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複視になる原因と後遺障害と慰謝料

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故の被害に遭遇したことをきっかけに、視力の低下や目の調子が悪いというご相談を多数いただいています。交通事故では様々な症状が残ることがあり、目の障害として「複視」になってしまうおそれもあります。
本記事では、複視とはどのようなものなのか、また、交通事故によって複視になった場合の後遺障害等級などについて解説していきます。

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交通事故による複視とは?診断されたら?

複視とは、2つの眼球が同じ方向に向かないため、外界の像が二重に見えてしまう症状をいいます。
交通事故による複視の場合、
●10級2号…正面を見た場合に複視の症状を残すもの
および
●13級2号…正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
の後遺障害等級を認められる可能性があります。
これらの等級は、「複視を残すもの」と定められており、以下の3つの条件に該当する必要があります。
①複視の症状を本人が自覚していること
②複視が残る明らかな原因が認められること(眼筋の麻痺等)
③ヘススクリーンテスト※により、障害のある側の眼で見た像が、水平方向または垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置にあることが確認されること
※ヘススクリーンテスト…縦横の線でマス目が描かれたボードを使用し、両眼の位置のズレを調べる

病院で治療を受ける

複視があるかどうかを診るためには、ヘススクリーンテスト等の眼球運動検査にて測定を行います。
ヘススクリーンテストは、指標を赤緑グラスで見たときの片眼の赤像、他眼の緑造から両眼の位置ずれを評価する検査方法です。眼科や視神経を専門とする神経眼科等で検査することをおすすめします。
検査後、保存療法により改善すれば問題ありませんが、保存治療でも改善がみられず、症状が強いためにそのままでは不自由であれば、手術が必要となります。

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複視の原因

交通事故によって複視になる場合について解説してきましたが、実際に交通事故に遭い、複視を発症する原因には、何が考えられるのでしょうか。 代表的なものとして、眼窩骨折と眼筋麻痺が挙げられます。以下にてそれぞれ解説していきます。

眼窩骨折(眼窩底骨折)

眼窩(がんか)骨折とは、眼部や眼周辺に外部から大きな力が加わったときにみられる特殊な顔面骨折です。
眼窩骨折は、複視の他に、眼球陥没や頬から上口唇にかけての痺れ、上方に眼を動かすことが困難となる眼球運動障害が生じる場合もあります。
眼窩骨折の治療法としては、保存治療と手術治療があります。
保存治療とは、眼球運動の練習を指し、眼を左右に動かすといった練習方法です。この保存治療を約2週間継続してもなお、症状が改善しなかった場合は、手術治療となります。
手術治療では、眼窩の骨の欠損によって眼球の位置が安定しない場合には、医療材料にて再建します。
また、複視等の眼球運動障害に異常が認められれば、早めの手術をすることもあります。

眼筋麻痺

眼筋麻痺は、眼筋を動かす6本の筋肉(内側直筋、外側直筋、上直筋、下直筋、上斜筋、下斜筋)や、それを支配する3種類の神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)が麻痺し、両眼の眼球が同方向に向けなくなったことで起こります。交通事故による頭部外傷や脳腫瘍、脳出血等が原因となることがあります。 眼筋麻痺の原因は様々ですので、治療法も症状によります。治療としては、原因疾患の治療とともに、プリズム眼鏡による複視の軽減、また、手術による眼球の位置矯正を行います。

複視の後遺障害等級と慰謝料

複視となった場合、どの程度の後遺障害等級が認められ得るのでしょうか。認められた場合、受け取れる後遺障害慰謝料も併せて以下の表にまとめましたので、ご参照ください。
ただし、複視の症状の程度によって、後遺障害等級が区別されるので、注意が必要です。

請求できる慰謝料

等級 自賠責基準※1 弁護士基準
10級2号 190万円 550万円
13級2号 57万円 180万円
  • 10級2号…正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  • 13級2号…正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

