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高次脳機能障害9級の症状と解決事例

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交通事故により、高次脳機能障害という後遺障害を負ってしまわれた場合、後遺障害等級は何級に認定されるのでしょうか? 高次脳機能障害で認定される可能性のある後遺障害等級としては、

  • 別表1(介護を必要とする後遺障害):1級、2級
  • 別表2:3級、5級、7級、9級

(自賠法上の後遺障害別等級表より) があります。高次脳機能障害の症状の程度によって、認定される後遺障害等級は変わります。上記に挙げた後遺障害等級の他にも、症状の程度により、高次脳機能障害を認めることは難しいものの、神経症状として後遺障害が残っていることから、別表2の12級、14級が認定される可能性もあります。 今回は、高次脳機能障害で認定される可能性のある後遺障害等級のうち、「後遺障害等級9級」が認定される場合について説明していきます。

高次脳機能障害で後遺障害等級9級が認定されるには

高次脳機能障害で認定される可能性のある後遺障害等級のうち、後遺障害等級9級とは、自賠法上の後遺障害別等級表では、「9級10号:神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」とされています。 「労務が相当程度に制限されるもの」とはどの程度なのか、自賠責保険における後遺障害の認定基準は原則的に、労災保険における後遺障害の認定基準が準用されているため、労災保険の基準が参考となります。 高次脳機能障害の認定の際、労災保険では、①意思疎通能力問題解決能力作業負荷に対する持続力・持久力社会行動能力の喪失の程度を、各能力A~Fの6段階で評価されます。 9級10号の要件としては、上記①~④のうちCが1つ以上(Cとは、能力の相当程度が失われている状態)とされています。 この基準は非常に抽象的ですので、どの程度の症状がこの記載に当てはまるのか、もう少しわかりやすく説明しますと、「一般就労を維持できるが、問題解決能力等に障害が残り、作業効率や作業持続力等に問題があるもの」という症状がある場合、後遺障害等級9級が認定される可能性があるということです。

後遺障害等級が9級になる高次脳機能障害の具体例

札幌地方裁判所 平成26年(ワ)第976号 平成29年9月22日

神経心理学的検査の結果、原告は、軽度の知能低下等による遂行機能障害等があり、高次脳機能障害の程度は軽度と診断された。 また、現在の原告の症状等として、ストーブの消化や家の戸締りの忘れ、記憶障害、知らない場所に一人で到達することができないことがある、言いたい内容を適切に相手に伝えるのが困難というような行動がみられた。 もっとも、原告は、普通科高等学校及び専門学校を卒業し、複数回転職したものの、現在まで調理師として稼働していること、Aと同居及び婚姻し、子をもうけるなど家庭生活を営んできたことが認められた このような事実及び診断結果によれば、原告は、一般就労を維持することができるが、問題解決能力等に障害が残り、作業効率、作業持続力等に問題があると認められると認定され、後遺障害として9級10号の高次脳機能障害が認められた。

高次脳機能障害で後遺障害等級が認定されるポイント

そもそも、高次脳機能障害で後遺障害等級が認定されるためには、

  • ① 事故直後から意識障害があること
    (「JCSが3~2桁・GCSが12点以下」が6時間以上継続、または「JCS1桁・GCSが13点~14点」が1週間以上継続。※JCS・GCSとは、意識障害と意識レベルを評価する方法の一種です。)
  • ② 頭部外傷により脳が損傷を受けたことについて、画像所見があること
  • ③ 記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害といった高次脳機能障害特有の症状があること

といったポイントがあります。

高次脳機能障害についてさらに詳しく

上記のうち、頭部外傷が存在しない場合や画像所見がない場合には、高次脳機能障害と認められることは非常に困難になります。その場合も、非器質的(脳組織に異常はない状態)な精神障害として、後遺障害等級9級10号、12級13号、14級9号等が認定されることはあります。その際には、パニック障害やPTSD等の傷病名で診断されるでしょう。

