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意識不明の状態が続いてしまった場合

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

「大切な家族が交通事故に遭って意識不明になってしまったら…」考えただけでも恐ろしいですよね。現在、ご家族が交通事故によって意識不明になり、心身ともに大変辛い日々を送られている方もいらっしゃると思います。

そのような不安や負担を少しでも軽減できるよう、ご家族が交通事故によって意識不明になってしまった場合の対処方法について、詳しく説明していきたいと思います。

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意識不明の状態が続いているときにやるべきこと

意識不明は、主に脳挫傷やびまん性軸索損傷といった脳損傷により生じます。意識不明に陥ったケースの多くは、交通事故で頭を強く打ちつける等して、頭部に強い衝撃が加わったことを原因としています。 意識不明に陥っている場合、24時間常時の看視が必要になりますので、治療や介護等、ご家族には肉体的にも精神的にも金銭的負担がかかります。 意識不明の原因は、脳の深刻な損傷が多く、失った脳の機能を回復させる方法は現状としてありません。そのため、基本的な治療方針は、現状維持を図り、被害者の自己治癒力に任せた回復を待つこととなります。 しかし、近親者の継続的な声かけ等といった周囲の働きかけや、脊椎電気刺激療法、脳深層部刺激療法、音楽運動療法等により意識レベルが向上し、意識不明の状態から回復した例もあります。

被害者本人が意識不明の時、示談交渉や手続きは誰がするのか?

意識不明になった場合、被害者が加害者側と直接示談交渉を行えません。また、代理を頼むといった意思表示もできません。では、誰が、どのように示談交渉を進めることができるかというと、

・代理請求制度の利用…被保険者が保険金を請求できない事情があるときに、被保険者の代理人となりうる人(ご家族等)が、代理人として保険金を請求できる制度(ただし、交通事故の被害者が早期に保険金を取得するための例外的な制度であり、示談交渉や訴訟提起には、被害者本人の意思表示が必要) ・成年後見人の申し立て…家庭裁判所に対して、本人に代わって意思表示をすることができる成年後見人の選任を申し立てること 上記のいずれかを行うことによって、代理人が被害者を代理して交渉を進められるようになります。

弁護士が成年後見人になることも可能です。その後の示談交渉や訴訟提起等を考えると、弁護士に成年後見人になってもらうと利便が良いでしょう。なお、被害者が未成年者の場合は、両親が親権者として代理権を持っており、被害者を代理して示談交渉を行えるので、代理人の選任は不要です。

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後遺障害等級と慰謝料

意識が戻らない場合

残念ながら意識が回復しない状態が続く場合、遷延性意識障害という後遺障害が認定されます。 遷延性意識障害とは、昏睡状態に陥り意思疎通ができなくなる障害であり、いわゆる植物状態のことをいいます。 脳死と同じだと誤解されることもありますが、脳死が生命維持に必要な身体機能が不可逆的に停止するのに対し、遷延性意識障害は、生命維持に必要な脳幹や中枢神経系、臓器が正常に機能しており、回復可能性がある点で異なります。 頭部に強い衝撃を受け生じる、脳挫傷(脳の打ち身)やびまん性軸索損傷(脳神経細胞の断裂等)が原因で、脳の広範囲が壊死または損傷することにより発症します。

請求できる後遺障害慰謝料

遷延性意識障害が続いている場合に認められる等級は、後遺障害等級1級1号のみです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
1級1号 1650万円 2800万円

※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

自賠責保険の支払基準が変わりました

意識が戻った場合

意識が戻ったとしても、脳に損傷があった場合に治癒することは難しく、後遺障害が残ってしまうおそれが大きいです。このような場面において、残存するおそれのある後遺障害について、下記にまとめました。

高次脳機能障害

意識回復後も、記憶力や判断力といった認知機能に障害が残り、うまく社会に適応できなくなる高次脳機能障害という後遺障害が残ってしまうおそれがあります。高次脳機能障害の詳細については、下記の記事をご参照ください。

高次脳機能障害|記憶障害をはじめとする8つの症状

麻痺

脳損傷を原因とする麻痺が残ることも考えられます。麻痺は、その範囲(片麻痺、対麻痺、四肢麻痺、単麻痺)や程度(高度、中程度、軽度)に応じて後遺障害の等級が認定されます。詳細については、下記の記事をご参照ください。

麻痺と後遺障害について

外傷性てんかん

外傷性てんかんが残る場合もあります。 外傷性てんかんとは、大脳(ニューロン)の神経細胞の過剰な興奮を原因とする、意識消失や痙攣発作といった運動障害や自律神経症状等を引き起こす、慢性の脳疾患です。外傷性てんかんも、脳の損傷によって引き起こされます。詳細については、下記の記事をご参照ください。

てんかんの後遺障害と慰謝料について

意識不明が続いているとき時の症状固定はいつ?

