えられています。 RSD(typeⅠ)とカウザルギー(typeⅡ)では痛みの感覚が異なり、RSDでは疼くような激しい疼痛が特徴です。

カウザルギー

カウザルギーとは、明らかな神経の損傷が認められる場合のCRPSの種類です。 坐骨神経、脛骨神経、腕神経叢、正中神経、尺骨神経等、四肢の大きな末梢神経の部分損傷により、疼痛、手足等の灼熱感、アロディニア(通常では痛みを感じないような微小な刺激で痛みを感じる異常)、痛覚過敏等が生じる病態です。 痛みが生じる原因は、損傷部位の交感神経線維と知覚神経線維のあいだにシナプス(情報伝達に関わる部位)が形成され、血管運動神経と知覚神経が相互作用を持ってしまうことです。typeⅡカウザルギーでは、疼くような疼痛に加え、灼熱感がみられることが特徴です。

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疼痛性感覚異常(CRPS)で認定される可能性のある後遺障害等級と慰謝料

疼痛性感覚異常(CRPS)の特徴は、外傷に見合わない激しい疼痛です。そのため、疼痛に関する後遺障害等級である、神経障害としての後遺障害等級が認定される可能性があります。具体的には、後遺障害等級7級4号、9級10号、12級13号、14級9号です。 疼痛の症状に対する各後遺障害等級の目安は、厚生労働省が平成15年8月8日付で発表した「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について」という通達の内容を参考にします。

(ア)受傷部位の疼痛および疼痛以外の感覚障害について

a 疼痛
(a)いつも通りの業務をこなすことに問題はないが、時々激しい疼痛が生じるため、ある程度の業務に支障が生じるものは、第12級の12に該当する。
(b)通常通りの業務をこなすことに問題はないが、受傷した部位にほとんど常時の疼痛がある状況下であれば、第14級の9に該当する。

b 疼痛以外の感覚障害
疼痛以外の症状が広範囲に生じ、正常な状態では起こり得ない感覚(蟻走感、感覚脱失等)がみられたときには、第14級の9に該当する。

(イ)特殊な性状の疼痛

a 神経の損傷が原因となり異常な疼痛が他覚所見などにより診断される場合が、カウザルギーとされます。カウザルギーと診断された場合は、痛みを感じる部分とその感じ方、痛みが引くまでに要する時間、高頻度で痛みが出る時間帯といった主観などに基づき、疼痛が労働能力に与える影響の大きさにより等級を判断します。 (a)軽度な仕事以外の業務をこなそうとしたときに、常時支障があるほどの疼痛を伴う状態ならば、第7級の3に該当する。 (b)通常通りの仕事を行うことに問題はないが、疼痛の発症により、時々業務の遂行が不可能となる状態、つまり、就労できる職種の選択肢が相当程度に限定されるといった状態ならば、第9級の7の2に該当する。 (c)通常通りの仕事を行うことに問題はないが、時々業務の進行に支障をきたすほどの疼痛がみられる状態であれば、第12級の12に該当する。 以上のように、それぞれ決められています。

b 神経への損傷が明確ではない場合を、反射性交換神経性ジストロフィー(RSD)といいます。RSDの場合は、負傷部位で慢性期にみられる主な症状として、①関節の拘縮、②骨の萎縮、③皮膚における皮膚温や萎縮といった変化の3点であり、これらのすべてが健康な側に比べて明らかである場合には、後遺障害が認められます。 後遺障害等級については、カウザルギーと同様の基準に基づき、第7級の3、第9級の7の2、第12級の12のいずれかとなります。

神経症状

疼痛性感覚異常(CRPS)は、自賠責保険では、特殊な疼痛という位置づけとなっています。 typeⅠRSDは、主要な末梢神経の損傷により疼くような疼痛がみられ、typeⅡカウザルギーは、血管運動神経と近く神経が相互作用を持つことにより灼熱感がある疼痛がみられます。

請求できる後遺障害慰謝料

認定される可能性のある後遺障害等級とその等級に対応した慰謝料額を整理した表です。下記の表の他にも、CRPSにより関節拘縮が生じた場合には、可動域制限や機能障害による後遺障害が認定される場合があります。

等級 自賠責基準 弁護士基準
7級4号 419万円 1000万円
9級10号 249万円 690万円
12級13号 94万円 290万円
14級9号 32万円 110万円
※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

疼痛性感覚異常(CRPS)の後遺障害等級認定は難しい

疼痛性感覚異常(CRPS)は、医師でも診断が難しく、見過ごされてしまうことも多い傷病です。 そのため、たとえ体に疼痛性感覚異常があっても、交通事故との因果関係を立証することが難しいのが現状です。ペインクリニックや専門外来等の専門医でなければ、そもそも疼痛性感覚異常だという診断すらされず、後遺障害として認定されることはほとんど見込めません。 被害者ご自身だけで、疼痛性感覚異常の後遺障害等級認定を受けることは非常に難しく、十分な治療や賠償を受けることも困難です。

疼痛性感覚異常(CRPS)で後遺障害が認められた裁判例

実際に、疼痛性感覚異常(CRPS)という傷病名で後遺障害に該当するとの判決が下された事例を取り上げます。

【神戸地方裁判所 平29年11月15日判決】

<事案の概要>

交差点にて、原告車両(自転車)と被告車両(自動車)が衝突し、原告が、左足関節内果骨折、左下腿打撲、右足関節打撲、右肩関節打撲、右第5中足骨骨折の外傷を負ったという事案です。 原告が左足にCRPSを発症したと主張したところ、被告がそれを否定し、仮にCRPSの症状があるとしても医師による手術療法を拒否したことが原因であると主張したため、争いとなりました。

<裁判所の判断>

本案件では、裁判所は、以下の4点を総合的に鑑みて、原告にはCRPSの発症があると認めました。 判断材料となったポイントは、①レントゲン画像をみたところ、左踵骨と足関節部における透過性の亢進が認識可能であり、同部位の血流が悪化したことを原因とした骨萎縮の疑いがあること、②皮膚温の左右間の違いが他覚的にみて判断できること、③可動域制限や疼痛、下腿浮腫などの症状が現れていること、④自律神経障害を含む、複合性の局所疼痛症候群の発生がみられるという確定診断があることから、CRPSを発症しているとして、12級13号の後遺障害を認めるに至りました。 また、原告は事故に遭った後すぐに通院を開始し、医師の指導に従いきちんと治療を継続していたという事実から、後遺障害が残ったことについて原告に責任があるとはいえないとしました。本事案は、他覚的な所見と継続的な治療をもとに、CRPSの具体的な症状を認定し、交通事故とCRPSの関連性を認めた裁判例のひとつといえます。

医療問題に強い弁護士に相談するのがオススメ

疼痛性感覚異常(CRPS)の診断は医師でも難しく、因果関係を立証することも困難であるため、後遺障害等級認定を受けるのは非常に難しいと言わざるを得ません。 後遺障害等級の認定は医学論争に発展することもあり、医療の知識も持つ弁護士でなければなかなか対応できません。そこで、後遺障害等級認定申請の経験があり、医療問題にも強い弁護士に相談されることをおすすめします。 また、CRPSは被害者の心因性ではないかと疑われ、加害者側から損害賠償の減額を主張されることもあり、被害者ご自身だけで対応することもまた困難です。 治療に専念するためにも、交通事故案件を取扱った経験が豊富で、後遺障害等級認定申請の経験もあり、医療問題に強い弁護士が多く在籍する弁護士法人ALGにぜひご相談、ご依頼ください。

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