高次脳機能障害で後遺障害等級9級が認定された場合の慰謝料

交通事故により後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害が残ってしまったことによる精神的苦痛に対して、後遺障害慰謝料を請求できます。 慰謝料の算定基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類があります。高次脳機能障害で後遺障害等級9級が認定された場合、後遺障害慰謝料の相場は、3種類の慰謝料の算定基準別に、以下のとおりになります。

  • 自賠責基準:245万円
  • 任意保険基準:300万円(※保険会社によって差異があります。)
  • 弁護士基準:690万円

慰謝料の相場についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

慰謝料の相場についてさらに詳しく

高次脳機能障害で後遺障害等級9級が認められた裁判例

・名古屋地方裁判所 平成20年(ワ)第5734号 (交通)損害賠償請求事件

〈事案の概要〉

この事案の交通事故態様は、片側6車線の道路において、第5車線を走行中のバイクと、信号待ちで停止していた自動車の間を抜けて第1車線から第5車線に進入してきた原動機付自転車が衝突したというものです。この交通事故により、被害者であるバイクの運転者は、左橈(とう)骨(こつ)遠位端骨折や頚部挫傷、下顎骨骨折の傷害を負いました。 この裁判では、高次脳機能障害が認められるかどうかということが争点になりました。 自賠責保険においては、「初診時に意識清明であること・画像上、頭部外傷の異常所見が認められないこと・事故前からアルコール依存症が認められることから、事故後の精神症状は事故前とほぼ同程度であること」といった理由から、「非該当」とされていました。

〈裁判所の判断〉

裁判所は、まず、「事故後に意識障害があったこと」を認めました。「搬送先の病院で、問いかけに反応があるも傾眠傾向であったこと・医療機器を引っ張ったりしたこと・他の部屋を徘徊したりしたこと・被害者には事故時の記憶がないこと」等が考慮されたためです。 次に、「事故の前後で精神症状に変化がないかどうかは、事故前の診断がないため、確定することはできない」としました。 そして、「事故後に意識障害があったこと・精神症状(物忘れ、新しいことの学習障害、飽きっぽい、友達付き合いが困難等)がみられること・事故により顔面に大きな衝撃を受け、脳にも衝撃があったこと」を総合的に考慮し、「わずかな虚血性変化や側脳室の拡大、萎縮傾向といった、脳の損傷を受けたこと」を認めました。そのうえで、「事故により脳に損傷を受け、その結果精神症状の後遺障害が残ったものと認めるのが相当である」と判断しました。 また、アルコール依存症に関し、「アルコール依存症の影響は否定できないにしても、事故と精神症状との因果関係を否定するものとはいえない」としました。 最終的に、後遺障害等級については、検査結果と、事故後に就労したことがあることを考慮し、「後遺障害等級9級」を認めました。 結果として、自賠責保険で非該当とされたものの、裁判において後遺障害等級9級が認められた事案になります。

・大阪高等裁判所 平成19年(ネ)第3245号、第3470号 損害賠償請求控訴事件、同附帯控訴事件

〈事案の概要〉

この事案の交通事故態様は、被害者がトラックで走行中、反対車線から中央線を越えて被害者が走行している車線に進入してきたトラックと衝突したというものです。この交通事故により、被害者は、頭部外傷Ⅱ型(脳震盪型)や頭部挫創、顔面挫創、両足関節挫傷等の傷害を負いました。 この裁判では、高次脳機能障害が認められるかどうかということが争点になりました。 自賠責保険においては、「画像上、前額部に創傷は認められるものの、外傷性脳内病変は見られず、外傷に起因する異常所見はない」といった理由から、「非該当」とされていました。

