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通院4ヶ月の慰謝料はどれくらい?

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員

交通事故により、怪我の治療で4ヶ月通院した場合、通院慰謝料はどのくらいもらえるのでしょうか?計算方法も交えつつ、これから説明していきます。

慰謝料の基準について

賠償金額の基準が低い順に、①自賠責基準②任意保険基準③弁護士基準となります。自賠責基準は、最低限度の補償と考えられており、弁護士基準が最も高い基準となります。任意保険基準は自賠責基準と弁護士基準の中間程度であり、基準により請求できる金額には大きく差が出ます。

自賠責基準

自賠責基準は、被害者の損害を最低限保証するものであるため、3つの基準の中で最も低い基準です。 日額4200円×対象日数(入通院期間と入院・通院日数×2のいずれか少ない方)が入通院慰謝料の計算方法となりますが、治療費、交通費、休業損害その他全ての傷害分の賠償金額と合わせて120万円が上限となります。

任意保険基準

平成9年までは、支払い基準が統一されており、任意保険会社が異なっても同一の基準で支払われていました。しかし、現在は統一基準が撤廃され、保険会社ごとに様々な内部基準を持っており、公開もされていません。ただ、人身傷害保険特約では、支払い基準を定めた約款が公開されており、その約款が任意保険基準の参考になるでしょう。 本基準で算出した入通院慰謝料は、自賠責基準と弁護士基準の中間程度の金額になると考えられています。

弁護士基準(裁判基準)

弁護士が、示談交渉や裁判をする際に使用している基準です。交通事故の過去の裁判例を基に設定された基準であり、裁判基準ともいわれます。 弁護士基準で入通院慰謝料を算定する場合は、入通院日数ではなく、通院期間を基に計算します。 3つの基準の中で、最も高い基準となります。

通院期間4ヶ月の入通院慰謝料の例

では、交通事故による怪我の治療で4ヶ月通院した場合、入通院慰謝料はいったいいくらもらえるのでしょうか? 入通院慰謝料の金額は、おおまかに「受傷した怪我の種類・程度」「採用する算定基準」によって異なります。前者は、ざっくりとむちうちと、それ以外のむちうちより重い怪我(「むちうち以外」と表現します)に分かれます。後者は、先に説明したとおりです。 金額を比較しやすいよう、【通院期間4ヶ月(120日)・通院日数50日】を想定し、以下の表にまとめました。計算方法については、後ほど紹介しますので、まずは金額を比べてみましょう。

通院期間4ヶ月(120日)・通院日数50日

自賠責基準 弁護士基準
むちうちの場合 42万円 67万円
むちうち以外の場合 42万円 90万円

ご自身の入通院慰謝料がいくらになるのか気になる方は、便利な計算ツールがありますので、ぜひご活用ください。

損害賠償額計算ツール

通院期間と通院日数の違い

通院期間と通院日数は、似たような言葉ではありますが、その意味は少し異なります。 通院期間とは、通院を開始した日から完治または症状固定等のために通院を終了した日までの期間をいいます。 一方、通院日数とは、通院期間のうち実際に通院した日数をいいます。

むちうちの慰謝料計算には例外がある

むちうち等で他覚所見がない場合、弁護士基準での入通院慰謝料の算出方法は例外が適用されます。 弁護士基準で入通院慰謝料を算出する際には、入通院期間を基礎として、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」に掲載されている算定表を参照します。基本的に通院日数は考慮されません。 算定表には2種類あり、通常の怪我の場合と他覚所見がないむちうち等の軽い怪我の場合で使い分けます。軽い怪我の場合に使用する算定表は、通常の怪我の場合に使用する表よりも入通院慰謝料が7割程度低額になるように設定されています。

実際の通院日数が月10日未満の場合は減額される可能性がある

交通事故で被害に遭ったら、だいたい2日に1回の頻度で通院するべきだといわれています。なぜなら、通院日数が月10日未満の場合、入通院慰謝料が減額される可能性があるからです。 弁護士基準で入通院慰謝料を算出する際、通常は入通院期間を基礎とします。つまり、通院期間が4ヶ月だとすると、算出の基礎となる日数は約120日となります。 しかし、月10日未満しか通院していない場合、算出の基礎となる日数は、通院日数の3倍とされてしまうことがあります。もし4ヶ月の間に月8日ずつしか通院しなかったとすると、算出の基礎となる日数は、8日×4ヶ月×3=96日に減ってしまいます。 通院頻度が低いと軽症だとみなされ、入通院慰謝料を重症の場合と同じ金額にするのは適当ではないと判断されてしまいます。痛み等の症状があるのであれば、しっかりと通院するようにしましょう。

通院期間4ヶ月(120日)・通院日数32日

自賠責基準 弁護士基準
むちうちの場合 26万8800円 55万8000円
むちうち以外の場合 26万8800円 76万4000円

通院期間4ヶ月(120日)・通院日数50日

自賠責基準 弁護士基準
むちうちの場合 42万円 67万円
むちうち以外の場合 42万円 90万円

入通院慰謝料は「受傷した怪我の種類・程度」「採用する算定基準」に加えて、「通院頻度」によっても変動することがおわかりいただけるかと思います。

通院4ヶ月の慰謝料を弁護士基準で獲得したい!

