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片頭痛の原因は「むちうち」の可能性あり|認定される等級と慰謝料

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員
監修 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates執行役員

交通事故に遭って以来、片頭痛の症状に悩まされている方は、我慢せずに病院に行きましょう。外傷はなくとも、普段と異なる症状は、体内から発せられるSOSかもしれません。 このページでは、交通事故後に発症した片頭痛をトピックとして、詳しく解説していきます。

交通事故が原因で片頭痛は起こるのか?片頭痛が続く時にやるべきこと

片頭痛は、前兆として目の前に明るい光が見えることがあるのが特徴的で、発症すると頭の片側、または両側で、ズキズキとした脈を打つような痛みを感じ、視界が不鮮明になることもあります。 交通事故後に、上記のような片頭痛と思われる症状が現れた場合に、考えられる主な原因としては、むちうちによる自律神経失調症が挙げられます。むちうちは、その症状によっていくつのかの種類に分かれていますが、自律神経の損傷が疑われる症状については、そのうちのバレリュー症状型に分類されています。 片頭痛の原因にむちうちが考えられる場合には、まずは整形外科を受診し、医師の指示のもと必要な検査・治療を受けましょう。

病院で治療を受ける

片頭痛の原因にむちうちよる自律神経失調症が考えられる場合には、まずは整形外科にて、レントゲン・CT・MRI等の画像診断を受け、他覚所見があるかどうかの確認をしましょう。また、握力検査・腱反射検査・知覚検査・ジャクソンテスト・スパーリングテスト等の神経学的検査も併せて受けて、原因の特定をしましょう。 整形外科にて、薬物療法・運動療法・温熱療法等を受ける他、麻酔科やペインクリニックにて星状神経節ブロック注射を併用することで、自律神経を一時的に抑制し、片頭痛の症状を緩和することができます。

片頭痛の原因となる症状と慰謝料の関係

むちうちによる片頭痛

片頭痛の症状があるというだけでは、後遺障害等級の認定を受けることはできません。片頭痛が、むちうちによる自律神経失調症を原因としていることを、医学的に証明もしくは説明できるかどうかで、後遺障害等級の認定が受けられるかどうか、また、後遺障害慰謝料を獲得できるかどうかが決まります。 自律神経失調症で認定される可能性がある後遺障害等級は、第12級および第14級です。第12級の認定を受けるためには、画像診断や神経学的検査の結果から、自律神経失調症の存在と、自律神経失調症と交通事故との因果関係を、医学的に証明できるかどうかが要件となります。それらを医学的に証明できなくとも、説明をすることができれば、第14級の認定を受けることができます。 しかしながら、片頭痛で後遺障害等級の認定を受けることは難しいといわれています。片頭痛の原因と考えられる自律神経失調症は、生活習慣・環境の変化によるストレスやホルモンバランスの乱れ等、交通事故以外に原因がある可能性も考えられるからです。むちうちによる自律神経失調症を主張したとしても、検査結果に異常が見つからないことも多く、原因の特定が難しいこともあり、後遺障害等級の審査結果が非該当となることも少なくありません。

自律神経失調症

自律神経は交感神経と副交感神経に分かれています。自律神経のバランスが交感神経に偏ることで、片頭痛や吐き気等の様々な症状を引き起こす病態を自律神経失調症といい、交通事故では首等に衝撃を受けることで発生します。

請求できる慰謝料

等級 12級13号 14級9号
自賠責基準 93万円 32万円
弁護士基準 290万円 110万円

その他の原因による片頭痛

片頭痛は、むちうちによる自律神経失調症のみが原因となって起こる症状ではありません。交通事故は、場合によっては非常に強い衝撃を体に与えるので、一見して怪我がなく、出血をしていないようなとき等でも、脳や体に深刻なダメージを与えている可能性もあります。 強い頭痛や片頭痛が残り続ける場合は、脳脊髄液減少症や脳出血、くも膜下出血等の可能性がないとは言えません。特に脳髄液減少症はむちうちと区別がつきにくく、見落とされやすい傷病です。 そのため、症状を医師にしっかりと説明したうえで、CTやMRIの検査が必要かどうか等、十分に相談してください。 また、片頭痛が残っている場合、生活においてつらく苦しい思いをされると思います。適切な後遺障害等級認定を望まれる方は、弁護士にご相談ください。

脳脊髄液減少症

脳出血

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交通事故による片頭痛の慰謝料の計算例

入院日数14日・通院期間210日・実通院日数198日・後遺障害等級12級13号の計算例

自賠責基準の計算例

入通院慰謝料
入通院日数224日×日額4200円=94万800円
※自賠責保険は、入通院慰謝料・治療費・休業損害等、傷害部分の損害賠償金の限度額を120万円としています。入通院期間が7ヶ月を超過している本事例の場合には、治療費や休業損害がかさむことが予想されるため、入通院慰謝料は94万800円を下回るであろうことが考えられます。

後遺障害慰謝料
93万円

慰謝料計
187万800円

弁護士基準の計算例

入通院慰謝料
139万円程度(※「赤い本」参照)

後遺障害慰謝料
290万円

慰謝料計
418万円

交通事故による片頭痛でお困りの方へ

交通事故に遭い、片頭痛の症状でお困りの方は、すぐに弁護士に相談することをお勧めいたします。 片頭痛は、様々な検査を受けてもなお、原因の特定が難しい症状であり、ゆえに交通事故との因果関係を証明することも難しいといえます。自律神経失調症は、交通事故のみを原因としていないため、特に因果関係を証明することが難しい病態です。交通事故と片頭痛の因果関係が証明できなければ、後遺障害等級の認定を受けることができず、適正な賠償を受けることもできません。 納得のいく結果を得るためには、交通事故に詳しいだけでなく、医療の知識にも長けている弁護士に依頼し、弁護士基準で損害賠償金を算定することが重要となってきます。

片頭痛と交通事故の因果関係が認められた裁判例

【東京地方裁判所 平成27年3月27日判決】

原告(X1)が運転する同乗者2名(X2・A)を乗せた自動車と、被告(Y)が運転する自動車が衝突した交通事故に対し、X1が、X1の損害および本件交通事故後に亡くなったAの損害(遺産分割協議によりX1が損害賠償請求権を相続)について、X2が、X2の損害について、それぞれYへ賠償請求をした事案です。なお、本件交通事故の過失割合は、X1が3割、Yが7割です。 X1は本件交通事故で負った頸椎捻挫(むちうち)による片頭痛等の症状について、後遺障害等級第14級9号に該当すると認定を受けることができました。しかしながら、Yは、X1の頸椎捻挫について、客観的・医学的な所見がないこと、治療を長期化させた原因について、X1の既往症である頚椎症等が疑われることを主張し、X1の症状固定時期や損害等を争いました。 裁判所は、原告が主張していた症状固定時期を認めなかったものの、治療の長期化に既往症が寄与していたことを認めるに足る証拠はないとして、素因減額はなされませんでした。したがって、X1が当初主張していた入通院慰謝料は、入通院期間約13ヶ月分である120万2000円でしたが、裁判所が認めた入通院慰謝料は入通院期間約8ヶ月分相当である104万円にとどまり、後遺障害慰謝料は、後遺障害等級第14級9号の認定を考慮し110万円の獲得を相当としました。 最終的に、X1には、X1の損害とAの損害を合わせた賠償額336万4873円(過失相殺後の金額)、X2には、X2の損害額18万6231円が認められました。

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