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交通事故の後遺症が残りそうだと診断された場合の対処法

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフを擁し()、東京、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

医師の「後遺症が残りそうだ」という診断は、今後後遺症を抱えることを覚悟すると同時に、示談交渉において重要なタイミングが訪れることを意味します。 このページでは、交通事故被害に遭われた方が適正な賠償を受けるために、本タイミングで注意すべきこと等を解説していきます。

後遺症が残りそうだと言われたら

交通事故の被害に遭ったことにより怪我を負ってしまい、治療を続けていくなかで、医師から「後遺症が残りそうだ」と診断されることがあります。なお、保険会社から治療費の打ち切りを打診され、症状固定を促されることがありますが、治療の必要性を判断するのは保険会社ではなく医師であるため、保険会社に言われるがまま従うのではなく、必要がある限り治療を続けましょう。 そして、治療後(症状固定後)に実際に後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級認定を受けるための手続を進めていくことになります。後遺障害等級認定を受けなければ、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益といった、後遺障害に係る損害賠償金を受け取ることができません。そのため、適切な後遺障害等級認定を受けることが、後に適切な損害賠償金を受け取るうえで大切です。

どうすれば後遺障害等級が獲得できるか

では、後遺障害等級認定を受けるためには、どうすれば良いのでしょうか。 まずは、後遺症が残ってしまったこと、そして残ってしまった後遺症の程度を立証するために、必要な検査を受けましょう。この“必要な検査”については、次項より説明していきますが、後遺症によって様々あります。 また、通院頻度が少ないと、治療の必要性が疑われてしまったり、後遺症の程度がそれほど重くないのではないかと思われてしまったりして、後遺障害等級を獲得できない、または適切な後遺障害等級が認定されない可能性があります。適切な後遺障害等級認定を受けるためには、適切な通院頻度を保つことも、大切なポイントになります。

後遺障害等級認定に必要な検査

目(眼)の後遺症が残ると診断された場合

目(眼)の後遺症が残ると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

視力検査

万国式試視力表を用いた検査で、メガネやコンタクトを装着した状態、つまり矯正視力を測ります。万国式試視力表とは、ランドルト環(Cのマーク)が描かれたものです。視力障害が疑われる場合に行われる検査です。

調節力検査

アコモドポリレコーダーを用いた検査で、近くの物と遠くの物にピントを調節する力を調べます。調節機能障害が疑われる場合に行われる検査です。

ヘススクリーンテスト

複視(物がダブって見える症状のこと)についてはヘスコオルジメーターを用いて検査し、注視野(頭を固定したまま眼球を動かして見える範囲)についてはゴールドマン視野計を用いて検査します。眼球の運動障害が疑われる場合に行われる検査です。

視野検査

ゴールドマン視野計を用いた検査で、見える範囲と感度を調べます。視野障害が疑われる場合に行われる検査です。

フリッカー検査

光の点滅を見る検査で、視神経に疾患があるかどうかを調べます。視野障害が疑われる場合に行われる検査です。

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聴力が下がると診断された場合

聴力が下がると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

純音聴力検査

オージオメーターを用いた検査で、気導聴力(空気を通して伝わる音に対する聴力)と骨導聴力(頭蓋骨を通して伝わる音に対する聴力)を調べます。検査は、7日程度間隔をあけて3回行い、2回目と3回目の測定値の平均で、聴力の程度を判断します。

語音聴力検査

スピーチオージオメーターを用いた検査で、語音聴取閾値(いきち)検査(言葉をどのくらいの音の大きさで聞き取れるかを測定)と語音弁別検査(聞き取った言葉を紙に書き出して測定)を行います。この検査によって、言葉の聞こえ方と聞き分ける能力を調べます。

