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胸郭出口症候群と後遺障害

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員

交通事故に遭った後、腕の痛みやしびれ、だるさ、握力の低下等の症状がみられる場合は、胸郭出口症候群(TOS:Thoracic Outlet Syndrome)を発症しているかもしれません。
胸郭出口症候群とは、どのような疾患なのでしょうか?
後遺障害等級認定の申請の問題に焦点を当てながら、説明していきます。

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群とは、胸郭出口と呼ばれる部分が圧迫され、そこを通る神経(腕神経叢)や血管(鎖骨下動脈・静脈)が圧迫されるために生じる一連の症状をいいます。 胸郭出口とは、神経の束や血管が通っている、鎖骨と一番上の肋骨の間にある狭い隙間のことです。胸郭出口には物理的に狭く圧迫されやすい空間があり、狭窄部位や原因ごとに、それぞれ斜角筋症候群、肋鎖(ろくさ)症候群、小胸筋症候群、頚肋(けいろく)症候群の4つに分類できます。これらの症候群を総称して、胸郭出口症候群と呼びます。 交通事故によって、胸郭出口症候群を発症してしまったら、病院で適切な治療を受けましょう。

治療方法

病院では、保存療法と再発予防を目的としたリハビリを中心とする治療を行います。具体的には、次のような治療です。

○保存療法
・肩を少しすくめた状態を保ち安静にさせる(なお、装具を用いることもある)
・消炎鎮痛剤やビタミンB1等の投与といった対症療法

○再発予防
・リハビリテーション…僧帽筋や肩甲挙筋の強化
・再発予防のための動作指導…腕を挙げた位置での仕事や重いものを持ち上げること、長時間のデスクワークを避けるよう指導する等

保存療法で症状が改善せず、症状が再発する場合には、神経や血管を圧迫している構造の除去を行う手術療法が選択されます。

○手術療法…神経や血管を圧迫している構造の除去
・頚肋切除術
・第1肋骨切除術
・筋肉切除術

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群は、神経や血管が圧迫されることで発症するため、症状としても神経機能や血管機能の異常に関わる内容が多くみられます。
以下、具体的な症状をご紹介していきますので、心当たりがないかご確認ください。

神経症状

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 上肢の刺すような痛み、ちくちく感
  • 上肢のしびれ、倦怠感
  • 握力の低下
  • 巧緻性障害…箸をうまく使えない、ボタンをうまくかけられない、字をうまく書けない等

血管症状

  • 血行障害…皮膚の変色(白みがかったり青紫色になったりする)、痛み、冷感等
  • 感覚障害…触覚・痛覚・温度覚といった感覚の減退、しびれ等

胸郭出口症候群と関係のある後遺障害等級と慰謝料

交通事故による胸郭出口症候群で神経症状を発症し、症状が後遺症として残ってしまうケースもあります。
この場合、後遺障害として認められるべく、等級認定の申請を行いましょう。
認定されると、後遺障害分の慰謝料等が請求できるようになり、損害賠償の増額に大きく影響を与える可能性があるためです。
では、後遺障害として認められる神経症状とはどのようなものなのか、詳細をみていきましょう。

神経症状

胸郭出口症候群の神経症状では、主に神経の圧力や損傷を原因として、上肢の痛みや麻痺といった感覚が現れます。
そのため、将来的に後遺症を抱え続けることになった場合には、神経への影響に起因する神経症状の一種として、12級13号もしくは14級9号の等級で後遺障害認定がなされる見込みがあります。
ただし、認定獲得にあたっては、症状の医学的な立証もしくは説明が必要で、立証内容によって等級数が変動します。
血管造影検査や症状誘発テスト等での立証方法が考えられますが、自賠責でこのような検査結果単独では、なかなか12級13号の後遺障害等級は認定されません。
そもそも胸郭出口症候群が交通事故によるむちうちにより、発症するのかという点が医学上も根強い争いがあるためと考えられます。
一方で、他覚的な画像所見はないものの、受傷以降一貫して症状を訴え続けていた経過等を根拠に、14級9号が認定される可能性は十分あります。

請求できる後遺障害慰謝料

等級 自賠責基準 弁護士基準
12級13号 94万円 290万円
14級9号 32万円 110万円

※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

まずは交通事故の受付スタッフが
丁寧にお話しをお伺いいたします

胸郭出口症候群の診断方法

胸郭出口症候群は、主に後述の誘発テストによって診断されます。
胸部X線検査やCT、MRI画像検査を組み合わせ、骨の変形や骨折等による神経の圧迫や損傷がないか、血管造影検査等で血管の圧迫がないか等を調べることもありますが、補助的なものに留まります。

誘発テスト

誘発テストとは、症状を誘発する動作を行い、実際に症状が発生するか否かを調べる検査方法をいいます。 胸郭出口症候群は、斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群、頚肋症候群という、原因の異なる4種類の症候群の総称です。これらの症候群は、神経や血管の圧迫部位が異なるため、治療するにはどの部位が圧迫されているのかを見極める必要があります。そこで役立つのが、次の5種類の誘発テストです。

