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人工関節置換の後遺障害について

弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治

監修弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates 執行役員

交通事故に遭い、人工関節置換術を行ったということは、大腿骨を骨折する等、負った怪我が重症であると意味しています。治療や通院に伴う苦痛や、後遺症による肉体的・精神的負担等は、適正に賠償を受けるべきです。

さらに、人工関節置換術を行った人「ならではの苦痛・負担」があることをご存知でしょうか?それらも併せて「損害」として相手方に賠償請求するためには、様々な観点から症状を把握する必要があります。

このページでは、交通事故で人工関節置換術を行うような被害に遭われた方に向け、概要や注意点等をわかりやすく解説していきます。

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人工関節置換とは

人工関節置換とは、交通事故等による損傷で傷んだ関節を取り除き、人工関節に置き換える手術療法の一種です。人間の代表的な関節である、肩、肘、股、膝の機能に支障がある場合に採用されます。 人工関節は、金属(ステンレス・チタン合金等)や高度架橋ポリエチレン製で、傷んだ関節の除去・置換は、部位や程度にもよりますが、おおよそ1~3時間程度の手術および2~3ヶ月程度の入院を要します。 人工関節置換術は、痛みの除去や、関節可動性の維持・再建といったメリットがある一方、様々な合併症や、人工関節が摩耗しやすいことから耐久性のリミット(15~30年程度)がデメリットとして挙げられます。

後遺障害等級

上肢

等級 障害の程度
6級6号 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級6号 1上肢の3大関節中の1関節以上の用を廃したもの
10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

下肢

等級 障害の程度
1級6号 両下肢の用を全廃したもの
5級7号 1下肢の用を全廃したもの
6級7号 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級7号 1下肢の3大関節中の1関節以上の用を廃したもの
10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

人工関節置換術を行った場合、認められる可能性のある後遺障害等級は、表のとおりです。表中にある文言を、人工関節置換によって考えられる症状に置き換えて解説します。

3大関節とは

上肢:肩、肘、手首
下肢:股、膝、足首

用を廃したものとは

・人工骨頭または人工関節を挿入し、関節がまったく動かない場合 ・人工骨頭または人工関節を挿入し、関節の可動域が通常の1/2以下となった場合

機能に著しい障害を残すものとは

・人工骨頭または人工関節を挿入した場合 ・人工骨頭または人工関節を挿入したものの、関節の可動域が通常の1/2以下となっていない場合

その他

表以外にも、可動域制限、短縮障害、神経症状において8~14級の後遺障害等級が認められる可能性があります。

後遺障害等級認定の申請をするために必要な書類

後遺障害診断書や交通事故証明書、支払請求書兼支払指図書等、後遺障害等級認定の申請をするには、様々な書類が必要です。事前認定ではなく被害者請求で申請手続を行う場合、それら必要書類をすべてご自身で収集しなければなりません。 詳しくは以下のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

人工関節置換術を行った場合の慰謝料について

等級 自賠責基準 弁護士基準
6級 512万円 1180万円
8級 331万円 830万円
10級 190万円 550万円

人工関節置換術を行った場合、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。 入通院慰謝料は、入通院することで被る苦痛・負担に対して支払われます。適用する算定基準や治療期間によって金額が異なります。 後遺障害慰謝料は、後遺障害を抱えることで被る苦痛・負担に対するものです。適用する算定基準や、認定された後遺障害等級によって金額が異なります。 詳しくは、以下のページをご覧ください。

※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

人工関節置換による後遺障害慰謝料等、相手からの提示金額が低いと感じたら弁護士にご相談ください

交通事故被害に遭い、受傷した怪我の治療の一環で人工関節置換術を行った方の中には、「相手方から提示を受けた損害賠償金額が低い」「適正額がわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際、相手方保険会社の提示金額は、弁護士基準による算定額よりも低いケースがほとんどです。 今まで当たり前のようにできていたことに時間を要したり、制限されてしまったりすることに対する苦痛は、正当な賠償を受けるべきです。さらに人工関節置換は、耐久性にリミットがあるため、将来再手術が必要となるおそれもあります。 その点、交通事故事案に精通した弁護士は、人工関節置換術を要する怪我を負われた方に対しても、抜け目なく適正額の損害賠償金を導き出し、裁判を辞さない姿勢で相手方と交渉を行います。少しでも疑問や迷い、不安がある方は、一度弁護士への相談をご検討ください。

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人工関節置換の治療費について

治療費は、「一括対応」と「被害者請求」という2つの方法によって賠償されます。 一括対応は、相手方保険会社が治療費を治療機関に直接支払ってくれる制度です。 一方、被害者請求は、被害者が一旦負担した治療費を自身で自賠責保険に請求し、支払いを受ける制度をいいます。