通院頻度をきちんと保とう

自賠責基準では、「入通院期間」と「入院・通院日数×2」のいずれか少ない方に、日額4200円をかけて、入通院慰謝料を計算します。ただし、通院日数の月平均が10日未満の場合には、入通院慰謝料が減額される場合があるため、通院日数が少ないと、入通院慰謝料の計算上不利になります。適正な額の入通院慰謝料を受け取るためにも、適切な通院頻度を保つことが大切です。

4ヶ月の間にリハビリで通った期間は通院日数に含まれる?

リハビリに通った期間も、原則、通院日数に含まれます。しかし、通院期間は、通院を開始した日から完治または症状固定した日までの期間のことです。症状固定日以後に、身体の状態を維持するためにリハビリに通っても、症状固定日以後のリハビリについては、入通院慰謝料は認められません。また、リハビリが毎回マッサージばかりだと、毎回マッサージができるほど症状が改善していると判断され、通院日数から除外される可能性があるため、注意が必要です。

4ヶ月のうち通院が少なかった場合は?

仕事やご家庭の状況により、頻繁に通院することができない方もいらっしゃると思います。しかし、先に述べたとおり、通院日数が少ないと、入通院慰謝料を計算する際に不利になってしまいます。また、むちうちで他覚所見がない場合で、通院期間に対し通院日数が少ないとき、通院期間ではなく、「通院日数×3」で算出した日数に基づいて入通院慰謝料を計算されることがあります。したがって、リハビリも通院日数に含まれるため、近くの整形外科や整骨院でリハビリを受ける等、適切な通院頻度を保てる方法を今一度検討していただく必要があります。

通院を始めて4ヶ月、治療費が打ち切りになりそうで困っている

交通事故後、むちうちの場合は3ヶ月、骨折の場合は6ヶ月程度で、保険会社から治療費の打ち切りや症状固定を推奨されることがあります。賠償金は、原則、示談成立後に支払われますが、治療費については、実務上保険会社が示談成立前に立て替えて医療機関に直接支払う、一括対応がされています。保険会社は、治療費や入通院慰謝料の金額をできるだけ低くしたい、不利な後遺障害等級認定を回避するため早期に示談成立させたい、という理由から、治療費の打ち切りや症状固定の推奨をします。 しかし、治療費の打ち切りや症状固定の推奨をされたからといって、ただちに治療を中止しなければならないわけではありません。まず、主治医に相談し、治療の必要性について確認しましょう。その後、治療の必要性について保険会社に伝え、それでもなお治療費の打ち切りや症状固定を推奨された場合は、弁護士に相談することをご検討ください。弁護士と保険会社が交渉することで、治療費の支払いを延長できる可能性が高まります。

4ヶ月の通院にかかった交通費や付添費は請求できる?

通院にかかった交通費も、通院交通費として請求することができます。電車・バス等の公共交通機関を利用した場合は、かかった料金を実費で請求できます。自家用車を利用した場合は、通院に要した分のみをガソリン代に換算することは困難であるため、実務上一律「1㎞あたり15円」の単価で算出した金額を請求できます。 問題となるのは、タクシーを利用した場合です。原則、タクシー代の実費は請求できず、公共交通機関を利用した場合の金額が支払われます。しかし、傷害の状態、年齢等の事情を総合的に考慮し、タクシーの利用に相当性があると認められる場合は、タクシー代を請求できます。

付添費は条件付きで請求可能

一人では通院が困難であるため、誰かに付き添ってもらうことが必要であると認められる場合は、誰かに付き添ってもらった費用を、通院付添費として請求することができます。 詳しくは、以下のページで解説します。

交通事故の付添費も請求可能!認定要件と相場を解説

弁護士への依頼は大げさなことではありません!