他覚的聴力検査

先に挙げました、「純音聴力検査」と「語音聴力検査」は、被害者の自覚的な応答によって判断されるため、後遺障害等級認定において疑いが生じ、他覚的聴力検査が必要になる場合があります。 他覚的聴力検査には、「聴性脳幹反応(ABR)」と「アブミ骨筋反射(SR)」があります。「聴性脳幹反応(ABR)」とは、音の刺激で脳が示す電気生理学的な反応を調べる検査です。一方、「アブミ骨筋反射(SR)」とは、耳小骨の一つであるアブミ骨の小骨筋が大音響に対して収縮する、という収縮作用を利用して聴力を調べる検査です。

腕や手が動かしづらくなると診断された場合

腕や手が動かしづらくなると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

上肢可動域検査

上肢の関節(肩・肘・手首)や手の指がどのくらい動くのか、角度を調べる検査です。健常な方(健側)と障害が残る方(患側)の両方を比較し、運動機能障害の有無を調べます。

画像検査(レントゲン、CT、MRI撮影等)

画像上で、骨折しているかどうか、神経を圧迫している腫瘍等がないかどうか等を調べる検査です。

足が動かしづらくなると診断された場合

足が動かしづらくなると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

下肢可動域検査

下肢の関節(股・膝・足首)や足の指がどのくらい動くのか、角度を調べる検査です。健常な方(健側)と障害が残る方(患側)の両方を比較し、運動機能障害の有無を調べます。

画像検査(レントゲン、CT、MRI撮影等)

骨折や靱帯損傷等によって関節の不安定性が疑われる場合に行われる検査で、画像上で関節のズレ方を調べます。

前方(後方)引き出しテスト

靱帯損傷によって関節の不安定性が疑われる場合に行われる検査です。膝を90度曲げて足を軽く固定した状態で、前十字靭帯損傷の場合には、脛(けい)骨(こつ)を前方に引き出せるかどうか、後十字靭帯損傷の場合には、脛骨を後方に移動できるかどうかを調べます。

前方引き出しテスト 後方引き出しテスト

嗅覚が落ちると診断された場合

嗅覚が落ちると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

基準嗅力検査

T&Tオルファクトメータという検査キットを用いた検査で、嗅覚障害の程度を調べます。この検査により、嗅覚減退(においがわかりにくい)や嗅覚脱失(においがまったくわからない)を確認します。

静脈性嗅覚検査

アリナミン静脈注射(※アリナミンPであり、アリナミンFではありません。)を行うことで、鼻の奥でにんにく臭を感じます。このにおいを感じるまでの時間と、感じなくなるまでの時間を測定し、嗅覚障害の有無を調べる検査です。この検査により、嗅覚障害の程度については確認できませんが、嗅覚脱失は確認できます。

むちうち(頸椎捻挫)の症状が残ると診断された場合

むちうち(頸椎捻挫)の症状が残ると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

画像検査(MRI撮影)

画像上で、椎間板の異常があるかどうか、明らかな神経根・脊髄の圧迫があるかどうかを調べる検査です。 しかし、むちうちの場合、画像では異常が確認しづらいことが多いため、下記の神経学的検査(「ジャクソンテスト」以降の検査)が、後遺障害等級認定においてとても重要になります。

ジャクソンテスト

イス等に座った状態で、後方から前頭部を押し、頭部を後方に曲げながら圧迫することで、神経根の痛みやしびれを調べる検査です。

ジャクソンテスト

スパーリングテスト

イス等に座った状態で、後方から頭をつかみ、頭部を後方に曲げながら圧迫し、その後頭部を左右に傾けて圧迫することで、神経根の痛みやしびれを調べる検査です。

スパークリングテスト

(深部)腱(けん)反射テスト

腱を検査器具(ゴムハンマー等)で叩き、その反射を確認する検査です。神経根や末梢神経に障害がある場合、反射がない、または反射が弱くなります。

(深部)腱(けん)反射テスト

病的反射テスト

むちうちにより中枢神経の障害が疑われる場合に行われる検査で、主な検査の種類として、「ホフマン反射テスト」「トレムナー反射テスト」「ワルテンベルグ徴候テスト」があります。
「ホフマン反射テスト」では、中指の先を上(手の甲側)から弾き、「トレムナー反射テスト」では、中指の先を下(手のひら側)から弾き、「ワルテンベルグ徴候テスト」では、親指以外の4本の指を曲げて検査者と引っ張り合いを行い、各々の検査において親指が内側に曲がるかどうかを調べます。中枢神経に障害がある場合、親指は内側に曲がります。

