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後遺障害等級が認定されなかった場合の対処法

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後遺障害等級が非該当になった被害者がやるべきこと

交通事故の怪我が完治せず後遺症が残ったにもかかわらず、後遺障害等級の認定結果が非該当になってしまうことがあります。後遺障害等級が認定されない場合、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益等が請求できなくなってしまい、最終的に受け取れる損害賠償金額が大幅に減ってしまいます。意図せず交通事故の被害に遭ったうえ、適切な賠償を受けられないとなっては耐えがたいことでしょう。 後遺障害等級が「非該当」となり納得がいかない場合には、「異議申し立て」を行うことができます。そもそも後遺障害等級認定の申請手続には、事前認定(加害者側任意保険会社を介して申請する)と被害者請求(被害者自身で加害者側自賠責保険会社に申請する)の2通りの方法があります。これらは、異議申し立ての際も同様です。 何事も「結果」には、「過程」と「理由」がつきものです。後遺障害等級が非該当という結果には、必ず理由があり、結果に行きつくまでの過程がカギとなります。ここでは、後遺障害等級が非該当という結果に異議申し立てをするべく、そうなってしまった理由や認定されるコツ等を解説していきます。なお、異議申し立ての具体的な申請方法については下記の記事をご参照ください。

異議申し立てについて詳しく見る

後遺障害等級が認定されない理由

まず、残存している後遺症が後遺障害として認められない、つまり後遺障害等級が非該当となる理由を考察していきます。考えられる理由として、以下のようなことが挙げられます。

  • 自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しい(神経学的異常所見に乏しい)
  • 通院が足りない
  • 画像上の異常所見は認められない
  • 事故受傷との相当因果関係は認めがたい
  • 必要な検査をしていない

以上の内容から、後遺障害等級に認定されるには、後遺症の存在を立証することが当然に必要です。しかし、後遺症が存在していることを立証できても、その後遺症が今後も治らない障害とは捉えがたいとされてしまうと、後遺障害等級が非該当と判断されてしまいます。特にむち打ち等といった検査等によって症状を汲み取ることが困難な(他覚所見がない)後遺症は、後遺障害等級が認定されにくいといえます。

後遺障害等級が認められるには

では、後遺障害等級が認められるにはどうしたら良いのでしょうか。前項で挙げた理由をもとに、対処方法を解説していきます。

自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しい(神経学的異常所見に乏しい)

まずは、被害者本人しか知り得ない自覚症状を「医学的見地から」客観的に裏付けることが必要です。特に、むち打ち等といった画像検査で異常を認めることが困難な神経系統の症状にとって、神経学的検査の結果は、立証に向けて有用な補強資料となります。 具体的な神経学的検査を紹介します。

スパーリングテスト
主に頸椎の神経根の障害を調べるテストです。 検査者が、腰を掛けた被験者の後方から頭部を掴み、左右に傾けてから下方に倒して頸椎を圧迫することで、被験者に痛みや痺れが生じた場合は陽性となります。この結果は自己申告によるため、他の検査との併用を推奨します。

ジャクソンテスト
主に腰椎・仙髄の神経根の障害を調べるテストです。 検査者が、腰を掛けた被験者の後方から頭部を掴み、後屈させながら頸椎を圧迫することで、被験者に痛みや痺れが生じた場合は陽性となります。スパーリングテスト同様、あくまでも自己申告の結果となるため、他の検査との併用を推奨します。

筋萎縮検査
むち打ち等によって麻痺が継続すると、筋肉が痩せ細くなる場合があるため、筋萎縮の程度を調べることが必要になります。 メジャー等で両腕の周径を計測し、左右差が生じるか調べる検査です。被験者の意思が介在しないため、非常に有用な他覚所見資料となります。

深部腱反射テスト
運動系・末梢神経系の障害の有無を判断するテストです。 打腱器で腱を叩いた反射の程度が、亢進の場合は運動系の障害、低下・消失の場合は末梢神経系の障害を裏付けるために有用です。