保険会社の担当者と被害者の方とでは、知識量に大きな差があり、被害者側が不利な合意をしてしまうことが考えられます。通常、保険会社は利益を確保するため、弁護士基準を前提とした算定に着手してきませんが、弁護士が介入することで、弁護士基準に基づいた示談金を提示されやすくなり、得られる慰謝料額が増える可能性が高まります。 また、保険会社とのやりとりから生じる精神的負担が緩和できたり、後遺障害等級認定前なら、適切な後遺障害等級を認定してもらえたりするといったメリットもあります。 しかし、弁護士に相談するのには費用がかかるため、その点で不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。示談金の増額分と弁護士費用とを比較し、ご検討していただくことはもちろんですが、保険会社の弁護士費用特約に加入しているかどうか?ということも確認してみてください。弁護士費用特約は、保険会社が弁護士費用を負担してくれる保険サービスです。ご自身が加入しておらず、同居しているご家族が弁護士費用特約に加入している場合も、利用することはできます。もし、弁護士費用特約を活用できる状況でしたら、なおのこと弁護士への相談をご検討ください。

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慰謝料をしっかり獲得するには、完治・症状固定するまで通院をすること

適正な額の入通院慰謝料をもらうには、完治または症状固定(症状は多少残っているが、それ以上治療を続けても大幅な改善が見込めない状態)と医師に診断されるまで通院することが大切です。たとえ通院途中で保険会社による治療費の支払いが打ち切られたとしても、痛み等の症状が続いていて治療の効果を感じているようであれば、通院を続けましょう。 弁護士基準で入通院慰謝料を算出する際には、通院の期間や頻度が重要になるので、途中で通院をやめてしまうと通院期間が短くなり、もらえる入通院慰謝料が減ってしまいます。なお、打ち切られた以降の治療費についても、示談交渉の際に、治療継続の必要性や妥当性を立証すれば請求できる可能性があります。

症状固定後に後遺症が残ってしまったら

交通事故に遭い、怪我の治療後も後遺症が残ってしまった場合には、後遺症による精神的苦痛に対する賠償として、後遺障害慰謝料を請求することができます。 後遺障害慰謝料を受け取るためには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。そして、後遺障害等級の認定を受けるためには、事故発生当初から医療機関へ定期的に通院していること、事故発生当初から一貫した症状を訴えていること等の他、医師が作成した後遺障害診断書を提出すること等が必要です。 ただし、むちうち等で後遺障害等級を認定されるには、通院期間が4ヶ月では短いと判断されてしまう可能性があります。体調が悪い場合には、保険会社から治療費を打ち切られたとしても、通院を継続するべきでしょう。

4ヶ月通院したけれど後遺症が残ってお困りなら弁護士に相談がおすすめ

後遺障害等級認定の申請の際には、適切な内容の後遺障害診断書の他に、自覚症状を論理的に説明したり、他覚所見を証明したりするような資料が必要になりますが、弁護士はそういった書類をそろえるためのサポートも行っています。 弁護士法人ALG & Associatesでは、むちうちに関する交通事故事案も多く取り扱っており、高額な慰謝料を請求するノウハウも心得ていますので、お気軽にお問い合わせください。

通院4ヶ月の入通院慰謝料計算方法

通院期間が4ヶ月の入通院慰謝料の計算方法について、むちうちの場合と、むちうち以外の場合とでは、慰謝料の基準が異なります。また、残存した症状が後遺障害として認められれば、認定された後遺障害等級に応じて別途慰謝料等が認められます。後遺障害に関する慰謝料については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

後遺症が残ってしまった場合の慰謝料について

むちうちの場合(通院期間4ヶ月(120日)・通院日数50日)

他覚所見がないむちうち等、軽い怪我の場合に使用する入通院慰謝料別表Ⅱを参照して算出します。

むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 A’B’ 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183

通院のみの例ですので、別表Ⅱの縦軸をみます。 すると、今回の例は通院4ヶ月ですので、入通院慰謝料は67万円となります。

むちうち以外の場合(通院期間4ヶ月(120日)・通院日数50日)

怪我の部位・程度が、むちうち等比較的軽い怪我ではない場合、入通院慰謝料別表Ⅰを参照して算出します。

通常の怪我の場合【別表Ⅰ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 AB 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

通院のみの例ですので、別表Ⅰの縦軸をみます。 通院4ヶ月の場合の入通院慰謝料は、90万円となります。

適正な慰謝料を受け取るには弁護士への依頼が必要です

ここでは、交通事故で受傷した怪我の通院期間が4ヶ月だった場合に焦点を当て、主に入通院慰謝料について解説してきました。「受傷した怪我の種類・程度」「採用する算定基準」「通院頻度」によって、金額に大きな差が生じることがおわかりいただけたことでしょう。 しかし、高額な慰謝料が期待できる弁護士基準を用いた示談交渉は、より専門性・合理性・医学的知見の高い立証が求められるため、素人が行うことは非常に困難です。そこで、交通事故事案の経験が豊富で、医療分野に特化した弁護士をお役立てください。 弁護士費用を懸念されている方も、ご自身が加入されている任意保険に弁護士費用特約を付帯しているのであれば、迷わずご相談ください。ほとんどの場合、実質弁護士費用の負担なくご相談・ご依頼いただけます。また、弁護士費用特約を付帯していなくても、提示された賠償額が適正か否かの判断は無料で行っていますので、お困りの方はぜひ、お気軽に弁護士法人ALG & Associatesへご相談ください。

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