意識不明が続いているときの症状固定時期ですが、医学的には、意識不明の状態が3ヶ月継続することが遷延性意識障害の認定基準とされます。そのため、3ヶ月経過した時点で、症状固定と診断できます。 もっとも、初期段階で意識不明の状態があっても、治療やリハビリにより意識レベルの改善がみられることが多いため、症状固定の診断は慎重に行われます。1年~1年半を目安に症状固定と診断されるケースが多いです。

弁護士への依頼をご検討ください

交通事故によりご家族が意識不明になってしまったら、その心痛は計り知れないものだと思われます。また、常時介護が必要になるため、心身ともに辛い状況に置かれるでしょう。そこで、加害者側から適正な賠償を受け、少しでも負担を減らすことができればと思います。 弁護士にご相談いただければ、後遺障害の等級認定申請から、成年後見人の申立て、示談交渉や訴訟に至るまで、すべての手続をサポートし、適正な賠償が受けられるよう手を尽くします。ご家族が意識を回復された場合に後遺障害が残ってしまうおそれを考慮し、特に医療に強い弁護士に依頼されると良いでしょう。 示談交渉は、時間的にも精神的にも大きな負担となります。そうした負担を少しでも軽くするために、ぜひ弁護士への依頼をご検討ください。

交通事故により意識不明の重体となった場合の裁判例

実際に遷延性意識障害の後遺障害が残ってしまった事案の裁判例をご紹介します。

大阪地方裁判所 平成21年1月28日判決

<事案の概要>

進路前方にいた原告(当時2歳)に気づかず、被告が普通乗用自動車を前進運転させたところ、原告に衝突し、重篤な傷害を負わせた事案です。 本件事故により、原告は、外傷性窒息、頭部挫創、背部熱傷、右肩・顔面・左下腿擦過傷の障害を負い、心肺停止の状態に陥りました。その後心肺機能は回復したものの、症状固定時点で、低酸素性脳症、外傷性てんかん、背部熱傷、鉄欠乏性貧血の傷害が認められ、意識レベルも痛み刺激により四肢を少し動かす程度で、意思疎通が不可能な植物状態であると診断されました。この診断に基づき、自賠責保険でも、後遺障害等級1級1号が認定されました。 主な争点は原告に生じた損害の額で、特に高額に上る将来介護費について、詳しい判断がされました。

<裁判所の判断>

・将来の介護費 7610万4581円
まず、裁判所は、本件事故による傷害を原因として、遷延性意識障害で寝たきりの状態にある原告が、生活全般について介助が必要なため、自宅でもっぱら母親による介護を受けていることを事実として認めました。そして、原告の症状は安定しており、異常があれば医療機関の措置を受ける体勢も整っているから、直ちに生命の危険を推認させる事情はないとして、症状固定時点における原告の平均余命を75.82年(以下75年)と推認しました。
その上で、原告には78歳に至るまで付き添い介護が必要とされるであろうところ、原告が35歳に至るまで(母親は67歳)については、母親を中心とする近親者による付添介護(日額9000円相当)、その後、原告が78歳に至るまでについては、職業付添人による付添介護(日額1万8000円相当)が行われるものと推測し、7610万4581円の将来介護費を認めました。

・後遺障害慰謝料 2800万円
裁判所は、自賠責保険が認定した後遺障害等級1級1号の結果を踏まえ、2800万円の後遺障害慰謝料を認めました。
その他、治療費や入院付添費、入院雑費、将来の介護備品費用、リハビリ費用、逸失利益、自宅改装費用等の損害に対する賠償として、1億6415万2768円(過失相殺前2億1228万3752円)が認められました。

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