握力検査
学生時代の体力測定時同様、左右の握力を計測します。 握力の低下は、頸椎の神経に異常があることの裏付けになり得ますが、被験者の故意によって握力低下の結果が出てしまうことが懸念されます。

徒手筋力検査(MMT)
検査者の人力によって、主要な筋肉の筋力を測定する検査です。 神経系の障害がある場合、その神経が支配している筋力の低下がみられます。 しかし、検査者の裁量や被験者の故意が結果に影響することが懸念されます。

知覚検査
筆や針等を用いて、皮膚の感覚の異常を調べる検査です。 神経系の障害は、皮膚の感覚にも異常をきたすことがあります。その部位や範囲を特定することで、自覚症状や他の検査結果の補強となります。

トレムナー反射
脊髄等、中枢神経の障害を調べる検査です。 被験者の中指を手のひら側から弾いた際に、親指が内側に曲がる異常がみられた場合、脊髄損傷等の裏付けに有用です(健常者は無反応)。

ホフマン反射
脊髄等、中枢神経の障害を調べる検査です。 被験者の中指を挟んで手のひら側に弾いた際に、親指が内側に曲がる異常がみられた場合、脊髄損傷等の裏付けに有用です(健常者は無反応)。

ワルテンベルク徴候
脊髄等、中枢神経の障害を調べる検査です。 親指以外の4本の指を曲げた状態で、検査者と引っ張り合いをすると、親指が内側に曲がる異常がみられる場合があります。その結果は、脊髄損傷等の裏付けに有用です(健常者は無反応)。

以上が神経学的な検査です。他にも、画像検査で異常を認めることが困難な症状の医学的所見として、電気生理学的検査も非常に有用です。例えば、サーモグラフィ検査、指尖容積脳波検査、針筋電図検査(針EMG)等といった類です。 列挙した検査は、あくまでも自覚症状を裏付けるためのものです。重要なことは、主張した自覚症状と検査結果が一致しているか、大前提として必要検査を受けるための自覚症状をきちんと主張できているかという点です。

通院が足りない

続いて、通院の期間・頻度の適切性が重要となります。仕事や家事が忙しかったり、通院自体が億劫になったりして、適切な通院ができなかった場合、後遺障害等級が非該当となる可能性があります。「痛い」という自覚症状と通院の期間・頻度が伴っていないと、「治療をしなくても大丈夫な程度の痛み」と審査機関に解釈されてしまうためです。

むち打ち等の通院方法は、通院期間6ヶ月以上・実通院日数80~100日以上が目安とされていますが、通院が足りないことが理由で後遺障害等級が非該当となった場合はどうすれば良いのでしょうか。

その場合は、交通事故や医療分野の案件に精通した弁護士に依頼しましょう。弁護士は、先に紹介した神経学的検査の結果や十分な通院期間・頻度を設けられなかった理由を「意見書」として証拠書類に追加したり、医師面談を介して後遺障害診断書をより認められやすい内容にアレンジしたりすることが可能です。

ただし、弁護士が介入しても、通院が足りないという「事実」を他の証拠で補うことは非常に困難なため、裁判に移行しても後遺障害に関する損害は相場よりも減額されてしまうことがあります。

そのため重要なのは、できるだけ早く弁護士に相談し、通院方法や後遺障害認定について、早期に対処しておくことです。

画像上の異常所見が認められない

画像上の異常所見が認められない場合は、先に紹介した神経学的検査の結果により補強する必要があります。

それらをより詳細な自覚症状を記載した資料に照らし合わせて、補強していきます。また、本当に画像上に異常所見がなかったかどうか、セカンドオピニオンとして他の病院にて意見を求めることも有用でしょう。

事故受傷との相当因果関係が認めがたい

後遺障害等級を認定してもらうには、残った後遺症と交通事故との相当因果関係を立証する必要があります。ただし、一度後遺障害等級の申請をして非該当となってしまうと、異議申し立てにおいて素人のみで対応していくことは非常に困難です。

