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バレリュー症候群の治療法と後遺障害について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故に遭ってから何日も経過した後に、酷い吐き気やめまいがする等、普段とは明らかに体調がおかしいといった異変を感じることがあります。 「バレリュー症候群」は、その傷病名自体は耳にされたことがない方も多いと思いますが、交通事故の被害に遭った際、散見する傷病といわれています。 ここでは、交通事故で発症することが多いバレリュー症候群に焦点を当て、その症状や治療方法、請求できる慰謝料等を解説していきます。

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交通事故によるバレリュー症候群とは

バレリュー症候群という傷病名は、フランス人のバレとリューによって発表されたことに由来しています。「後部頚交感神経症候群」ともいわれ、首の損傷により頚部の交感神経に異常が生じ、頭部や顔面に頑固な自覚症状が現れます。受傷後2~4週間程度経過してから、受傷箇所の頚部痛等ではなく、頭痛やめまい、吐き気、耳鳴り、血圧低下等の症状が悪化し、3~6ヶ月程度経過しても改善がみられないことから判明するのが特徴です。 バレリュー症候群は、交通事故による「むちうち」から派生します。事故によって頚部に強い衝撃を受けたことで発症するケースが多く、その症状が類似していることから、しばしば自律神経失調症と診断される場合があります。そのため、事故との因果関係が非常に重要であり、受傷直後からの症状の変遷が要となります。 交通事故により強い衝撃を受けたら、受傷直後は自覚がなくても、病院で診察と必要な検査を受けましょう。その際、できるだけ交通事故の受傷患者を積極的に受け入れている病院を選ぶことも有用です。バレリュー症候群と診断された場合は、医師の指示のもと定期的な通院を継続し、自覚症状をできるだけ詳細に医師に訴えることが重要です。治療の徹底が最優先ですが、万が一後遺症が残ってしまうことも想定しておきながら、適切な通院治療を心がけましょう。

病院で治療を受ける

交通事故により首に強い衝撃を受けたら、できるだけ早く、レントゲンやCT、MRI等の画像検査を受けましょう。 加害者側に対して治療費や慰謝料等を請求するためには、受傷した怪我と交通事故との因果関係を明らかにすることが不可欠です。バレリュー症候群を含む、むちうちの最大の特徴は、レントゲンやCT、MRI等の画像検査結果で他覚的所見が困難であるという点です。逆に、画像検査結果で他覚的所見がみられないのに、交通事故からの一貫した自覚症状があったり、神経学的テストの検査結果が陽性だったりした場合は、交通事故との因果関係を主張することができます。 バレリュー症候群は、基本的に投薬治療や運動療法、心理療法等といったむちうちの治療に準じます。交通事故から一定期間経過してから、交感神経が過緊張・興奮状態となって発症するため、それを抑える治療を行います。例えば、抗交感神経薬のαブロッカーの処方や頚部交感神経ブロック(星状神経節ブロック)、硬膜外ブロック、トリガーポイント等の注射を施したりします。整形外科でもこのような治療を受けることができますが、診断や治療を受けられない場合は、麻酔科や神経内科、痛みを抑える治療を施すペインクリニック等を並行して受診すると良いでしょう。 何より重要なのは、適切な通院と自覚症状の一貫性です。痛みが伴う中、身体的・精神的な負担が重なりますが、あきらめず通院を継続することが重要です。

交通事故によるバレリュー症候群の原因

交通事故によるバレリュー症候群は、首や頚椎に強い衝撃を受けたことに起因しています。首や頚椎を損傷すると、頚椎捻挫型、神経根症型、脊髄症(脊髄損傷)型の他に、自律神経症状を主体とする疾患が現れ、これをバレリュー症候群といいます。 交通事故による受傷から一定期間経過してから、交感神経が過緊張・興奮状態となって発症するため、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、血圧低下といったいわゆる不定愁訴から自律神経失調症と混同されることが多いのが特徴です。 不定愁訴の類の器質的病変が、画像検査等によって裏付けできないものが自律神経失調症であることに対し、バレリュー症候群は、“交通事故による”頚部の自律神経機能の異常により生じていることを指します。

むちうちとバレリュー症候群の関係

バレリュー症候群は、むちうちから派生し症状が発生することがよくあります。 交通事故によるむちうちは、頚椎を損傷したことにより、首や肩、手足に痛みや痺れが生じることが一般的です。おおむね3~6ヶ月程度の治療により、治癒または症状固定のタイミングを迎えます。 しかし、その期間を経過しても頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、血圧低下といった症状が出現し、改善がみられない場合は、バレリュー症候群を発症している可能性があります。また、ブロック注射等を施術して症状の緩和・改善がみられる場合は、より発症していることが濃厚といえます。

バレリュー症候群で認定される可能性のある後遺障害等級と認定基準

交通事故に遭ったために発症したバレリュー症候群が、治りきらずに後遺症として残ってしまう場合があります。交通事故に遭わなければ抱えることのなかった後遺症は、損害として加害者側に賠償請求するために「後遺障害」として認定される必要があります。 バレリュー症候群が後遺障害として認定される基準は、自賠法施行令の別表によると、「局部に頑固な神経症状を残すもの」または「局部に神経症状を残すもの」です。前者が後遺障害等級第12級13号、後者が第14級9号です。