モーレイテスト(モーリーテスト)

腕神経叢という鎖骨上のくぼんだところ(斜角筋)に神経の集合部分があります。この斜角筋のくぼんだ所を、着席した姿勢で、指で押していくテストです。
圧痛または放散痛がみられた場合には陽性となり、斜角筋症候群や頚肋症候群を伴っているかもしれないと判断されます。

アドソンテスト

座った状態で、症状のある腕側に首を回旋させた後、顎を上げた状態で深呼吸させ、橈骨動脈の脈拍の変動を確認する検査です。脈拍が小さくなるないし消失する場合は陽性で、斜角筋症候群もしくは頚肋症候群の疑いがあります。

エデンテスト

まず、着席した姿勢のまま胸を張ります。そして、下方向に向け、症状がみられる側の腕を引いていくことで、橈骨動脈における脈拍の変化をチェックするという内容です。
結果、脈拍の減少もしくは消失が確認された場合には、肋鎖症候群を伴っていると疑われます。

ライトテスト(過外転テスト)

座った状態で、橈骨動脈を計りながら、両手ないし片手を外側から頭上へ上げ、脈拍の変動を確認する検査です。脈拍が小さくなるないし消失する場合は陽性で、小胸筋症候群の疑いがあります。
15%の確率で偽の陽性反応が出るため、ルーステストと併用することが推奨されます。

ルーステスト(三分間挙上負荷テスト)

着席し、両方の腕を上に向けて直角に曲げた体勢をとります。そして、手を握る、開くという反復動作を3分間行うという内容です。
テスト中に、手の指にしびれが現れたため、または前腕に倦怠感が感じられたために腕を挙げることができなくなったり、上半身の色が青白く変化したりするといった症状が発現する場合には、小胸筋症候群を伴っている可能性があります。
なお、ライトテストと比較すると、より高確率で正確な陽性結果が現れるため、検査時にはルーステストとライトテストの併用が望ましいとされています。

胸郭出口症候群の後遺障害等級認定は難しい

胸郭出口症候群が診断されたからといって、当然に後遺障害等級が認められるわけではありません。どのような場合に胸郭出口症候群が「交通事故の外傷により」発症したといえるか、交通事故との因果関係を証明しづらく、胸郭出口症候群の後遺障害等級認定は難しいといわざるを得ません。 なぜなら、 ①胸郭出口症候群の発症には、なで肩や筋肉質といった身体的な素因が寄与している場合があること
②症状の医学的な証明や説明が難しいこと
といった理由があるからです。

弁護士にご相談ください

後遺障害等級の認定を受けるためには、交通事故によって後遺症が発生したこと、つまり交通事故との因果関係の証明と、症状の医学的な証明または説明が必要です。 胸郭出口症候群の場合、これらの証明や説明が難しいといわれていますが、胸郭出口症候群の後遺症で悩まれている方がいらっしゃるのも事実です。 胸郭出口症候群の後遺症でお悩みの方は、特に医療に強い弁護士にご相談ください。交通事故と後遺症との因果関係の証明、症状の医学的な証明または説明ができると認められるためには、後遺障害等級認定申請の経験や医学的知識が欠かせません。 適切な後遺障害等級の認定を受け、適正な賠償を受けるためにも、後遺障害等級認定申請の経験があり、医療問題に強い弁護士が集まる弁護士法人ALGにご相談、ご依頼ください。

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胸郭出口症候群の後遺障害が認められた裁判例

【名古屋地方裁判所 平成24年3月30日判決】

<事案の概要>

被告運転の普通乗用自動車が、原告が同乗していた普通乗用自動車に追突し原告が受傷したため、被告に対して損害賠償を請求した事案です。 原告が、本件事故により、左外傷性胸郭出口症候群等の傷害を負い後遺障害が残ったと主張したところ、被告が否定したため、争いとなりました。

<裁判所の判断>

裁判所は、原告が通院した外来診療録や救急隊活動記録表から、本件事故後、原告が頚部及び左肩周辺の痛みやしびれを訴え、検査の結果、外傷性左胸郭出口症候群と診断されたことや、同病院の診療録で胸郭出口症候群を示す記載があった事実等を確認し、これらの事実を踏まえ、原告が、本件事故により胸郭出口症候群となったことを認めました。

被告は、原告には、X線、MRI画像上、明らかな異常所見は認められず、また筋電図検査、サーモグラフィ検査においても明らかな左右差もなく、病的反射もなく、左上肢筋萎縮も認められないことから、外傷性胸郭出口症候群を発症したとは認められない等と主張しました。

しかし、裁判所は、本件事故による肩や腕の痛み、しびれとつながる症状が本件事故直後に見られなかったということはないと判断し、また、胸郭出口症候群では重症な症状が現れることは稀であるから、原告の胸郭出口症候群を否定することはできないと判断しました。加えて、症状固定が診断されたものの、未だ痛みのために左手にあまり力を入れられず、重い物は持てないという状態にある事実を認め、後遺障害等級12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当すると認めました。

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