病的反射テスト

・筋萎縮テスト …肘関節の上下10cm部分の上腕部と前腕部の周りを測り、筋肉が萎縮しているかどうか、筋肉の萎縮の程度を調べる検査です。むちうちの症状として手のしびれや麻痺が残っている場合、神経が麻痺しているため、筋肉を使用しなくなり、健常な方(健側)に比べて障害が残る方(患側)が細くなって(萎縮して)いきます。

・徒手筋力検査(MMT) …検査者の手を用いて筋力を6段階で評価し、筋力の低下の程度を調べる検査です。運動神経に障害がある場合、筋肉を使用しなくなるため、筋力が低下します。

・知覚検査 …試験管・筆・注射針・安全ピン等の様々な道具を用いて、触覚や痛覚等を調べる検査です。神経障害がある場合、感覚がなくなる、または感覚が鈍くなる等の異常があります。

・握力検査 …一般的に行われる、握力計を用いた検査です。神経障害がある場合、健常な方(健側)に比べて障害が残る方(患側)の握力が明らかに低下します。

腰椎捻挫の症状が残ると診断された場合

腰椎捻挫の症状が残ると診断された場合、後遺障害等級認定に必要な検査には、以下のような検査があります。

画像検査(MRI撮影)

画像上で、椎間板の異常があるかどうか、明らかな神経根・脊髄の圧迫があるかどうかを調べる検査です。 しかし、腰椎捻挫の場合、むちうちの場合と同様に、画像では異常が確認しづらいことが多いため、下記の神経学的検査(「ラセーグテスト」以降の検査)が、後遺障害等級認定においてとても重要になります。

ラセーグテスト

仰向けに寝た状態で、片足ずつ持ち上げ、少しずつ膝を伸ばしていき、大腿(だいたい)後面(太もも後面)~下(か)腿(たい)後面(ふくらはぎ)に痛みが生じるかどうかによって、坐(ざ)骨(こつ)神経の障害を調べる検査です。

ラセーグテスト

下肢伸展挙上テスト(SLR)

仰向けに寝た状態で、片足ずつ膝を伸ばしたまま少しずつ持ち上げ、どの程度まで足が上がるかによって、坐骨神経の障害を調べる検査です。

SLRテスト

大腿神経伸長テスト(FNS)

うつ伏せに寝た状態で、片足ずつ膝を曲げていき、大腿前面(太もも前面)に痛みが生じるかどうかによって、大腿神経の障害を調べる検査です。

FNSテスト

腱反射テスト

腰椎捻挫により中枢神経(神経根や末梢神経)の障害が疑われる場合に行われる検査で、主な検査の種類として、「アキレス腱反射テスト(ATR)」「膝(しつ)蓋(がい)腱(けん)反射テスト(PTR)」があります。 イス等に座った状態で、「アキレス腱反射テスト(ATR)」ではアキレス腱を、「膝蓋腱反射テスト(PTR)」では膝を、検査器具(ゴムハンマー等)で叩き、反射を確認します。神経根や末梢神経に障害がある場合、反射がない、または反射が弱くなります。

病的反射テスト

腰椎捻挫により中枢神経(脊髄中枢神経)の障害が疑われる場合に行われる検査で、主な検査の種類として、「膝クローヌステスト」「足クローヌステスト」「バビンスキー反射テスト」があります。 「膝クローヌステスト」では、膝のお皿をつかんで急激に下に押し、「足クローヌステスト」では、膝を少し曲げた状態で足首を急激に外側に曲げ、「バビンスキー反射テスト」では、検査器具(ハンマーの柄等)で足の裏をかかとからつま先に向かってこすり、各々の検査において反応を確認します。反応の状態によって、脊髄中枢神経に障害があるかどうかを判断します。