その場合は、後遺障害等級の異議申し立ての経験が豊富な弁護士に依頼してみましょう。弁護士は、事故態様や加害車両の破損状態等から事故の大きさや受傷状況等を導き出し、被害者の自覚症状の変遷とともに、残った後遺症と交通事故との相当因果関係を主張・立証することが可能です。

必要な検査をしていない

後遺障害等級を申請するうえで必要な検査(XP、CT、MRI等)を怠っていた場合は、受診後に異議申し立てを行うことが重要です。ただし、事故直後と症状固定時を比較できたほうがより効果的といわれているため、この場合、不十分とされてしまう可能性があります。

そこで、必要な検査を補強できるような関連のある神経学的検査を受けて、自覚症状をより具体的に主張するようにしましょう。できるだけ、必要な検査結果を裏付けできるような根拠を揃えることが重要です。

自覚症状を積極的に医師へ伝えることが重要

これまで、後遺障害等級が認定されない理由を考察し、対処方法を紹介してきました。自覚症状の内容が、他の根拠の裏付けとなったり、他の根拠によって立証されたりすることがおわかりいただけたかと思います。

残存する痛みや症状の変遷等といった自覚症状の内容が、具体的で一貫性があることが重要です。何よりその表現が適切に医師に伝わって、診断書に反映される必要があります。

被害者自身だけで通院する場合は、意識的に自覚症状をメモし積極的に医師に伝えることを心がけましょう。被害者が重症者や小さい子供の場合は、家族や周りの人がいつもと違う様子があれば主張することが重要です。

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後遺障害非該当だったものが認定された裁判例

【広島地方裁判所福山支部 平成29年(ワ)第40号 損害賠償請求反訴事件】

<事案の概要>

原告(事故当時44歳・女性)が被告に対し、片側一車線のカーブで被告車がスリップして対向車線側のガードレールと接触したのと同時または直後に、対向車線を走行していた原告車と衝突した交通事故に関して、自賠法3条または不法行為に基づく損害賠償を求めた事案です。

受傷した原告は、脳脊髄液漏出症、頸椎捻挫、胸郭出口症候群の傷病名で症状固定の診断を受け、後遺障害等級認定の申請を行いました。その際の自覚症状としては、頭痛、頸部の痺れ(起立性に憎悪)、両肩可動域制限、物忘れ、背部痛、両上肢痺れ・痛み・脱力がみられました。

損害保険料率算出機構は、自賠責保険の後遺障害の等級認定には該当しないと判断しましたが、原告の異議申し立てにより、後遺障害等級第14級9号に該当すると認定しました。

<裁判所の判断>

主に原告の脳脊髄液漏出症の診断、また脳脊髄液漏出症と交通事故との相当因果関係が争点となりました。

  • ①原告は原告車が全損になるほど強い衝撃を受けた
  • ②MRI等の画像診断結果により、他覚所見がみられた
  • ③脳脊髄液漏出症の治療法で、先進医療であるブラッドパッチという治療法を実施し、症状の経過により傷病を裏付けられた
  • ④原告の詳細な自覚症状の記録が残っていた

以上の点が考慮され、脳脊髄液漏出症と交通事故との相当因果関係と脳脊髄液漏出症が後遺障害等級第9級に該当することが認められました。最終的に後遺障害部分の損害として、後遺障害慰謝料690万円、後遺障害逸失利益1633万9593円が認められました。

【松山地方裁判所 平成25年(ワ)第455号 損害賠償請求事件】

<事案の概要>

丁字型交差点で、大通りを西から東に運転していた原告(事故当時44歳・女性)自転車と一時停止規制のある通りを左折しようとした被告(事故当時60歳)タクシーが出合い頭に衝突した交通事故に関して、原告が被告に対し、自賠法3条に基づき、損害賠償を求めた事案です。

