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自律神経失調症と後遺障害認定

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故により、自律神経失調症になることはあるのでしょうか?また、なってしまったとして、後遺障害等級は認定されるのでしょうか? 本記事では、交通事故の後遺症としての自律神経失調症に焦点を当て、後遺障害等級認定について解説していきます。

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こんな症状が続いていたら自律神経失調症の可能性あり

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経から成る自律神経のバランスが崩れた際に起こる症状の総称です。 交感神経は活動時に、副交感神経は休息時に、それぞれ優位になり、12時間交代で優位が入れ替わることで身体のバランスを保っています。ところが、ストレスを受けると脳から交感神経を活発化させるホルモンの分泌命令が出されてしまい、交感神経が優位になり続けてしまいます。 自律神経は、血管、リンパ腺、内臓等といった全身の器官をコントロールしているため、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、全身の機能に支障をきたし様々な症状が出てしまいます。自律神経失調症の症状としては、次のようなものがあります。

身体症状

  • めまい、ふらつき
  • 冷や汗
  • 震え
  • 動悸
  • 立ち眩み
  • 耳鳴り
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 微熱
  • 倦怠感
  • 不眠等

精神症状

  • 不安感
  • イライラ感
  • 気分の落ち込み
  • 意欲・集中力の低下等

交通事故で自律神経失調症になる原因

自律神経失調症は、前述のとおり、ストレス等により交感神経・副交感神経から成る自律神経のバランスが崩れることで発症します。交通事故で自律神経失調症を発症する最大の原因は、むちうちだといわれています。 むちうちとは、交通事故による衝撃により首が鞭のようにしなり、首の筋肉や靭帯、神経等を損傷することです。首には交感神経が通っており、むちうちにより交感神経が圧迫されたり損傷されたりすることがあります。これにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経失調症を発症してしまう場合があります。 また、むちうちになると、首の痛みやこり、めまい、吐き気、手足のしびれ、倦怠感等が生じることが多く、これらの症状がストレスとなり、自律神経失調症を発症・増悪させる場合があります。 なお、むちうちの分類の一つであるバレリュー症候群は、頚部の自律神経症状のことです。詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。

自律神経失調症で認定される可能性のある後遺障害等級と慰謝料

自律神経失調症が後遺障害として認められる場合、認定され得る後遺障害等級は12級13号と14級9号です。 12級13号は、他覚所見があり、交通事故と因果関係のある後遺症の存在を医学的に証明できる場合に認定されるのに対し、14級9号は医学的説明に留まる場合に認定されます。 自律神経失調症の場合でも、医学的な証明があれば12級13号を認定されることが可能です。

請求できる後遺障害慰謝料

等級 自賠責基準 弁護士基準
12級13号 94万円※1 290万円
14級9号 32万円 110万円

※1:自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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慰謝料の計算例-自律神経失調症の後遺障害等級が認定された場合

自律神経失調症が後遺障害等級認定された場合、実際に請求できる慰謝料はどれくらいなのでしょうか?入院なし、通院期間8ヶ月(240日/継続中)、実通院日数196日、後遺障害等級14級9号の場合を例に計算します。 なお、例の場合に請求できるのは、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類です。

自賠責基準

入通院慰謝料
自賠責基準では、日額4300円※2
①通院期間
②実通院日数×2
のいずれか少ない方をかけて、入通院慰謝料を算出します。

また、通院継続中の場合には通院日数に7日をプラスして考えるので、
①247日(240日+7日)<406日{(196日+7日)×2}
したがって
「入通院慰謝料=4300円×247日=106万2100円
となります。

※2:令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準の日額4200円が適用されます。

後遺障害慰謝料
自賠責基準では、後遺障害等級14級9号の後遺障害慰謝料は、32万円となります。

総額
よって、請求できる慰謝料の総額は、
「106万2100円+32万円=138万2100円
となります。

弁護士基準

入通院慰謝料
弁護士基準では、赤い本(『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』)の入通院慰謝料表を用いて計算します。基本的には別表Ⅰを用いますが、例のように他覚所見のない傷害の場合には、別表Ⅱを用います。 別表Ⅱの、入院なし・通院期間8ヶ月が重なる部分を参照すると、
「入通院慰謝料=132万円
となります。

後遺障害慰謝料
弁護士基準では、後遺障害慰謝料14級9号の後遺障害慰謝料は、110万円となります。

総額
よって、請求できる慰謝料の総額は、
「132万円+110万円=242万円
となります。

自律神経失調症の診断と後遺障害等級認定は非常に難しい

自律神経失調症は診断が難しく、そのため後遺障害等級認定も非常に難しい症状です。 なぜ診断が難しいかというと、 ・他覚症状がないことが多いため、自覚症状によるところが大きく、症状の証明が困難 ・症状が似ているため、むちうちと診断されがち
といった理由があるからです。 そして、そもそも自律神経失調症の診断が難しいことに加え、 ①事故から時間が経過してから症状が出ることが多い等、事故との因果関係が証明しにくい ②治療期間が短くなりがち といった要因により、後遺障害等級認定も非常に難しいのが現状です。