健康保険を使って治療が可能

治療機関によっては、健康保険を使用できないといわれる機会があるかもしれません。しかし、交通事故による怪我の治療であっても、例外を除き健康保険は使用可能です。「第三者行為による傷病届」を各健康保険に提出する等、適切に対応することが重要です。
詳しくは、以下のページをご覧ください。

仮渡金制度で治療費を前払いしてもらいましょう

仮渡金制度をご存知でしょうか? 入通院が長くなり、ご自身による治療費の負担が増大した場合に、示談成立前でも前倒しで治療費の支払いを受けられる制度です。後々、過不足分の調整は必要ですが、経済的負担軽減につながることがメリットとして挙げられます。

治療で働けなくなったときの生活費について

交通事故で受傷し、人工関節置換術を行うには、入院や通院等のために仕事を休まなくてはなりません。すると、給与が減ってしまう等、生活費を工面するのも困難になってしまうおそれがあります。その賠償として、休業損害後遺障害逸失利益があります。

休業損害

休業損害とは、人工関節置換術等の交通事故で被った怪我の影響により、仕事を休んだ場合に発生した損害をいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、人工関節置換術による後遺障害のせいで将来得られるはずの収入が得られなくなった場合の損害をいいます。詳しくはこちらをご覧ください。

人工関節置換で障害者手帳を受け取るためには

人口関節置換術を行う怪我というのは、決して軽度なものではありません。人工的な物が常に体内にあり、耐久性の問題から将来再手術をするかどうかは、任意であり、程度によって受けられる社会保障も異なりますが、“身体障害者手帳”の交付を受けられる可能性があります。 申請先は、住民票のある地方自治体の担当窓口で、身体障害者手帳交付申請書、後遺障害診断書、意見書、印鑑、マイナンバー等が必要です。予め担当窓口に必要書類を確認しておくと良いでしょう。地方自治体より審査を受け、都道府県知事より交付を受けます。

人工関節置換についての裁判例

【名古屋地方裁判所 平成11年4月30日判決】

被害者 事故当時41歳 男性
受傷内容 右股関節脱臼骨折、下顎・口腔内挫創、頭部・腹部挫傷
※右大腿骨骨頭壊死により、人工骨頭置換術受
後遺障害等級 8級7号
身体障害者障害程度等級 第4級

裁判所は、人工骨頭置換術を受けた被害者に対して、耐用年数の関係から遅くとも20年後に再手術が必要であること、その費用として500万円を認めました。一方で、健康保険や社会福祉からの助成金といった給付金が支給される点、年5%の割合で減価して現在価格を求める必要がある点等を考慮し、その現在価格は50万円であると判断しました。 その他にも、今後平均余命である34年間使用する必要がある歩行補助杖(単価1万8989円、耐用年数3年)について、将来購入費として合計13万6646円を認めました。 さらに、将来の定期検診に伴う損害、後遺障害逸失利益につき被害者の努力によって減収が発生しなかったこと等を考慮し、弁護士基準では830万円が相場であるところ、800万円を後遺障害慰謝料として認め、被害者の損害賠償金は合計1228万2171円であると判断しました。

【神戸地方裁判所 平成10年9月24日判決】

被害者 事故当時31歳 男性
受傷内容 右下腿開放骨折、右股関節脱臼骨折、左股関節脱臼、左鎖骨骨折、右坐骨左恥骨骨折
後遺障害等級 併合第8級

裁判所は、被害者が近い将来、人工関節置換術を要し、さらにその10数年後には新しい人工関節と入れ換える手術をしなければならないことを認めました。一方で、将来の具体的な損害を算定することは事実上不可能であるとし、これらの事情は慰謝料の算定に当たって考慮するものと判断し、後遺障害慰謝料700万円、将来手術費800万円を認めました。 被害者は17歳時にも事故に遭い、右下腿骨開放骨折等を受傷し後遺障害等級併合第7級の損害填補を受けているため、今回事故において20%程度の素因減額を認め、被害者の損害賠償金は合計4717万7300円であると判断しました。

人工関節置換に関する後遺障害等級について、弁護士に相談してみませんか?

人工関節置換術を行うような交通事故は、被害者が受傷した怪我が重症であることが多く、請求できる損害賠償金額が自ずと高額となる傾向にあります。また、耐久性の問題から、将来的に人工骨頭や人工関節の手術費用、補助具の買い替え費用等が必要になるおそれもあります。 その点、交通事故事案の経験が豊富な弁護士は、将来発生するであろう損害についても抜けなく立証し、請求することができます。損害賠償の費目としては、将来の手術費用として認められなくても、その分を慰謝料に上乗せし費用を補填するという方法もあります。 後遺障害等級や身体障害者手帳の申請手続に関することや、損害賠償金額の妥当性等、不安や疑問を少しでも感じたら、ぜひ弁護士にご相談ください。弁護士法人ALGは、ご依頼者様の一番の味方となって、ご一緒に納得のいく解決を目指します。

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