受傷した原告は、四肢麻痺、中心性脊髄損傷、頭部外傷、高次脳機能障害について症状固定の診断を受け、後遺障害等級認定の申請を行い、いずれも自賠責保険の被害者請求において後遺障害等級に該当しないとの認定を受けました。

原告は、異議申し立て、さらには一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構紛争処理委員会による調停においても、自賠責保険における後遺障害には該当しないとの判断を受けました。

<裁判所の判断>

主に原告の傷害、後遺障害の有無および内容・程度が争点となりました。

裁判所は、様々な検査結果や時系列から、原告の言語機能障害、遂行機能障害、記憶障害といった高次脳機能障害の発症・残存は、交通事故との相当因果関係が認められないと判断しました。また、右上下肢の麻痺は、後遺障害として残存するものと認めることができるとしたものの、後遺障害等級の獲得には至りませんでした。しかし、

  • ①小学校の学校図書館運営支援員として5年勤務していた
  • ②一般財団法人にてパート勤務していた
  • ③図書館等で地域の子供に物語を読み聞かせるボランティアをしていた
  • ④4人家族の家事労働の一切を行っていた

以上の点から、後遺障害の程度及び原告の生活状況等への影響が考慮され、後遺障害部分の損害として、後遺障害慰謝料120万円、後遺障害逸失利益188万5870円が認められました。

【東京地方裁判所 平成17年(ワ)第1655号 損害賠償請求事件】

<事案の概要>

原告(事故当時48歳)が、交差点において原告バイクと被告自動車が出会い頭に衝突した交通事故に関して、被告に対しては民法709条に基づき、自動車所有者である被告の会社に対しては自賠法3条に基づき、損害賠償を求めた事案です。

原告は、過去の交通事故により外貌醜状が残り後遺障害等級第14級11号に認定されています。本件事故では、頭部外傷、左橈骨遠位端骨折等を負い、少なくとも右同名半盲の視野障害および右顔面部の外貌醜状の後遺障害が残りました。

損害保険料率算出機構は、高次脳機能障害や視野・視力障害は後遺障害等級非該当とし、醜状障害については既存障害第14級11号の加重障害として、第12級13号と認定しました。そこで原告が異議申し立てをしたところ、体幹機能障害・認定障害・視力障害は非該当、視野障害について第9級3号、醜状障害について第12級13号に該当するとし、既存の加重障害として併合第8級と認定しました。

<裁判所の判断>

主に原告の後遺障害の内容・程度が争点となりました。

  • ①MRI検査等の結果により、脳損傷の所見があった
  • ②搬送後、うわ言を言う等といった軽度の意識障害があった
  • ③事故後の体幹失調や失調症の症状に一貫性があった

以上の点から、脳外傷による身体機能障害および高次脳機能障害として後遺障害等級第7級4号と評価され、視野障害として第9級3号、醜状障害として第12級13号(現行第12級14号)が認められ、併合第6級に相当すると判断されました。

よって、後遺障害部分の損害として、後遺障害慰謝料1180万円、後遺障害逸失利益3537万5794円が認められました。

後遺障害非該当に納得いかない場合はご相談ください

後遺障害等級が認定される、もしくは等級が上がると、請求できる損害賠償金が大幅に増額します。意図せず交通事故の被害に遭い、辛い後遺症により煩雑な手続をしたにもかかわらず、後遺障害等級が非該当となってしまうことは憤りを感じずにはいられません。

納得のいく示談に向けて、最も適切で安心できる方法は、弁護士に相談・依頼することです。弁護士は、後遺障害等級が非該当となった理由を様々な観点から考察し、等級獲得に向けて最適な異議申し立てを行うことが可能です。

本来であれば賠償されるべき後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の獲得を断念してしまうのではなく、適切な後遺障害等級を認めてもらうためにも、ぜひ一度弁護士への相談をご検討ください。

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