神経症状

バレリュー症候群による神経症状とは、交感神経の異常による自律神経失調症の症状と類似しています。不定愁訴の類で、画像検査等による他覚的所見が困難です。具体的には、首や肩、手足の痛み、痺れといった症状に加えて、頭痛、頭が重い、めまい、視力低下、眼精疲労、流涙、耳鳴り、吐き気、嚥下困難、息苦しさ、血圧低下等の症状がみられます。

請求できる後遺障害慰謝料

等級 自賠責基準 弁護士基準
別表第2 12級13号 94万円 290万円
別表第2 14級9号 32万円 110万円

※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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バレリュー症候群が後遺障害等級認定された場合の慰謝料の計算例

バレリュー症候群が後遺障害等級認定された場合、慰謝料は果たしていくら請求できるのでしょうか?イメージしやすいように、【入院なし・通院期間180日・実通院日数90日・後遺障害等級第14級9号】という条件を、自賠責基準と弁護士基準で算出し、比較してみましょう。

自賠責基準

入通院慰謝料 4300円×180日=77万4000円
後遺障害慰謝料 32万円

慰謝料計 75万6000円+32万円=107万6000円

※新基準で算出しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準の日額4200円が適用されます。

弁護士基準

入通院慰謝料 89万円(※赤い本 別表Ⅱ むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合より)
後遺障害慰謝料 110万円

慰謝料計 89万円+110万円=199万円

バレリュー症候群の後遺障害等級認定は非常に難しい

バレリュー症候群で後遺障害等級が認定されるのは、非常に難しいです。なぜなら、レントゲンやCT、MRI等の画像検査結果において、他覚的所見がないため、どうしても自覚症状の裏付けが希薄になってしまうためです。

バレリュー症候群で後遺障害等級認定されるためのポイント

難しいながらも、バレリュー症候群で後遺障害等級が認定されるためのポイントを紹介します。何より、交通事故との因果関係を立証することが重要です。そのために、一貫した自覚症状を詳細に訴えること、レントゲンやCT、MRI等の画像検査を受けること、ブロック注射等の施術を受けること、適切な通院を行うことが有用です。

交通事故後にバレリュー症候群と診断されてしまったら

ここでは、交通事故の被害に遭ったことにより発症するバレリュー症候群に焦点を当て、特性等を述べてきました。不定愁訴の類のバレリュー症候群は、むちうちから派生した傷病であること、受傷してからしばらくして発症すること、自律神経失調症の症状と類似していること、他覚的所見が困難であるため後遺障害等級の獲得が難しいこと、といった特徴があります。 被害者が被った損害は、加害者側から賠償されるべきです。特に後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害等級の獲得が難しいからといって泣き寝入りはしたくないものです。 交通事故の後、頭痛、頭が重い、めまい、視力低下、眼精疲労、流涙、耳鳴り、吐き気、嚥下困難、息苦しさ、血圧低下等で苦しまれている方は、医師に訴え、治療を徹底してください。そして、適切な損害賠償を受けるために、併せて弁護士にご相談ください。 弁護士に相談する際は、交通事故分野はもちろん、医療分野にも強い弁護士を選ぶことをおすすめします。後遺障害等級を獲得するのは決して簡単ではありませんが、交通事故事件だけでなく、医学的知見も備えていれば、後遺障害等級を獲得できる可能性が高まります。 弁護士は、被害者に代わって被害者のために尽力するため、一番の味方になってくれるという安心感が得られます。少しでも不安を感じた方は、弁護士法人ALGでは交通事故事件のご相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

バレリュー症候群が認められた裁判例

【旭川地方裁判所 平成13年2月22日判決】

<事故概要>

被害車両が交差点手前で停止中に、後続車である加害車両が被害車両の左後方を走行中のバスの右側面に衝突し、その後、被告はブレーキをかけずに被害車両に追突したという事故です。原告は、加害車両の所有者である被告に対し、自賠法3条に基づき、損害賠償を求めました。 原告は、本件事故により、頚椎損傷によるバレリュー症候群、両眼の調節機能衰弱の障害を負い、自賠責保険より自賠法施行令2条後遺障害別等級表併合第8級(前者第9級10号、後者第12級1号)に該当すると認められました。

<争点>

原告の障害に対し、被告は、他覚的な医学所見が伴っていない神経症状であり、受傷後1年を経過してから症状が悪化していることから、ストレス等といった心因的要因によるものと主張しました。

<裁判所の判断>

この点裁判所は、原告の調節障害はバレリュー症候群を契機として、そこに心因的要素が影響して症状が発現するということは稀ではないことを経験則上認めることができるため、本件事故による受傷と心因的要因が競合して発症したものと認めるのが相当であるとしました。 また、両眼の機能検査(視力検査・調節機能検査)は被験者である原告の応答に依存する自覚検査であり、他覚的な医学所見が伴っていない神経症状であるものの、直ちに本件事故との因果関係を否定することは相当ではないとし、原告の後遺障害等級を第9級10号と判断しました。 一方で、原告の症状は心因的要素が影響しているものと考えられるため、損害の40パーセントを控除することが相当であると認めました。 その結果、後遺障害慰謝料は700万円が相当とするところを420万円と認定され、総額として1053万1482円の賠償が認められました。

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