※1:自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

複視で後遺障害等級認定された場合の慰謝料の計算例 複視で後遺障害等級認定された場合、入通院に関する慰謝料と先ほど表で示した後遺障害慰謝料を請求することができます。
では、実際に慰謝料はどのように算定されるのでしょうか?
【入院期間1ヶ月(30日)・通院期間6ヶ月(180日)・実通院日数90日】で【後遺障害等級10級2号】の認定を受けた場合を例として、自賠責基準と弁護士基準で計算してみます。

自賠責基準の計算例 自賠責基準の入通院慰謝料の計算は、入通院1日につき4300円※2の損害があったものと扱われます。計算式としては、「日額×入通院期間(入院期間+通院期間)」もしくは「日額×実治療日数の2倍」の、どちらか少ない方の計算式を利用します。 例の場合、「入通院期間210日<実治療日数の2倍240日」ですので、「日額×入通院期間」の計算式を選択します。 したがって、「入通院慰謝料=4300円※2×210日=90万3000円」 これに後遺障害慰謝料190万円※3を足すので、慰謝料は280万3000円となります。

※2:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準の日額4200円が適用されます。
※3:新基準で算出しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

弁護士基準の計算例 複視で後遺障害等級10級2号の認定を受けているということは、他覚所見があると認められたことを意味しています。
そのため、例のケースは赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)の入通院慰謝料別表Ⅰを参照し、入通院慰謝料を算出していきます。入通院慰謝料は149万円です。
これに後遺障害慰謝料分550万円を足した合計699万円が慰謝料となります。

複視と交通事故の因果関係が認められた裁判例

本事案は、交通事故被害者に複視等の後遺障害が残った事案です。複視が交通事故により生じたのかという点が争われましたが、裁判の末、交通事故と複視との因果関係が認められました。
複視による慰謝料や損害賠償の金額についても参考となりますので、ご紹介します。

【大阪地方裁判所 平成27年6月16日判決】

<事案の概要>

赤信号で横断歩道を横断していた歩行者3名(A、B、C)が、右手から交差点に進入してきたDの運転する車と衝突し、歩行者のうち2名が負傷し、損害賠償を請求した事案です。 本事故により、Aには、外貌醜状と複視、右上口唇の知覚低下(局部の神経症状)の後遺障害が残り、自賠責保険より併合第8級の後遺障害等級が認定されました。 ここでは、複視について後遺障害等級認定されたAの後遺障害逸失利益・後遺障害慰謝料について記述します。

<裁判所の判断>

裁判所は、事故翌日のCT検査で、Aに右眼眼窩底骨折が認められたこと、「上方視時複視あり」と医師に診断されヘススクリーンテスト実施や眼球運動障害の経過観察の方針が立てられたこと、ヘススクリーンテストの検査結果は30度(5度以上のずれで複視と診断されます)で、徐々に改善しつつもなお複視が診断されていることを考慮すると、交通事故により複視をはじめとする後遺障害が生じたと判断しました。そして、自賠責保険の認定どおり、併合第8級が相当であると認めました。 また、スーパーのレジ担当のパート勤務は接客業であり、外貌醜状と複視、神経症状といった後遺障害の影響を考慮すると、労働能力喪失率は20%であり、後遺障害逸失利益は、1005万3615円となるのが妥当だと判断しました。そして、後遺障害の内容・程度等を考慮し、後遺障害慰謝料は830万円が相当であると判示しました。 上記の金額を合計し、Aの後遺障害に関する損害賠償は1835万3615円であると認められました。

交通事故による複視でお悩みなら弁護士にご相談ください

交通事故により複視になってしまった方は、辛い毎日を過ごされていることでしょう。視覚は感覚器官の中でも特に重要な器官ですから、視覚に問題が生じると、大変過ごしにくくなると思います。複視という後遺障害が残ってしまったら、治療やその後の生活のためにも、適正な賠償を獲得したいところです。 そのようなときには、ぜひ弁護士への依頼をご検討ください。特に、医療知識の豊富な弁護士であれば、治療段階からアドバイスをもらえます。後遺障害等級認定では、治療内容についても認定材料となるので、後遺障害等級認定も視野に入れている場合には、ぜひ医療に強い弁護士にご相談ください。

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