後遺障害等級認定のポイント

自律神経失調症で後遺障害等級認定を受けるためには、 ・自律神経失調症の存在を医学的に証明・説明すること ・交通事故が原因の自律神経失調症であるという因果関係を証明・説明すること 上記の2点が必要になります。

自賠責保険の後遺障害等級の認定は書類審査となるので、通院した病院の診断書や診療録がチェックされます。事故に遭われた直後から治療を継続し、医師に自律神経失調症と考えられる症状を伝えて記録を残してもらったり、各種検査を受けたりすることが重要となります。治療の内容も見られますので、適切な治療を受けることも重要です。

後遺障害等級認定は弁護士への相談がおすすめ

交通事故による自律神経失調症について、後遺障害等級認定を受けることは難しいとご理解いただけたかと思います。しかし、いくら難しいといっても自律神経失調症で悩まれている被害者の方々は確かにいらっしゃいます。 交通事故による自律神経失調症でお悩みの方は、ぜひ医療に強い弁護士にご相談ください。

自賠責保険による後遺障害等級認定で過不足なく自身の後遺症について主張するためには、法的知識だけでなく、医学的知識も必要です。後遺障害等級申請の経験があり、医療に強い弁護士に相談すれば、後遺障害等級認定のポイントを踏まえた適切な治療の受け方のアドバイスを受けることができるので、自律神経失調症の存在や交通事故との因果関係について正しく認められ、後遺障害等級が認定される可能性が高くなります。 また、弁護士に依頼すれば、煩雑な申請手続きや申請に必要な資料の収集等に煩わされることはありません。 治療に専念し、適正な賠償金を受け取るためにも、後遺障害等級認定申請の経験があり、医療問題に強い弁護士が集まる弁護士法人ALGにぜひご相談、ご依頼ください。

交通事故と自律神経失調症の因果関係が立証された裁判例

実際に、交通事故と、自律神経失調症の一種であるバレリュー症候群の因果関係が立証された裁判例をご紹介します。

【旭川地方裁判所 平成13年2月22日判決】

<事案の概要>

原告の運転する普通乗用車が交差点手前で停止していたところ、後続車である被告の運転するトラックが他車両に衝突した後、ブレーキをかけずに追突してきたため、原告が頚椎捻挫、腹部圧迫絞創、右膝部打撲傷等の傷害を負った事案です。 原告に残った後遺障害の内容について、主要な争点になりました。

<裁判所の判断>

裁判所は、凍結した道路上でブレーキをかけずに追突されたことにより原告が頚椎捻挫等を受傷し、治療を受けたものの、症状固定日において、 ・自覚症状:頭痛、顔面疼痛、両僧帽筋疼痛、耳鳴り、吐き気及び視力低下、調節衰弱、眼痛等の眼症状等 ・他覚的所見:交感神経の過敏症状、第後頭神経三叉神経症候群の頑固な神経症状 が残った事実を認めました。 そして、これらの症状は、本件事故を誘因として生じた、バレリュー症候群とそれによく伴う眼症状としての調節障害が後遺障害であると認定しました。

被告は、調節障害は一年程度で自然治癒するのが通常であるところ、本事案では増悪していることからすると、調節障害は原告の心因的要素に起因するものであるとして、事故との因果関係を否定する主張をしていました。 しかし裁判所は、原告の眼症状が本件事故を契機として発現したことは明らかであり、バレリュー症候群と心因的要因が影響して症状が発現することは稀ではないと経験則上認めることができるから、原告の症状は、交通事故による受傷と心因的要素が競合して発症したものと認めるのが相当であるとしました。 また、医師の回答書より、①疼痛以外に自律神経症状を伴うことで労働能力は一般人と比較し、相当程度喪失している状態と考えられること、②視覚正常者を前提とした労働は難しいと思われる旨の記載があること、③現在においても、原告には神経症状と調節障害が残存していること等を考慮し、原告の後遺障害は後遺障害等級9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」に該当すると判断しました。 もっとも、原告の後遺障害には心因的要素が関係していることから、損害の公平な分担という損害賠償の理念に照らし、後遺障害逸失利益・後遺障害慰謝料について40%が減額されました。 心因的要因が寄与する自律神経症状について、減額しつつも、後遺障害として認めた裁判例として参考になります。

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