バビンスキー反射の方法 クローヌスの方法 クローヌスの方法

筋萎縮検査

膝関節の上下10cm部分の大腿部と下腿部の周りを測り、筋肉が萎縮しているかどうか、筋肉の萎縮の程度を調べる検査です。腰椎捻挫の症状として足のしびれや麻痺が残っている場合、神経が麻痺しているため、筋肉を使用しなくなり、健常な方(健側)に比べて障害が残る方(患側)が細くなって(萎縮して)いきます。

徒手筋力検査(MMT)

検査者の手を用いて筋力を6段階で評価し、筋力の低下の程度を調べる検査です。運動神経に障害がある場合、筋肉を使用しなくなるため、筋力が低下します。

知覚検査

試験管・筆・注射針・安全ピン等の様々な道具を用いて、触覚や痛覚等を調べる検査です。神経障害がある場合、感覚がなくなる、または感覚が鈍くなる等の異常があります。

検査後は「後遺障害診断書」を作成してもらう

必要な検査を終えたら、検査結果をもとに、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらいます。後遺障害診断書は、後遺障害等級認定の申請をするために必要な提出書類になります。そして、後遺障害診断書の記載内容によって、後遺障害等級を獲得できるかどうか、適切な後遺障害等級が認定されるかどうかは、大きく左右されます。後遺障害診断書についての詳しい内容は、下記の記事をご確認ください。

後遺障害診断書と診断書は別物。入手方法は?

後遺障害診断書を受け取ったら後遺障害等級認定の申請へ

医師に作成してもらった後遺障害診断書を受け取ったら、加害者側の任意保険または自賠責保険に提出し、後遺障害等級認定の申請を行います。後遺障害診断書の提出先が、“加害者側の任意保険または自賠責保険”となっているのは、申請方法によって異なるためです。 後遺障害等級認定の申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。事前認定とは、加害者側の任意保険が被害者の代わりに後遺障害等級認定の申請を行ってくれることで、後遺障害診断書の提出先は、加害者側の任意保険になります。一方、被害者請求とは、被害者が自ら自賠責保険に対して後遺障害等級認定の申請を行うことで、後遺障害診断書の提出先は、加害者側の自賠責保険になります。後遺障害等級認定の申請方法についての詳しい内容は、下記の記事をご確認ください。

後遺障害等級認定の申請方法

弁護士に依頼するメリット

医師から「後遺症が残りそうだ」と診断された場合、または実際に後遺症が残ってしまった場合、後に適切な損害賠償金を受け取るために、適切な後遺障害等級認定を受けることが大切です。 しかし、適切な後遺障害等級認定を受けるためには、法的知識や医学的知識といった専門的な知識を要します。そこで、法的知識だけでなく、医学的知識をも有する弁護士に依頼することで、適切な後遺障害等級認定を受けるための的確なアドバイスをしてもらうことができます。また、後遺障害等級認定の申請を被害者請求で行い、申請手続を弁護士に代わりに行ってもらうことで、より適切な後遺障害等級認定を受けられる可能性が高まります。さらに、慰謝料の算定基準で基本的に最も高額になる弁護士基準で算定してもらうこともでき、受け取ることのできる慰謝料が増額する可能性も高まります。 後遺障害等級の認定が必要な場合は、できるだけ早めに弁護士にご依頼いただくことをお勧めします。

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弁護士費用特約を使う場合
本人原則負担なし※保険会社の条件によっては
本人負担が生じることがあります。

弁護士報酬:成功報酬制

  • 着手金0円
  • 相談料0円
  • 弁護士費用後払い

※死亡・後遺障害認定済みまたは認定が見込まれる場合

※事案によっては対応できないこともあります。

※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。

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