〈裁判所の判断〉

裁判所は、まず、傷害について、「交通事故態様・搬送先の病院での処置内容・カルテの記載内容」等から、「事故により、右前頭部を強くフロントガラスに打ち付けたこと」を認めました。 また、事故後の症状として、「探し物が多い・何度も同じことを聞いてしまう・仕事現場を間違えることもある等の“記憶障害”」「怒りっぽくなる・仕事先でもけんかする等の“易怒性”」の他、「意欲及び発動性の低下」「注意障害」「眠気」といった症状が発生したことを認めました。 そして、「高次脳機能障害は、画像所見での発見が困難である旨の文献も複数見られることから、画像所見を一つの判断要素としつつも、交通事故態様・事故前後の状況の比較等を総合的に考慮して、高次脳機能障害が残っているかを判断すべきである」としました。 そのうえで、「交通事故により頭部に極めて大きな外力を受けて頭部外傷の傷害を負ったこと・早期に意識回復したというものの、意識清明に戻るのに一定の時間を要したこと・事故後の症状は、典型的な高次脳機能障害の症状であること・事故後の知能検査は、ほぼ正常の範囲内にあるものの、事故前の被害者の知能は普通よりも高めであったとみられるため、軽度の知的障害が認められること」を総合的に考慮し、「交通事故により、高次脳機能障害の症状が発生したことを認める」と判断しました。 最終的に、後遺障害等級については、高次脳機能障害の症状により、自営業を廃業し、その後就労したものの退職に追い込まれたことを考慮し、「後遺障害等級9級」を認めました。 結果として、自賠責保険で非該当とされたものの、裁判において後遺障害等級9級が認められた事案になります。

・神戸地方裁判所 平成17年(ワ)第628号 損害賠償請求事件

〈事案の概要〉

この事案の交通事故態様は、信号機のない交差点で、一方通行を進行する車両の後ろを通過しようと、一方通行で進入禁止の道路入口にまで乗り入れていた原付自動車と、道路入口を横断していた自転車が衝突したというものです。この交通事故により、被害者である自転車の運転者は、頭部外傷や脳挫傷、頚部捻挫等の傷害を負いました。 この裁判では、被害者の症状が高次脳機能障害に該当するかどうかということが争点になりました。加害者側は、「初診時に意識清明であり、画像所見がないため、高次脳機能障害に当たるとはいえない」と主張していました。

〈裁判所の判断〉

裁判所は、医師が下した後遺障害診断と、被害者が別に通院していた病院の助教授が下した診断から、「事故を契機に部分的に記憶がないという解離性健忘と、特定不能の認知障害(=高次脳機能障害)の後遺障害を残して症状固定したとみるのが相当である」としました。 そして、「事故後の意識が清明であったこと・画像上では脳に特別な異常がみられなかったこと等から、被害者の現在の症状が器質性の障害であるとみることはできない」としつつも、「被害者の現在の症状は、事故を起点として発生しているとみられること・複数の検査結果により客観性が担保されていること・事故以外の原因が見当たらないこと」等から、「被害者の現在の症状と事故とは、相当因果関係があるとみるのが相当である」と判断しました。 後遺障害等級については、病院での検査結果から、「一般就労を維持できるが、問題解決能力等に障害が残り、作業効率や作業持続力等に問題があるものにとどまる」とし、「後遺障害等級9級10号」を認めました。 結果的に、非器質的な高次脳機能障害として後遺障害等級9級が認められた事案になります。後遺障害等級認定には、医師の診断内容が重要であることがお分かりいただけたかと思います。

高次脳機能障害かもしれないと思ったらご相談ください

高次脳機能障害は、一見すると健常であるように見えるため、後遺障害を負っているとは気づかれにくく、見過ごされてしまうこともあります。そのため、交通事故による後遺障害のなかでも、症状の把握や判断が難しい後遺障害でもあります。 交通事故前に比べて、物忘れが多くなった、怒りっぽくなった、2つのことが同時に行えなくなった等の変化がある場合には、高次脳機能障害が疑われます。このような高次脳機能障害の症状がある場合には、弁護士にご相談いただくことをおすすめします。弁護士に相談し、依頼することで、見過ごされてしまいがちな高次脳機能障害で、適切な後遺障害等級が認定され、適正な損害賠償金額を受け取れる可能性が高まるでしょう。

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